2016 09.29
行動の目的に対する意識の重要性
皆さんは,ビジネスにおいてもプライベートにおいても,ご自身の1つ1つの行動について,「何のためにその行動をとるのか。」という目的を常に意識していますか?
特に,他者とのコミュニケーションにおいて,自らの行動の意味,目的を踏まえて行動を選択することは,人生を左右するレベルで重要な意味を持ちます。
「そんなの当たり前じゃん!何も考えずにテキトーに自分の行動を決めている人なんてそんなにいないでしょ~。」
と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
ところが,弁護士として日々様々な人とやりとりをしていると,自分の行動の目的を意識しているとは思い難い選択をしている人が世の中にごまんといることを実感することがとても多いです。
例えば,私は交通事故の被害者の方を代理して,人身損害に対する適切な賠償を受けるお手伝いをする仕事をよくやっているのですが,ご相談に来る被害者さんの7~8割は,相手方保険会社の担当者さんの態度に不満や苛立ちを感じており,それがきっかけとなって私たち弁護士のところに相談に来る方も相当数いらっしゃいます。
私は,このような被害者さんのお話を聞くたびにいつも思うことがあります。
加害者側保険会社さんは,被害者が弁護士に相談などせず,自分たちの提案する示談案に素直に応じてくれることが,最も望ましい事故解決のゴールのはずなのです。
なぜなら,弁護士に相談されてしまうと,ほぼ間違いなく賠償額(=コスト)が増額になる上に,解決までの時間が長くなり,さらには担当者の労力も増大するからです。
つまり,加害者側保険会社の立場としては,被害者に不満を持たれたり,苛立ちを感じられたりして,弁護士に相談されたり,それでなくとも簡単には示談に応じてくれないという展開になることは,全く目的に沿わない事態ということになるはずなのです。
それにも関わらず,実に多くの事例で,加害者側保険会社さんの対応が,どう考えても被害者の感情を逆なでしたり,苛立ちを感じさせるようなものであるというパターンが見受けられるのです。
結局,自分たちの行動がもたらす結果や,自分たちが目指すべきゴールとそこに至るための効果的な行動選択について,あまり考えられていないからなのだろうと思います。
他にも例はたくさんあります。
賃貸マンションにおいて,オーナーが建て替えを行いたい場合には,6か月以上前から賃借人にそのことを通告し,かつ,相応の立退料を払う等の正当な理由がない限り,オーナー(賃貸人)は,賃貸借契約を一方的に解約することはできません。
そうである以上,賃借人に円満に退去してもらうためには,オーナーや,オーナーの委託を受けた管理会社としては,極力賃借人の方々の反発を受けないようにお話合いを進めることが肝要となるはずです。
ところが,特に管理会社に多く見られるパターンですが,賃借人に対して法律に反するようなルールをさも正当であるかのように押し付けようとしたり,例えば「退去要求に応じなければ,6か月後にはなんとしても出て行ってもらう」などと高圧的に主張したり,という事例が散見されます。
これも,目的に沿った行動選択といえるかは大いに疑問です。
ビジネスではこのような不合理な行動選択をしていない人も,プライベートでは事情が異なるというパターンもあります。
特に家庭において,配偶者,子供,親などの最も近い関係にある人たちに対して,その関係に甘えて,わざわざ人間関係を破壊するような行動を選択する人は実に多いです。
これも,人生を楽しく幸せに生きていくためには,人間関係が良好である方が絶対に望ましい状況であるにもかかわらず,そのような目的が意識されていない結果,目的に対して逆効果にしかならない行動が選択されているのだと思います。
このように,世の中には,「何のためにそんな行動をとるのか??」と強く疑問に感じるような,およそ,その人の立場や役割から目指すべき目的に対してマイナス効果しかないような行動を選択する人があふれています。
これはどうしてなのでしょうか。
簡単なことです。
そもそも,目的を意識して行動を選択しようとしていないのです。
簡単に言えば,行き当たりばったりで,その都度自分の感情の赴くままに行動するとか,あるいは,(相手に応じた臨機応変さのかけらもなく)通り一辺倒のマニュアルに傾倒した対応しかしない,というような人ばかりということです。
スティーブン・R・コヴィー博士は,目的を意識しないで行動することが,いかに個人の成功にとってマイナスとなるかをよくよくわかっていらっしゃいました。
だからこそ,「7つの習慣」において,「終わりを思い描くことから始める」が第2の習慣とされているのです。
「終わりを思い描く」というのは,すなわち,自分自身が人生において目指すべきゴール(=目的・目標)を見定めることです。
そして,このゴールは,その時々において自分が置かれた立場や役割に応じて,様々に変化するものです。
特に問題解決を迫られているときは,自分が目指すべきゴールは何なのかをしっかりと決めることが非常に重要です。そうでなければ,ゴール(=問題解決)に向かうための効果的な行動選択を積み重ねることができず,いつまでたってもその問題に悩まされることになります。
私がクライアントとお話しするときは,はっきりと「ゴール」という言葉や「目的」という言葉を使うことが多いです。
「伺ったご相談の内容からすると,〇〇さんが辿り着きたいゴール,すなわち目指すべき解決というのは~~~~というような結果を得ることではないかとお見受けしましたが,そのような理解で間違っていませんか?」
例えばこんな風に,クライアントが真に求めていること(=達成したい目的)というものを明確にして,そこに至るためにどのような選択肢があり得るのかを,法律の枠組みだけに囚われずに,win-winのマインドを軸として全人格をもって考え,提案し,実行していく,それが私の考える在るべき弁護士像です。
自分が今目指すべきゴールは何なのか。
常にこれをはっきりと見定めて,日々,目的達成のために効果的な行動を選択し続ける充実した人生を送っていきましょう!
