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20205.12

「交渉」におけるリスクヘッジ


新型コロナウイルスの影響により,事業に深刻な打撃を受け,
その結果,店舗やオフィスのテナント賃料の支払や,銀行借入れその
他各種支払について,通常の契約どおりの支払が困難になっている企
業は少なくありません。


このような場合,支払先との間で,期限の猶予や,支払金額の減額等
を要請する交渉が必要となります。


そこで,本投稿では,「交渉におけるリスクヘッジ」という
テーマで,こちらの要望を交渉相手に受け入れてもらうために重要な
ポイントをお伝えしたいと思います。


ずばり,結論からお伝えしますが,交渉における極めて重要なポイン
トは,


『自分の要望内容は,相手にとっても一定程度受け入れる価値があ
る(メリットがある)ということを可能な限り詳細に伝える』


ということです。


例えば,賃料の減額交渉で考えてみましょう。


このような場合,


「コロナウイルスの影響で売上げがガタ落ちなので,申し訳ありませ
んが,向こう半年間,賃料を30%減額してもらえませんか?」


というように,自分の窮状を伝えて,相手の温情や寛容さに頼ろうと
するアプローチをしてしまう方が少なくありません。


ですが,このようなことを言われた場合,大家さんの立場からすれば,


『確かに,コロナの影響で大変なのはわかるが,自分(賃借人)の都
合ばかりを言われてもなぁ・・・』


という気持ちになってしまっても無理はないでしょう。


上記の例では,一方的に,『困っているので助けてください』とお願
いしているだけであり,大家さん側がこれを受け入れる価値(メリ
ット)について,何らの情報提供もできていません。



私なら,例えば次のようなお話しの向け方を考えます。


『コロナウイルスの影響で売上げが前年対比70%ダウンになってい
ます。現在の状況で,通常の賃料のお支払を継続した場合,3か月後
に資金が底をつき,全く賃料が支払えない状況に至る可能性が濃厚で
す。その場合,大家さんにお支払できる賃料は合計60万円にとどま
ってしまいます。ですが,賃料を30%減額していただければ,最低
でも5か月はなんとか延命できる見込みが立ちますので,その場合,
最悪でも大家さんには,20万円×0.7×5=合計70万円の賃料
をお支払できます。もちろん,最悪の事態を回避すべく全力を尽くし
ますので,今後も事業を維持できれば,この先も長く賃料をお支払い
し続けることができます。大家さんも商売ですので,減額というのは
簡単なことではないのは重々理解しておりますが,うちが倒れてもな
かなかすぐには新しいテナントも決まりづらいでしょうし,お互いの
共存のため,なんとかご考慮いただけないでしょうか?』


(※あくまで参考例であり,ケースによって伝える内容は調整します)



根底にあるのは,交渉を成功に導く「Win-Winの法則」です。


当たり前のことですが,特にお金が絡む交渉事に関しては,自分も一
定のプラスを得られる(もしくはマイナスを避けられる)という「価
値」(メリット)を感じるからこそ,相手からの提案や依頼事を受け
入れようという気持ちになりやすいのが人間です。


ですから,交渉事は,常に一定のWin-Win思考をもって,自分
の提案について相手にどんなWin(=価値,メリット)があるかを
考えることが,成立の秘訣となります。


また,表面上の提案内容だけでは,相手に,「本当にWinがあると
いえそうかどうか」という疑問が生じる可能性がありますので,例え
ば,実際の売上げに関する資料を提供するなど,相手が自分にもWin
があると確信しやすくなるような情報や証拠資料を提供することも有
益です。


以上のポイントは,コロナウイルス絡みかどうかに関わらず,およそ
全ての交渉事(=商談,トラブル対応等を含めた,相手から一定の
YESを引き出す必要のある全ての対人コミュニケーション)におい
て当てはまるものです。


ぜひ,今後の交渉事に活かしてみてくださいね!


 


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