2016 10.09
人間関係を良好にするコツ①~価値フィルターの理解~
皆さんは,同じものを見ているのに,人によってイメージするものや印象が全然違うということを経験されたことがありますか?
きっと,一度もないという人はいらっしゃらないと思います。
というか,しょっちゅうあるという人がほとんどではないでしょうか。
例えば,ある人が〇〇という芸能人に似ているか似ていないかというようなことは,意見が一致することもあれば異なることもしばしばありますよね。
さて,このような意見の違いというのはどうして起こるのでしょうか?
それは,人は誰しも1人1人異なる「価値フィルター」を持っており,人が捉えている現実というのは,事実に対して価値フィルターによる解釈が加えられたものであるからです。
同じものを見聞きしても,人によって感じ方や印象が変わるということはもはや当たり前に近い世界だと思いますので,言葉で説明しようとすると理屈っぽくなってしまいますが,皆さんイメージはなんとなくわかるのではないかと思います。
ただ,このように当たり前のような感覚であるにも関わらず,これを人間関係の構築において意識している人は非常に少ないです。
職場での人間関係は好例でしょう。
例えば,関係が悪い上司と部下との間では,お互いに以下のように,相手が理解できないという趣旨の言葉が出てくることがよくあります。
上司「あいつ(部下)は何を考えているかさっぱりわからん。なんでもっと仕事の大事さを理解して,情熱をもって取り組もうとしないんだ!?」
部下「あの上司は俺(私)のことを何もわかってない。こっちのことを何も理解しようとしない上司になんてついていけないよ。」
このように,人間関係が悪くなっている者同士の場合に,双方がほぼ100%陥っている状態があります。
それは,「相手と自分の価値フィルターの違いを考えていない。」ということです。
「価値フィルター」というのは,価値観に近い意味を持つ言葉ですが,私の解釈では,価値観よりもう少し広い概念で,人が事実を脳で認識するに際して,必ず通過する解釈基準のフィルターというイメージです。
この価値フィルターは,人の遺伝子,育ってきた環境,これまでの経験等様々な要因によって形成されていくものであり,また,新たな経験や情報によりいくらでも貼り替わるものです。
そのため,誰1人全く同じ価値フィルターを持つ人はこの世に存在しません。
人と人との摩擦や争いは,まさにこの価値フィルターの違いから起こるものです。
例えば,そのことを示す究極的な事例は,宗教観の違いによる戦争でしょう。
人は,価値フィルターの違いを理由に殺し合うことすらあるのです。
逆に言えば,価値フィルターの違いをしっかりと理解し,相手がどんな価値フィルターを持っているかを理解しようとすれば,自ずと摩擦や争いを避けることができるということです。
どうも職場や家庭で人間関係がうまくいっていないとか,ビジネスにおける良好なチームワークの形成に苦労しているという方は,関わる人々がどんな価値フィルターを有しているのかを考えることを意識してみましょう。
もちろん,すぐに100%価値フィルターを見極めるということは難しいですが,その人のこれまでの言動を振り返って,『ここでこういう言動をするということは,つまりどんな価値フィルターを持っているのか。』と考えてみれば,その人に対する認識の幅が多少なりとも今までより広がるはずです。
私は,弁護士としてクライアントの紛争解決や,公平な商取引の支援等の業務を遂行するにあたり,自分が持っている情報から推測できる範囲で必ず相手方の価値フィルターを考えるようにしています。
そして,その結果を踏まえて,今後の事件対応方針を考え,それをクライアントに提案します。
これは,最終的に相手方という「人」を動かすための効果的な方法は,その人の価値フィルターに応じて変わり得るからです。
裁判をされればすぐ動くという価値フィルターの持ち主もいれば,裁判よりも,こちらが相手方の話をきちんと聴いたうえで,現実的に相手方が対応可能なことについて一緒に考えるような進め方の方が,結果としてこちらの望むような動きをしてくれるような価値フィルターの持ち主もいます。
相手がどんな価値フィルターの持ち主なのかが見えてくると,まず,相手の行動の理由や原因が理解できないという状況が減ります。これによって,相手との心理的距離が開くことは自然と少なくなっていきます。
そして,そのように相手方の行動の理由や原因が見えてくると,だんだんとその理解を前提に行動するようになるので,相手との摩擦や衝突が減っていきます。
そのようなステップを重ねていけば,自ずと相手との人間関係は良好になっていきます。
ちなみに,価値フィルターに対する理解を進める主体は,双方が「理解しよう」と努めることが理想的ではありますが,こちら側だけでも十分効果がありますので,安心してください。
どちらか一方がそのような意識を持って行動するだけで,関係は劇的に変わります。
嘘だと思ったら試してみてください。
そうそう,重要なことを最後に伝えておきますね。
価値フィルターを理解しようとする際には,「人は常に自分なりの価値フィルターに従って最善の行動を選択している」という原則を念頭に置いておいてください。
「価値フィルターを理解する者は,人間関係を制す。」
皆さんの悩みの種となっている不満足な人間関係が少しでも改善されることを心から願っております。
きっと,一度もないという人はいらっしゃらないと思います。
というか,しょっちゅうあるという人がほとんどではないでしょうか。
例えば,ある人が〇〇という芸能人に似ているか似ていないかというようなことは,意見が一致することもあれば異なることもしばしばありますよね。
さて,このような意見の違いというのはどうして起こるのでしょうか?
