阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2020 06.26


早速ですが,皆さんにご質問です。

皆さんは,ご自身の事業活動や,プライベートの様々な活動(家族
関係,子育て,趣味等々)において,敵を増やしたいですか?それ
とも,味方を増やしたいですか?

考えるまでもなく,味方を増やしたいですよね。

そして,逆に言えば,敵は減らしたいですよね。

(というか,理想的には,敵が全くいないのが一番ですよね)

では,皆さんは,味方を増やし,敵を減らす(もしくは敵をつくら
ない)ための効果的な考え方を持ち,それに基づく効果的な行動をと
っていらっしゃいますか?

そう言われると,自信をもって「YES」とは言いづらい,という方
も少なくないのではないでしょうか。

実際,私が弁護士として受けるご依頼も,誰かと敵対してしまってト
ラブルとなり,その問題解決のためにご相談されるという内容が一定
数あります。

では,どうしたら味方を増やし,敵を減らすことができるでしょうか?

この点について,私から,皆さんにおすすめしたい行動習慣があり
ます。


それは,「好き嫌いに関わらずあらゆる人に対して共感を示す」とい
うことです。


この習慣には,大きく2つの重要ポイントがあります。

1つ目は,「好き嫌いに関わらず」ということです。

誰だって,自分が好ましく思っている(≒信頼している,尊敬してい
る)人に対しては,寄り添って共感することはそこまで難しいことで
はないでしょう。

これに対して,自分が苦手意識を持っている人や,正直言って嫌いだ
なと感じる人に対してはどうでしょうか?

多くの人が,『そんな人に寄り添って共感することなんて無理』と思
うのではないでしょうか?

それどころか,苦手な人や嫌いな人に対しては,そうでない人に比べ
て,会話や挨拶等のコミュニケーションを極力しないようにしている,
という方も少なくないと思います。

さて,このような対応は,『味方を増やし,敵を減らす(つくらな
い)』という目的との関係で,プラスの効果とマイナスの効果,どち
らをもたらすでしょうか?


もちろん,マイナスですね。

自分に対して距離を置くようなコミュニケーションの仕方をしてくる
人に対して,味方になってくれるような人はほぼいません。

むしろ,そのような人に対しては,敵意を持ってしまうのが多くの人
の一般的な心理傾向です。


だからこそ,味方を増やしたいのであれば,『好き嫌いに関わらず』
というところがまず重要なポイントになるのです。


次に,2つ目のポイントについてお伝えします。

それは,『共感を“示す”』という部分です。

「共感」というのは,

「その人の置かれている環境・状況や,その人の人格形成に寄与して
きたこれまでの背景事情等の一切の事情をふまえると,ある場面であ
る行動をとってしまうのも無理はない」というように,その人の行動
を否定せず,肯定的に捉えることです。


例えば,BさんがAさんからお金を借りたのに,約束の期限までに全
く返済せず,しかも,Aさんからの電話やLINE等にもいっさい反応し
なくなり,連絡が取れなくなったというケースで考えてみましょう。

この時,皆さんがBさんの上記のような行動を肯定的に捉えるとした
ら,どのように考えるでしょうか?

もちろん,背景事情によって様々でしょうが,例えば1つの考え方と
して,私はこんな風に考えるようにしています。

「Bさんの立場からすれば,期限までにお金を返せていなくて気まず
い上に,今現在も返す当てがないとすれば,Aさんと話しても怒りを
ぶつけられるだけで,何も良いことがない。そんな状況に置かれれば,
(不誠実であることは否めないが)いわば自己防衛(もしくは逃避行
動)として,Aさんとの連絡を絶つという行動をとっても無理はない。
人間誰だって自分が可愛いし,辛い思いからは逃れたい生き物だか
ら。」


これは,Bさんの行動が社会倫理的・道徳的に認められるべきと考え
ているわけでは全くありません。ここで,Bさんに共感を示すこと
と,Bさんの行動が社会的倫理的・道徳的に認められるべきであると
考えることは,全く別物です。

「共感」は,あくまで,人間という生き物が持っている自己防衛本能
や,自分にとって都合の悪い現実に真正面から向き合うことの辛さ,
大変さという一般論を背景に,『そういう行動をとることもあり得る
こと』と理解するということです。


まず,この「共感」というステップが簡単ではないわけですが,より
重要なことはこれを「示す」ことです。

相手の話を,否定的に捉えずに傾聴し,その上で,自分が共感したこ
とを「言葉にして伝える」というのが非常に重要です。

皆さんも,家族,友人,同僚等に,自分の話を真摯に聴いてもらい,
『それってこういうことだよね?』とか,『あなたは●●という気持
ちになって,そういう行動をとったんだよね?』等と,自分の話から
導かれる心理状態等を理解してくれる言葉をかけてもらった時,大き
な喜びや,安心感等を感じたご経験は,一度ならずおありではないか
と思います。

それを,原則としてどのような相手に対しても行うことが,味方を増
やし,敵を減らすことに非常に効果的であるというわけです。



本日お伝えした行動習慣は,決して簡単なことではありません。

正直,一定の知見と,それに基づくトレーニング(※実践行動の積み
重ね)が必須といえます。


ですが,その分効果も絶大です。


どんな苦境に陥っても「味方」になってくれる仲間を増やし,あなた
の足を引っ張る「敵」を減らすことは,あなたのビジネス&プライベ
ートを格段に充実化することにつながります。


ぜひ,考えてみてくださいね!


 


 


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