2017 03.24
影響力を持つために大事なこと
皆さんは,他者に対する影響力を持っていますか?
答えが「NO」だった方,今後,他者に対する影響力を持ちたいと思いますか?
影響力とは,簡単に言ってしまえば,他者を自発的に動かすことができる力ですね。
「他者に影響を与える」というのは,他者の考え方や行動の自発的変化について何かしらのきっかけや情報を与えるということを意味しています。
およそ社会に生きている大人であれば,他者に対する影響力はあるに越したことはないですね。
自分の身の回りにいる人たち(家族,友人,上司,同僚,部下,先輩,後輩・・・etc)に対して,
「もっとこうなってくれたらいいのに・・・」
とか,
「もっとこんな風に考えたらいいのに・・・」
というような思いを抱いたことがない人は,おそらくこの世にいないでしょう。
仙人みたいな生活をしている人でもない限りは,ほとんど常時,他者に対して何らかの変化を望んでいるはずです。
そして,自分の働きかけにより他者が変化してくれたらどんなに良いか,とも思っているはずです。
そうであるならば,影響力は,ほとんど誰しもが『もっと磨きたい』と思っている能力ということができるでしょう。
きっと,本稿を読んでくださっているあなたにも当てはまることがあるはずです。
もちろん,私もそうです。
というか,私は,いかにたくさんの人に対して原則中心の生き方・考え方やwin-winの文化を広めることができるかを人生のテーマとしているので,人一倍,影響力の強化願望は強いです。
では,どうすればそのような影響力を身に着けていくことができるでしょうか。
私は,『全てを自分から始めること』こそが,影響力を持つために最も重要なことと考えています。
一言で言われてもピンとこないと思いますので,どういう意味かちゃんとご説明しますね。
マハトマ・ガンジーのエピソードで,こんなお話があります。
ある時,ガンジーのところに,遠いところから旅をして,お母さんとその子供が訪ねてきました。
その子供は,砂糖(の多い食べ物)ばかり食べてしまって病気になってしまっていました。
しかし,それでも砂糖の摂取をやめることができていませんでした。
心配したお母さんは,子供が尊敬するインドの英雄ガンジーの言うことであれば聞いてくれるのではないかと思いました。
そこで,我が子に対して砂糖の摂取をやめるように諭してもらうため,ガンジーの下を訪れたのでした。
これに対して,ガンジーは,「15日間待ってほしい。」と言いました。
長旅をしてせっかく辿り着いたのになぜ15日間も待たされるのかと疑問に思いながらも,お母さんと子供は,15日後に再びガンジーの下を訪れました。
果たしてガンジーは,子供を脇に連れて行って,数分話をしました。
その後,子供はガンジーの言葉に納得し,食べないと約束しました。
さて,お母さんは,子供がガンジーの言うことを聞いてくれて一安心ではありましたが,そのように数分話して諭すだけなのであれば,どうして15日前に同じことをしてくれなかったのか疑問に思いました。
そこで,そのことをガンジーに尋ねたところ,ガンジーはこう言いました。
「15日前には私も砂糖を食べていた。だから,彼に砂糖をやめるよう勧めることができなかった。しかし,私自身が15日間砂糖を断ったので,ようやく勧める準備ができた。それで,私と同じようにやめることを勧めたのです。」
これぞまさに「影響力」というべきではないでしょうか。
ガンジーの例は極端なものですが,もっと身近にも例はいくらでもあります。
例えば,自分自身もよく遅刻してくる上司から,『君,遅刻が多いよ。ちゃんと改めなさい。』等と注意されても,あまり聞く耳を持てませんよね。
逆に,いつも規律をしっかり守ってきちんとした行動をしている上司から注意されたら,改めなければと思うことが多いのではないでしょうか。
あるいは,配偶者や恋人から,『もっと自分を大事にしてほしい,愛してほしい』とせがまれたとします。
この時に,その恋人や配偶者が,あなたのことをとても大事にしてくれていて,愛情を感じるような思いやりのある行動を常々とる人だった場合と,そうでなく,一方的に自分への行動だけを求めてくる人であった場合,どちらの方が,あなたはその恋人や配偶者を大事にしたいという気持ちになるでしょうか。
おそらく,前者という人がほとんどではないでしょうか。
そういうことです。
他者に思考や行動を変えてほしい(=他者に影響を与えたい)と思うのであれば,全て自分から始めるのが効果的なのです。
よく,社員についてきてほしければ,社長が一番頑張らなければならないと言われますが,これは営業力だとか職人技術だとか,そういった能力や技術の面についてのお話ではないのです(もちろん,そういった能力も会社経営において重要ではありますが。)。
