阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2016 06.14

さて,昨日の続きで,5つの欲求が個々人で異なるということを理解することの重要性について,具体例を交えて考えてみたいと思います。

まず5つの欲求についておさらいです。

生存の欲求 ⇒ 生きながらえようとする欲求。食事,睡眠,生殖等

愛・所属の欲求 ⇒ 愛し愛される関係を築きたい,誰かとつながっていたいという欲求

力の欲求 ⇒ 仕事で成果を上げたり,誰かに認められたり,名声を得たいという欲求

自由の欲求 ⇒ 自らの人生を自らの自由で決めたい(誰かに制限されたくない)という欲求であると同時に,経済的な意味でも自由でいたいという欲求もさす

楽しみの欲求 ⇒ 趣味や教養を楽しみたい,あるいはもっと色々なことを知りたい,学びたいという欲求

 

それでは,まだ乳児くらいの小さい子供のいる夫婦の例で考えてみましょう。

夫は,力の欲求が強く,仕事で成果を出したり,会社内で好評価を受けたり,周りの人から良く思われたいという願望が強いタイプでした。

一方,妻は,愛・所属の欲求が強く,家族で過ごす時間をできるだけ長くとりたい,あるいは自分の親や親しい友人と過ごす時間を重視したい,という願望が強いタイプでした。

夫は,夜遅くまで仕事をし,上司や取引先との飲み会等にも頻繁に出かけたりもしますが,それは自分がビジネスマンとして成功し,家族を養っていくために,あるいは今後の生活をもっと豊かにしていくために必要なことなのだ,と考えています。

妻は,夫はビジネスマンである前に父親であるのだから,もっと家族と関わる時間を増やしてほしいと思っていました。

非常によくある状況です。

このような状況下で,お互いの考える幸せの形=重要度の高い欲求について考えが及ばなかった場合,どんどん擦れ違いが激しくなっていきます。

一番よくあるパターンは,夫が経済的支柱になっていることを理由に,妻が言いたいことを言えずに我慢し,子育てもほぼ1人でやり続け,結果としてストレスがかさみ,何かのきっかけで不満が爆発して離婚に至るというものです。

これは,夫と妻,どちらが悪いという単純な話ではありません(※もちろん,個別のケースでは,一方は相手のことを思いやっていたのに,他方はそのような気持ちが現れてこず,うまくいかないという場合もありますが。)。

お互いが,相手の望む幸せの形を理解すること(=相手の重視している欲求を理解すること),そして,相手の欲求充足を手助けすることが自分の幸せにつながるということに気づくことが大事です。

ここ,テストに出ます!よく覚えておいてください。

夫婦や家族,親しい友人,会社の同僚,上司,部下といった,自分の日常生活において重要な役割を持っている人達について,その人たちの欲求充足のお手伝いをすることは,結果として自分自身の欲求を効果的に充足することにつながります。

なぜなら,そのような自分にとって重要な役割を持つ人たちの成功(幸福)は,当然ながら,自分の成功について重大な影響力を持っているからです。

家庭で配偶者や子供がいつも笑顔で楽しく暮らしている状況と,不満ばかりで暗い顔をしている状況,どちらがあなたにとって幸せな状況ですか?

会社で同僚,上司,部下らと人間関係が不和になっており,お互いの足を引っ張りあうような状況と,皆が成功し,しかもそれについて自分が貢献できている状況,どちらがあなたにとって望ましいですか?

いずれも,言うまでもなく明らかだと思います。

そして,もう1つ重要なことがあります。

それは,自分が望ましいと思う状況は,自らの思考と行為で主体的に創り出さなければならないのであって,状況の改善を他人任せにしている(あるいは状況の悪化を他人のせいにしている)限りは,いつまでたっても幸せな状況には至れないということです。

だから,私が人生の指針とする7つの習慣では,成功に至る全ての習慣の基礎として,第1の習慣で「主体的であること」を掲げているのです(※第1の習慣についてはこちらをご覧ください。)。

ぜひ,皆さんの人生において重要な役割を持つ人達の欲求を知り,その充足の手助けをしてみてください。

時間はかかる場合もありますが,続けていれば,必ず皆さん自身にとって良い方向に状況が変わっていくはずです。

 

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