2017 10.17
去る10月7日(土),100万部を超える大ベストセラーとなっている「嫌われる勇気」の著者である岸見一郎先生の講演会が札幌で開催され,私も参加してきました。
私自身,「嫌われる勇気」を初めて読んだ時の衝撃は忘れられませんし,その後もアドラー心理学に受けた影響は計り知れないものがあります。
私の人生指針である「7つの習慣」の著者・スティーブン・R・コヴィー博士も,アドラー心理学の考え方に影響を受けていると言われているので,もはやアドラー心理学は私という人間を構成する基本要素といっても過言ではないと思っています。
そのアドラー心理学の研究において日本の第一人者である岸見先生のお話が直接聴けるということで,以前から本当に楽しみにしていた講演会でした。
今日は,その講演会から私が学んだことを皆さんと共有したいと思います。
岸見先生は,主として,以下の3つのテーマについてお話をしてくださいました。
① 他者の目を気にしないこと
② ありのままの自分に価値を置くこと
③ 今この瞬間を生きること
この中から,今日は,「① 他者の目を気にしないこと」について考えてみたいと思います。
正直に言って,“言うは易し,行うは難し”の典型みたいな話だとは思います。
『他者の目を気にせず生きられれば誰だって苦労はしないけど,そんなの無理だろ!!』
と思われる方がほとんどだと思います。
私もそれはそのとおりだと思います。
自分が他者からどんなふうに見られている(認識されている)のかということを一切考えないようにするなど到底無理なことです。
それに,人は他者の目を通して自分というものを認識する生き物ですので,そういう意味でも,他者からの印象等について考えないようにするのはむしろ問題があります。
私は,「他者の目を気にしない」というのはそういう意味で捉えてはいません。
あくまで個人的な解釈ではありますが,この点に関して私が核だと思っていることは2つです。
1つ目は,他者と比較する(競争する)のをやめること
2つ目は,他者からの印象や評価を自分の行動基準にしないこと
他者と比較・競争しないようにするというのは,特に学生時代には常に同級生などと比較されがちな現代の日本社会においては,多くの方の感覚になじまない考え方だと思います。
そういう意味で,そのような考え方を習慣にすることに困難を感じる人も多いと思います。
ただ,これについてはシンプルな考え方というか,解決方法があります。
他者と比較・競争するのではなく,自分自身の理想(目標)と現在との比較をする。
これに尽きます。
「●●君と比べて俺の営業成績は悪い・・・」
「●●さんにだけは負けたくない(=●●さんに劣っていると周りから思われたくない)」
というように,他者と比べるのではなく,
「今の自分の行動は,自分が目指している理想像と比べてどうか?」
「自分で立てた目標にまだ届いていない。どうすれば届くか考えよう!」
というように,専ら自分の内側で,自分自身と比較をするのです。
そして,他者の存在は,自分の理想像や目標値をどのように設定するかを決定する上での一参考情報にとどめるようにします。
例えば,
『●●先輩のようなビジネスマンになりたいから,自分も●●さんが立てている目標を追いかけてみよう』
というような感じですね。
これは,●●先輩と自分との優劣を比較しているのではなく,自分の理想像や目標を考える上で,●●先輩というモデルを参考にしているだけです。
自分と他者を比べようとしたり,他者を打ち負かそうとか,他者より上に立とうという意識を持つ限り,常に他者の存在を意識し続けることになります。
そうなると,自分では一切コントロールできない他者の存在や行動に,常に自分の行動選択が揺り動かされることになってしまうわけです。
自分の人生は,誰のものでもない自分だけの唯一無二のものなのに,それが他者の存在や行動に左右されるなんてもったいないではないかと私は思っています。
次に,他者からの印象や評価を行動基準にしないというのは,言ってしまえば,『人がどう思おうが,自分自身でこれと決めた道を突き進む』ということです。
『そんなことをしたら,周りの人から自分勝手なやつと思われて,人間関係が悪くなってしまうのではないか!?』
と不安に駆られる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに,あなたが自らの意志で決めた道が,他者を踏みにじったり,他者の自尊心を傷つけたり,他者を尊重しないという道であれば,その不安のとおり,人間関係が悪くなる可能性は高いでしょう。
でも,勘違いしてはいけません。