人としての「志」,目指す「道」,そういった「人格」に関する側面が最も重要なのです。
どんなに優れた技術や能力を持っている経営者であっても,人格が伴っていなければ,人はついてきません。
逆に,あまり特筆すべき技術や能力を持っていなくても,高潔な人格を持っている人であれば,その人を支えて,共に成功したいという人がたくさんついてきます。
世界三大聖人の1人である孔子は,門弟との問答を記載した論語を通じて,現代に至るまで途方もない数の人々に大きな影響を及ぼしています。
そして,おそらく今後も変わることなく,彼の影響力は残り続けていくことでしょう。
彼は生涯を通じて徹底した自己修養を重ねた人でした。
「仁」(思いやりの心)や「孝」(親,きょうだい,自らの主等を敬い大切にする心)を行動で実践し続けて,聖人と言われる領域にまで人徳を積み上げていったのです。
だからこそ,ここまで影響力のある人物へと至ったのでしょう。
我らが日本の経営の神様,松下幸之助も同様ですね。
90歳を超えても,「まだまだ素直さ初段に過ぎない」と自身を評され,やはり,人格を高めることの重要性を説かれていました。
(だからこそ,松下幸之助が創設したPHP研究所は,人間の本質を磨くことを理念に掲げて,今もそのような事業を展開しているのでしょう。)
人に影響を与えたい(人に変わってもらいたい)のであれば,徹底して徳を積み,自己を磨きましょう。
「徳を積む」というのは,ごく簡単に言えば,人が喜ぶ行動をとり続けるということです。
そして,人が喜ぶ行動は,あまり難しいことではありません。
「挨拶」と「感謝」,ほとんどこれに尽きます。
ただし,重要なことが一つ。
徳を積むという観点からは,自分の中で,挨拶をしたり感謝を伝えるのが当たり前になっていない人に対して実践することに大きな意味があります。
それが家族であれば,真っ先に家族から始めましょう。
案外,家族に日常的に「ありがとう」と言えていなかったり,感謝の気持ちを行動で示すことができていない人は多いものです。
従業員に対して実践できていない経営者も多いです。従業員も家族と同様に優先順位が高いですよ。
家族や従業員等の身近な人は当然にできているという方は,例えばスーパーやコンビニ,飲食店等でも実践していきましょう。
かく言う私自身も,偉そうに言えるほど実践できているか甚だ心もとないところですので,書きながら自分の気持ちを引き締めております。
お互いに自己修養を重ねて,他者に良い影響を与えられる人間になりましょう!
答えが「NO」だった方,今後,他者に対する影響力を持ちたいと思いますか?
影響力とは,簡単に言ってしまえば,他者を自発的に動かすことができる力ですね。
「他者に影響を与える」というのは,他者の考え方や行動の自発的変化について何かしらのきっかけや情報を与えるということを意味しています。
およそ社会に生きている大人であれば,他者に対する影響力はあるに越したことはないですね。
自分の身の回りにいる人たち(家族,友人,上司,同僚,部下,先輩,後輩・・・etc)に対して,
「もっとこうなってくれたらいいのに・・・」
とか,
「もっとこんな風に考えたらいいのに・・・」
というような思いを抱いたことがない人は,おそらくこの世にいないでしょう。
仙人みたいな生活をしている人でもない限りは,ほとんど常時,他者に対して何らかの変化を望んでいるはずです。
そして,自分の働きかけにより他者が変化してくれたらどんなに良いか,とも思っているはずです。
そうであるならば,影響力は,ほとんど誰しもが『もっと磨きたい』と思っている能力ということができるでしょう。
きっと,本稿を読んでくださっているあなたにも当てはまることがあるはずです。
もちろん,私もそうです。
というか,私は,いかにたくさんの人に対して原則中心の生き方・考え方やwin-winの文化を広めることができるかを人生のテーマとしているので,人一倍,影響力の強化願望は強いです。
では,どうすればそのような影響力を身に着けていくことができるでしょうか。
私は,『全てを自分から始めること』こそが,影響力を持つために最も重要なことと考えています。
一言で言われてもピンとこないと思いますので,どういう意味かちゃんとご説明しますね。
マハトマ・ガンジーのエピソードで,こんなお話があります。
ある時,ガンジーのところに,遠いところから旅をして,お母さんとその子供が訪ねてきました。
その子供は,砂糖(の多い食べ物)ばかり食べてしまって病気になってしまっていました。
しかし,それでも砂糖の摂取をやめることができていませんでした。
心配したお母さんは,子供が尊敬するインドの英雄ガンジーの言うことであれば聞いてくれるのではないかと思いました。
そこで,我が子に対して砂糖の摂取をやめるように諭してもらうため,ガンジーの下を訪れたのでした。