特に,他者とのコミュニケーションにおいて,自らの行動の意味,目的を踏まえて行動を選択することは,人生を左右するレベルで重要な意味を持ちます。
「そんなの当たり前じゃん!何も考えずにテキトーに自分の行動を決めている人なんてそんなにいないでしょ~。」
と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
ところが,弁護士として日々様々な人とやりとりをしていると,自分の行動の目的を意識しているとは思い難い選択をしている人が世の中にごまんといることを実感することがとても多いです。
例えば,私は交通事故の被害者の方を代理して,人身損害に対する適切な賠償を受けるお手伝いをする仕事をよくやっているのですが,ご相談に来る被害者さんの7~8割は,相手方保険会社の担当者さんの態度に不満や苛立ちを感じており,それがきっかけとなって私たち弁護士のところに相談に来る方も相当数いらっしゃいます。
私は,このような被害者さんのお話を聞くたびにいつも思うことがあります。
加害者側保険会社さんは,被害者が弁護士に相談などせず,自分たちの提案する示談案に素直に応じてくれることが,最も望ましい事故解決のゴールのはずなのです。
なぜなら,弁護士に相談されてしまうと,ほぼ間違いなく賠償額(=コスト)が増額になる上に,解決までの時間が長くなり,さらには担当者の労力も増大するからです。
つまり,加害者側保険会社の立場としては,被害者に不満を持たれたり,苛立ちを感じられたりして,弁護士に相談されたり,それでなくとも簡単には示談に応じてくれないという展開になることは,全く目的に沿わない事態ということになるはずなのです。
それにも関わらず,実に多くの事例で,加害者側保険会社さんの対応が,どう考えても被害者の感情を逆なでしたり,苛立ちを感じさせるようなものであるというパターンが見受けられるのです。
結局,自分たちの行動がもたらす結果や,自分たちが目指すべきゴールとそこに至るための効果的な行動選択について,あまり考えられていないからなのだろうと思います。
他にも例はたくさんあります。
賃貸マンションにおいて,オーナーが建て替えを行いたい場合には,6か月以上前から賃借人にそのことを通告し,かつ,相応の立退料を払う等の正当な理由がない限り,オーナー(賃貸人)は,賃貸借契約を一方的に解約することはできません。
そうである以上,賃借人に円満に退去してもらうためには,オーナーや,オーナーの委託を受けた管理会社としては,極力賃借人の方々の反発を受けないようにお話合いを進めることが肝要となるはずです。
ところが,特に管理会社に多く見られるパターンですが,賃借人に対して法律に反するようなルールをさも正当であるかのように押し付けようとしたり,例えば「退去要求に応じなければ,6か月後にはなんとしても出て行ってもらう」などと高圧的に主張したり,という事例が散見されます。
これも,目的に沿った行動選択といえるかは大いに疑問です。
ビジネスではこのような不合理な行動選択をしていない人も,プライベートでは事情が異なるというパターンもあります。
特に家庭において,配偶者,子供,親などの最も近い関係にある人たちに対して,その関係に甘えて,わざわざ人間関係を破壊するような行動を選択する人は実に多いです。
これも,人生を楽しく幸せに生きていくためには,人間関係が良好である方が絶対に望ましい状況であるにもかかわらず,そのような目的が意識されていない結果,目的に対して逆効果にしかならない行動が選択されているのだと思います。
このように,世の中には,「何のためにそんな行動をとるのか??」と強く疑問に感じるような,およそ,その人の立場や役割から目指すべき目的に対してマイナス効果しかないような行動を選択する人があふれています。
これはどうしてなのでしょうか。
簡単なことです。
そもそも,目的を意識して行動を選択しようとしていないのです。
簡単に言えば,行き当たりばったりで,その都度自分の感情の赴くままに行動するとか,あるいは,(相手に応じた臨機応変さのかけらもなく)通り一辺倒のマニュアルに傾倒した対応しかしない,というような人ばかりということです。
スティーブン・R・コヴィー博士は,目的を意識しないで行動することが,いかに個人の成功にとってマイナスとなるかをよくよくわかっていらっしゃいました。
だからこそ,「7つの習慣」において,「終わりを思い描くことから始める」が第2の習慣とされているのです。
「終わりを思い描く」というのは,すなわち,自分自身が人生において目指すべきゴール(=目的・目標)を見定めることです。
そして,このゴールは,その時々において自分が置かれた立場や役割に応じて,様々に変化するものです。
特に問題解決を迫られているときは,自分が目指すべきゴールは何なのかをしっかりと決めることが非常に重要です。そうでなければ,ゴール(=問題解決)に向かうための効果的な行動選択を積み重ねることができず,いつまでたってもその問題に悩まされることになります。
私がクライアントとお話しするときは,はっきりと「ゴール」という言葉や「目的」という言葉を使うことが多いです。
「伺ったご相談の内容からすると,〇〇さんが辿り着きたいゴール,すなわち目指すべき解決というのは~~~~というような結果を得ることではないかとお見受けしましたが,そのような理解で間違っていませんか?」
例えばこんな風に,クライアントが真に求めていること(=達成したい目的)というものを明確にして,そこに至るためにどのような選択肢があり得るのかを,法律の枠組みだけに囚われずに,win-winのマインドを軸として全人格をもって考え,提案し,実行していく,それが私の考える在るべき弁護士像です。
自分が今目指すべきゴールは何なのか。
常にこれをはっきりと見定めて,日々,目的達成のために効果的な行動を選択し続ける充実した人生を送っていきましょう!