それは,人は誰しも1人1人異なる「価値フィルター」を持っており,人が捉えている現実というのは,事実に対して価値フィルターによる解釈が加えられたものであるからです。
同じものを見聞きしても,人によって感じ方や印象が変わるということはもはや当たり前に近い世界だと思いますので,言葉で説明しようとすると理屈っぽくなってしまいますが,皆さんイメージはなんとなくわかるのではないかと思います。
ただ,このように当たり前のような感覚であるにも関わらず,これを人間関係の構築において意識している人は非常に少ないです。
職場での人間関係は好例でしょう。
例えば,関係が悪い上司と部下との間では,お互いに以下のように,相手が理解できないという趣旨の言葉が出てくることがよくあります。
上司「あいつ(部下)は何を考えているかさっぱりわからん。なんでもっと仕事の大事さを理解して,情熱をもって取り組もうとしないんだ!?」
部下「あの上司は俺(私)のことを何もわかってない。こっちのことを何も理解しようとしない上司になんてついていけないよ。」
このように,人間関係が悪くなっている者同士の場合に,双方がほぼ100%陥っている状態があります。
それは,「相手と自分の価値フィルターの違いを考えていない。」ということです。
「価値フィルター」というのは,価値観に近い意味を持つ言葉ですが,私の解釈では,価値観よりもう少し広い概念で,人が事実を脳で認識するに際して,必ず通過する解釈基準のフィルターというイメージです。
この価値フィルターは,人の遺伝子,育ってきた環境,これまでの経験等様々な要因によって形成されていくものであり,また,新たな経験や情報によりいくらでも貼り替わるものです。
そのため,誰1人全く同じ価値フィルターを持つ人はこの世に存在しません。
人と人との摩擦や争いは,まさにこの価値フィルターの違いから起こるものです。
例えば,そのことを示す究極的な事例は,宗教観の違いによる戦争でしょう。
人は,価値フィルターの違いを理由に殺し合うことすらあるのです。
逆に言えば,価値フィルターの違いをしっかりと理解し,相手がどんな価値フィルターを持っているかを理解しようとすれば,自ずと摩擦や争いを避けることができるということです。
どうも職場や家庭で人間関係がうまくいっていないとか,ビジネスにおける良好なチームワークの形成に苦労しているという方は,関わる人々がどんな価値フィルターを有しているのかを考えることを意識してみましょう。
もちろん,すぐに100%価値フィルターを見極めるということは難しいですが,その人のこれまでの言動を振り返って,『ここでこういう言動をするということは,つまりどんな価値フィルターを持っているのか。』と考えてみれば,その人に対する認識の幅が多少なりとも今までより広がるはずです。
私は,弁護士としてクライアントの紛争解決や,公平な商取引の支援等の業務を遂行するにあたり,自分が持っている情報から推測できる範囲で必ず相手方の価値フィルターを考えるようにしています。
そして,その結果を踏まえて,今後の事件対応方針を考え,それをクライアントに提案します。
これは,最終的に相手方という「人」を動かすための効果的な方法は,その人の価値フィルターに応じて変わり得るからです。
裁判をされればすぐ動くという価値フィルターの持ち主もいれば,裁判よりも,こちらが相手方の話をきちんと聴いたうえで,現実的に相手方が対応可能なことについて一緒に考えるような進め方の方が,結果としてこちらの望むような動きをしてくれるような価値フィルターの持ち主もいます。
相手がどんな価値フィルターの持ち主なのかが見えてくると,まず,相手の行動の理由や原因が理解できないという状況が減ります。これによって,相手との心理的距離が開くことは自然と少なくなっていきます。
そして,そのように相手方の行動の理由や原因が見えてくると,だんだんとその理解を前提に行動するようになるので,相手との摩擦や衝突が減っていきます。
そのようなステップを重ねていけば,自ずと相手との人間関係は良好になっていきます。
ちなみに,価値フィルターに対する理解を進める主体は,双方が「理解しよう」と努めることが理想的ではありますが,こちら側だけでも十分効果がありますので,安心してください。
どちらか一方がそのような意識を持って行動するだけで,関係は劇的に変わります。
嘘だと思ったら試してみてください。
そうそう,重要なことを最後に伝えておきますね。
価値フィルターを理解しようとする際には,「人は常に自分なりの価値フィルターに従って最善の行動を選択している」という原則を念頭に置いておいてください。
「価値フィルターを理解する者は,人間関係を制す。」
皆さんの悩みの種となっている不満足な人間関係が少しでも改善されることを心から願っております。