これに対して,ガンジーは,「15日間待ってほしい。」と言いました。
長旅をしてせっかく辿り着いたのになぜ15日間も待たされるのかと疑問に思いながらも,お母さんと子供は,15日後に再びガンジーの下を訪れました。
果たしてガンジーは,子供を脇に連れて行って,数分話をしました。
その後,子供はガンジーの言葉に納得し,食べないと約束しました。
さて,お母さんは,子供がガンジーの言うことを聞いてくれて一安心ではありましたが,そのように数分話して諭すだけなのであれば,どうして15日前に同じことをしてくれなかったのか疑問に思いました。
そこで,そのことをガンジーに尋ねたところ,ガンジーはこう言いました。
「15日前には私も砂糖を食べていた。だから,彼に砂糖をやめるよう勧めることができなかった。しかし,私自身が15日間砂糖を断ったので,ようやく勧める準備ができた。それで,私と同じようにやめることを勧めたのです。」
これぞまさに「影響力」というべきではないでしょうか。
ガンジーの例は極端なものですが,もっと身近にも例はいくらでもあります。
例えば,自分自身もよく遅刻してくる上司から,『君,遅刻が多いよ。ちゃんと改めなさい。』等と注意されても,あまり聞く耳を持てませんよね。
逆に,いつも規律をしっかり守ってきちんとした行動をしている上司から注意されたら,改めなければと思うことが多いのではないでしょうか。
あるいは,配偶者や恋人から,『もっと自分を大事にしてほしい,愛してほしい』とせがまれたとします。
この時に,その恋人や配偶者が,あなたのことをとても大事にしてくれていて,愛情を感じるような思いやりのある行動を常々とる人だった場合と,そうでなく,一方的に自分への行動だけを求めてくる人であった場合,どちらの方が,あなたはその恋人や配偶者を大事にしたいという気持ちになるでしょうか。
おそらく,前者という人がほとんどではないでしょうか。
そういうことです。
他者に思考や行動を変えてほしい(=他者に影響を与えたい)と思うのであれば,全て自分から始めるのが効果的なのです。
よく,社員についてきてほしければ,社長が一番頑張らなければならないと言われますが,これは営業力だとか職人技術だとか,そういった能力や技術の面についてのお話ではないのです(もちろん,そういった能力も会社経営において重要ではありますが。)。
人としての「志」,目指す「道」,そういった「人格」に関する側面が最も重要なのです。
どんなに優れた技術や能力を持っている経営者であっても,人格が伴っていなければ,人はついてきません。
逆に,あまり特筆すべき技術や能力を持っていなくても,高潔な人格を持っている人であれば,その人を支えて,共に成功したいという人がたくさんついてきます。
世界三大聖人の1人である孔子は,門弟との問答を記載した論語を通じて,現代に至るまで途方もない数の人々に大きな影響を及ぼしています。
そして,おそらく今後も変わることなく,彼の影響力は残り続けていくことでしょう。
彼は生涯を通じて徹底した自己修養を重ねた人でした。
「仁」(思いやりの心)や「孝」(親,きょうだい,自らの主等を敬い大切にする心)を行動で実践し続けて,聖人と言われる領域にまで人徳を積み上げていったのです。
だからこそ,ここまで影響力のある人物へと至ったのでしょう。
我らが日本の経営の神様,松下幸之助も同様ですね。
90歳を超えても,「まだまだ素直さ初段に過ぎない」と自身を評され,やはり,人格を高めることの重要性を説かれていました。
(だからこそ,松下幸之助が創設したPHP研究所は,人間の本質を磨くことを理念に掲げて,今もそのような事業を展開しているのでしょう。)
人に影響を与えたい(人に変わってもらいたい)のであれば,徹底して徳を積み,自己を磨きましょう。
「徳を積む」というのは,ごく簡単に言えば,人が喜ぶ行動をとり続けるということです。
そして,人が喜ぶ行動は,あまり難しいことではありません。
「挨拶」と「感謝」,ほとんどこれに尽きます。
ただし,重要なことが一つ。
徳を積むという観点からは,自分の中で,挨拶をしたり感謝を伝えるのが当たり前になっていない人に対して実践することに大きな意味があります。
それが家族であれば,真っ先に家族から始めましょう。
案外,家族に日常的に「ありがとう」と言えていなかったり,感謝の気持ちを行動で示すことができていない人は多いものです。
従業員に対して実践できていない経営者も多いです。従業員も家族と同様に優先順位が高いですよ。
家族や従業員等の身近な人は当然にできているという方は,例えばスーパーやコンビニ,飲食店等でも実践していきましょう。
かく言う私自身も,偉そうに言えるほど実践できているか甚だ心もとないところですので,書きながら自分の気持ちを引き締めております。
お互いに自己修養を重ねて,他者に良い影響を与えられる人間になりましょう!