阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2018 01.15

皆様,明けましておめでとうございます。

本年も,個人と人間関係についての効果的な原理原則とその実践方法を中心に,皆様にとって有益となる情報を発信してまいりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

昨年後半は,おかげさまで,Facebookやメルマガをご覧いただいている方からのご紹介や,企業内研修,あるいはご自身が形成されている異業種コミュニティでのセミナー等のご依頼を頂くことが増えてまいりました。

やはり,直接顔を見て,その場でお互いに質問をし合いながら情報をお伝えすることが最も効果的ですので,「自分の会社でも・・・」とか「自分のコミュニティでも・・・」というようなご要望がもしございましたら,ぜひご連絡いただければと思います。

さて,新年最初の投稿となる本稿では,「リーダーの役割と原理原則との関係」についてお話ししたいと思います。

私は,仕事柄,多くの経営者の方々や,何らかのコミュニティにおいてリーダーの役割を担っている方にお会いしてお話しする機会が多いのですが,皆様の経営上(運営上)のお悩みをお聴きする際に,

『それは●●という人間の原理原則を知って,それを前提に対処すれば効果的なのになぁ・・・』

というような思いを抱くことが多いです。

リーダーというのは,最低でも自分以外の1名以上の人間とチームを形成し,チームとしての目的を達成するために効果的な選択をメンバーが行っていけるように,時には導き,時には支援することを主たる役割とする存在です。

ですから,リーダーにとっては,「いかにメンバーにチームの目的・目標達成のために効果的な動きをとってもらうか」ということが,常に取り組むべき最重要課題といっても過言ではないでしょう。

そして,リーダーは将棋の駒のようにメンバーを直接的に動かすことはできませんから,メンバーが動きたいと考えてくれるように効果的な関わり方をすることが重要になります。

この「効果的な関わり方」を考える上では,人間の本質に関わる原理原則が極めて大きな意味を持ちます。

なぜなら,リーダーの関わり方の効果性(=メンバーがリーダーの期待どおりに動いてくれることへの実現可能性)を決めるのは,人間の本質に関わる原理原則だからです。

抽象的な言い回しが続いてしまったので,具体例で考えてみましょう。

例えば,リーダーであるAさんが,まだキャリアの浅いメンバーであるBさんに対して,全ての判断や選択(意思決定)を任せきることは不安があるため,随時Aさんに相談をしながら課題に取り組んでほしいと考えたとします。

このような場合,Aさんが「困ったことやわからないことがあったら随時私に相談しなさい。」とBさんに伝えておくことは,「Bさんに期待どおりの動きをしてもらうこと(=課題に取り組むにあたって随時Aさんに相談すること)」との関係でどのくらい効果的な(=実現可能性を上げる)関わり方でしょうか?

もちろん,このような言葉をかけないよりは,かけておいた方が相談しやすいことは間違いないでしょうから,効果性ゼロとはいえないでしょう。

ただし,効果性が高い関わり方とは言い難いと思います。

なぜでしょうか?

それは,

「人間は,信頼関係が深まっておらず,自分のことを気に入ってくれているかわからないような相手に対して積極的に相談する気にはならない」

という原則があるからです。

このような原則に照らせば,ただ言葉だけで「困ったら私に相談しなさい」と伝えるだけでは信頼関係が大きく深まることはないわけですから,効果性は低いと言わざるを得ませんよね。

実際,Aさんが,Bさんにそのような言葉をかけてはいたものの,それ以降自分からBさんにアプローチすることはなく,普段は難しい顔をしながら自分の部屋や執務スペースで自分の仕事に集中しており,Bさんや他のメンバーが話しかけても,「今自分は忙しいんだから,後にしろ」というような感じで対応をしていたとしたらどうでしょうか?

皆さんがBさんの立場だったら,自分の課題についてAさんに気軽に相談しようという気になりますか?

少なくとも私はなりませんし,おそらく多くの方が「ならない」と思われたことでしょう。

これに対して,Aさんが普段からBさんに気軽に声をかけ,励ましたり勇気づけたりするような関わりや,ランチに誘ってBさんのプライベートな話にも興味を持って耳を傾ける等の行為を行っており,かつ,他のメンバーから相談や質問をされても笑顔できさくに対応していたらどうでしょうか?

少なくとも,このようなAさんに対して「相談しにくい」とか,「相談しようという気にならない」というような思いを抱く方はまずいないですよね。

これは,上記の原則を(意識的か無意識的かに関わらず)理解しているからこそ実践できる行動です。

ちなみに,ここではもう1つ持っておくべき重要な視点があります。

それは,Aさんのこのような行動は,Bさんにとってありがたいことはもちろんのことですが,Aさんがリーダーとして追い求めているチームの目的・目標の達成との関係で効果的な選択であるということです。

もっと平たく言えば,Bさんのために仕方なくやっていることではなく,Aさん自身のために(も)やっていること,といえるのです。

AさんとBさんのWin-Winということですね。

あるいは,チームも含めればWin-Win-Winということもできるでしょう。

時々,上記のようなメンバーとの関わり方をおすすめした際に,

「なんでわざわざそこまでしなければならないのか」

という疑問を持たれる方もいらっしゃいます。

ですが,この疑問に対する答えは明確です。

「そうすることが結局あなた自身の目標達成に対して効果的だから」です。

このように,リーダーがチームの(&自己の)目的・目標を達成するために効果的にメンバーと関わるためには,人間の本質に関する原理原則を知り,実践することが極めて肝要なわけです。

私は,7つの習慣を中心とする先人たちの原理原則の叡智を研究し,それを弁護士としての様々な業務や,昨年から毎月実施している勉強会(ワークセッション),あるいは家族生活を中心とするプライベートで実践することで,原理原則の効果的な理解と実践について造詣を深めてきました。

今後は,Win-Winクリエイターであると同時に,「原理原則プレゼンター」として,効果的な原理原則を実践していきたい経営者や個人に対する支援をより一層強化してまいります(^^)!