それは,あなたが,“他人がどう思うかを気にせず,自分自身でこれと決めた道を突き進む”という選択をしたことにより生じる結果ではありません。
あなたが突き進むと決めた「道」が,あなたが望む人生,望む理想像(※ここでは「自分が信頼する人たちと良好な人間関係を築いている状態など)との関係で効果的なものでなかったために生じる結果です。
決して,周りの目を気にしなかったために生じる結果というわけではないのです。
逆に言えば,あなたが進むと決めた道が,周りの人たちと良好な人間関係を築いていく上で効果的な選択を積み重ねる道であれば,その行動について周りがどういう印象を持ち,どういう評価をしようが,あなたの人間関係は良好なものになっていくのです。
例えば,私は,「争いごとのない社会を創造する」というミッションを,自分の人生における使命として掲げ,日々これを自らの行動選択の基準に置いています。
弁護士は,社会において発生する個人間や企業間の紛争を解決することが主たる業務の1つです。
そのため,私がこのようなミッションを掲げていることについて,『弁護士が食えなくなる社会を望むと言っているようなものではないか』というように,時には揶揄されたり,批判的な目で見られることもあります。
ですが,私自身は自分が望む人生を歩んでいると自信を持って言えますし,(まだまだ改善すべき点はたくさんあるにせよ)人間関係も良好です。
これは,「争いごとのない社会の創造」という私が選んだ「道」が,私の望む人生,望む理想像との関係で効果的なものであるからだと確信を持って言えます。
だって,本心から争いごとを望む人なんて世の中にいませんよね。
誰だって,争いごとなんてないに越したことはないのです。
そういう社会を実現するために効果的な選択を積み上げるという「道」を進むことで,(私が大切にしたい重要な)人間関係が悪くなるようなことは起きようがありません。
(もちろん,時には効果的な選択をとることができず,人間関係にマイナスな影響をもたらしてしまうような失敗も日々重ねていますが,それは改善点として今後直していけばよいと思っています。)
・他者と比較する(競争する)のをやめること
・他者からの印象や評価を自分の行動基準にしないこと(=自分自身で決めた道を貫くこと)
この2つを習慣にできれば,自然と,「他者の目を気にしないで生きる」ことができていくようになります。
ぜひ,考えてみてくださいね!
次回も,引き続き岸見先生の講演内容を踏まえたお話を予定していますので,お楽しみに!
私自身,「嫌われる勇気」を初めて読んだ時の衝撃は忘れられませんし,その後もアドラー心理学に受けた影響は計り知れないものがあります。
私の人生指針である「7つの習慣」の著者・スティーブン・R・コヴィー博士も,アドラー心理学の考え方に影響を受けていると言われているので,もはやアドラー心理学は私という人間を構成する基本要素といっても過言ではないと思っています。
そのアドラー心理学の研究において日本の第一人者である岸見先生のお話が直接聴けるということで,以前から本当に楽しみにしていた講演会でした。
今日は,その講演会から私が学んだことを皆さんと共有したいと思います。
岸見先生は,主として,以下の3つのテーマについてお話をしてくださいました。
① 他者の目を気にしないこと
② ありのままの自分に価値を置くこと
③ 今この瞬間を生きること
この中から,今日は,「① 他者の目を気にしないこと」について考えてみたいと思います。
正直に言って,“言うは易し,行うは難し”の典型みたいな話だとは思います。
『他者の目を気にせず生きられれば誰だって苦労はしないけど,そんなの無理だろ!!』
と思われる方がほとんどだと思います。
私もそれはそのとおりだと思います。
自分が他者からどんなふうに見られている(認識されている)のかということを一切考えないようにするなど到底無理なことです。
それに,人は他者の目を通して自分というものを認識する生き物ですので,そういう意味でも,他者からの印象等について考えないようにするのはむしろ問題があります。
私は,「他者の目を気にしない」というのはそういう意味で捉えてはいません。
あくまで個人的な解釈ではありますが,この点に関して私が核だと思っていることは2つです。
1つ目は,他者と比較する(競争する)のをやめること
2つ目は,他者からの印象や評価を自分の行動基準にしないこと
他者と比較・競争しないようにするというのは,特に学生時代には常に同級生などと比較されがちな現代の日本社会においては,多くの方の感覚になじまない考え方だと思います。
そういう意味で,そのような考え方を習慣にすることに困難を感じる人も多いと思います。
ただ,これについてはシンプルな考え方というか,解決方法があります。
