阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2016 07.30

重要感を持たせる

デール・カーネギー著「人を動かす」の『人を動かす三原則』から引用しました。

さて,重要感を持たせる,というのはどういう意味か,ピンと来るでしょうか。

人は誰しも,自分が誰かにとって必要な存在であると思えると,幸せを感じます。

何度かお話ししているとおり,人は〝他者に貢献すること”に幸せを感じるようにできているからです。

そのため,他者に“重要感を持たせる”ということは,人を動かす上で非常に効果的なアプローチということができます。


・・・え!?わかりにくいですか!?


失礼しました。
だいぶ論理飛躍してしまいましたね(笑)。

重要感を持たせるというのは,すなわち,自分の存在が,誰かにとって重要であるという実感を持ってもらうということです。

自分の存在価値を強く感じてもらうという言い方もできるかもしれません。


例えば,職場において,上司が部下に対して,

「〇〇くんがいてくれるおかげで,いつも私の足りない部分をすごくフォローしてもらえて助かるよ。」というような声掛けをしたとします。

このような場合に,部下のモチベーションは下がるでしょうか,上がるでしょうか。

言わずもがなですよね(^^)

これはほんの一例です。

逆に,部下が上司と良い人間関係を築いて,可愛がってもらいたいというような場合は,どんなアプローチが考えられるでしょうか。

例えば,「〇〇さんの~~なところ,本当にすごいですよね!どうしたらそんな風になれるんですか?」などという風に,上司の尊敬している部分を明示し,そのまま教えを乞うような流れにもっていけば,よほど元々の関係がよくない間柄でもない限り,気を良くした上司は,自分の経験や,成長のポイント等について語ってくれるでしょう。

(少なくとも,私が後輩からそのような形でアプローチされたら,後輩が求めている情報は何でも提供したくなりますね笑。)

あ,誤解しないでくださいね。

先輩や上司に(思ってもいない)おべっかを使って,うまいこと利用しろ,などというつもりはこれっぽっちもありません。

そうではなく,自分が尊敬している先輩から指導を受けたい,あるいは先輩の持っているノウハウを伝授してもらいたい,と思うのであれば,先輩自らがそうしたくなるようなアプローチをとることが効果的ではないか,と言いたいのです。

皆さんが思っている以上に,重要感は非常に大事な概念です。

これは個人的な考えですが,日本の自殺者は,大半が,自分自身について重要感を感じることができなくってしまったために,自ら命を絶つという選択をしてしまっているのだと思います。

単純な話ですが,誰かが自分のことを必要としてくれていると実感できている状態であれば,人は,自分の存在価値や,自分が社会にとって意義のある人間であると実感できることから,自信を持って前向きに生きていくことができます。

また,自分を重要視してくれる相手に対しては,その思いに対して,貢献で返そうという気持ちに自然となります。

こうして,人と人とが,互いの価値を認め合い,お互いの良いところを尊重し合うとともに,足りないところをフォローしあうことで,シナジーが生まれ,当人同士の人間関係,組織,ひいては社会全体にプラスの効果が広がっていきます。

ぜひ,皆さんの周りにいる方々に対して,重要感を持ってもらうように働きかけてみてください。

間違いなく,驚くような(プラスの)シナジーが生まれるはずですよ(^^)