他者と比較・競争するのではなく,自分自身の理想(目標)と現在との比較をする。
これに尽きます。
「●●君と比べて俺の営業成績は悪い・・・」
「●●さんにだけは負けたくない(=●●さんに劣っていると周りから思われたくない)」
というように,他者と比べるのではなく,
「今の自分の行動は,自分が目指している理想像と比べてどうか?」
「自分で立てた目標にまだ届いていない。どうすれば届くか考えよう!」
というように,専ら自分の内側で,自分自身と比較をするのです。
そして,他者の存在は,自分の理想像や目標値をどのように設定するかを決定する上での一参考情報にとどめるようにします。
例えば,
『●●先輩のようなビジネスマンになりたいから,自分も●●さんが立てている目標を追いかけてみよう』
というような感じですね。
これは,●●先輩と自分との優劣を比較しているのではなく,自分の理想像や目標を考える上で,●●先輩というモデルを参考にしているだけです。
自分と他者を比べようとしたり,他者を打ち負かそうとか,他者より上に立とうという意識を持つ限り,常に他者の存在を意識し続けることになります。
そうなると,自分では一切コントロールできない他者の存在や行動に,常に自分の行動選択が揺り動かされることになってしまうわけです。
自分の人生は,誰のものでもない自分だけの唯一無二のものなのに,それが他者の存在や行動に左右されるなんてもったいないではないかと私は思っています。
次に,他者からの印象や評価を行動基準にしないというのは,言ってしまえば,『人がどう思おうが,自分自身でこれと決めた道を突き進む』ということです。
『そんなことをしたら,周りの人から自分勝手なやつと思われて,人間関係が悪くなってしまうのではないか!?』
と不安に駆られる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに,あなたが自らの意志で決めた道が,他者を踏みにじったり,他者の自尊心を傷つけたり,他者を尊重しないという道であれば,その不安のとおり,人間関係が悪くなる可能性は高いでしょう。
でも,勘違いしてはいけません。
それは,あなたが,“他人がどう思うかを気にせず,自分自身でこれと決めた道を突き進む”という選択をしたことにより生じる結果ではありません。
あなたが突き進むと決めた「道」が,あなたが望む人生,望む理想像(※ここでは「自分が信頼する人たちと良好な人間関係を築いている状態など)との関係で効果的なものでなかったために生じる結果です。
決して,周りの目を気にしなかったために生じる結果というわけではないのです。
逆に言えば,あなたが進むと決めた道が,周りの人たちと良好な人間関係を築いていく上で効果的な選択を積み重ねる道であれば,その行動について周りがどういう印象を持ち,どういう評価をしようが,あなたの人間関係は良好なものになっていくのです。
例えば,私は,「争いごとのない社会を創造する」というミッションを,自分の人生における使命として掲げ,日々これを自らの行動選択の基準に置いています。
弁護士は,社会において発生する個人間や企業間の紛争を解決することが主たる業務の1つです。
そのため,私がこのようなミッションを掲げていることについて,『弁護士が食えなくなる社会を望むと言っているようなものではないか』というように,時には揶揄されたり,批判的な目で見られることもあります。
ですが,私自身は自分が望む人生を歩んでいると自信を持って言えますし,(まだまだ改善すべき点はたくさんあるにせよ)人間関係も良好です。
これは,「争いごとのない社会の創造」という私が選んだ「道」が,私の望む人生,望む理想像との関係で効果的なものであるからだと確信を持って言えます。
だって,本心から争いごとを望む人なんて世の中にいませんよね。
誰だって,争いごとなんてないに越したことはないのです。
そういう社会を実現するために効果的な選択を積み上げるという「道」を進むことで,(私が大切にしたい重要な)人間関係が悪くなるようなことは起きようがありません。
(もちろん,時には効果的な選択をとることができず,人間関係にマイナスな影響をもたらしてしまうような失敗も日々重ねていますが,それは改善点として今後直していけばよいと思っています。)
・他者と比較する(競争する)のをやめること
・他者からの印象や評価を自分の行動基準にしないこと(=自分自身で決めた道を貫くこと)
この2つを習慣にできれば,自然と,「他者の目を気にしないで生きる」ことができていくようになります。
ぜひ,考えてみてくださいね!
次回も,引き続き岸見先生の講演内容を踏まえたお話を予定していますので,お楽しみに!