2016 07.18
昨日に引き続き,「事実」と「現実」を区別することの重要性について,具体的に考えてみたいと思います。
まずは,昨日の例のおさらいをしましょう。
AさんがBさんに対して,「約束を破るなんてひどい!!」という発言をした,というのが事例設定でした。
ここで,Bさんが,友人であるCさんに対して,「Aさんに『約束を破るなんてひどい』と言われた。」と説明した場合,BさんはCさんに対して「事実」を説明してます。
これに対して,BさんがCさんに対して,「約束を破ったことでAさんに怒られた。」と説明した場合,BさんはCさんに対して「現実」を説明している,というお話でしたね。
昨日は,実社会においてほとんどこの2つが意識的に区別されていることは少ない,というところまでお話をしました。
実際,上記の例におけるCさんの立場に立った人は,Bさんから「約束を破ったことを理由にAさんに怒られた。」と話されれば,「へ~,Aさんに怒られたのか(AさんはBさんを怒ったのか)。」というように受け止めてしまうことがほとんどです。
しかし,事実としてはAさんは「約束を破るなんてひどい」という発言をしたというだけで,怒っていたのかどうかは誰にもわかりません。
もしかしたら,悲しんでいたという表現の方が適切かもしれませんし,呆れていたというような表現が当てはまる場合もあるでしょう。
それにもかかわらず,上記のCさんのように,事実と現実を区別せずに安易にBさんの言葉のみから状況をイメージしてしまうと,後でそれが仕事や人間関係に悪影響を及ぼす危険性が出てしまいます。
そのような事態を回避するためには,会話している相手が現実のみを説明してきた時に,必ず事実も訊き出すようにすることが大切です。
上記の例でいえば,Cさんは,「約束を破ったことでAさんに怒られた。」と説明してくるBさんに対して,「具体的にはAさんに何と言われたんだい?」とか,「具体的にはどんな態度をとられたんだい?」と聞いて,実際に起こった事実の内容を確認するべきなのです。
それによって,
「事実」=AさんがBさんに「約束を破るなんてひどい」と発言したこと
(Bさんの捉えた)「現実」=Bさんは,Aさんのそのような発言を聞いて,『自分は約束を破ったことでAさんに怒られている」と感じたこと
というように,きちんと整理することができます。
いかがでしょうか。
単に,「Bさんは約束を破ったことでAさんに怒られたらしい」というような事実認識でとどまるのと,上記のように事実と現実を明確に区別して整理するのとでは,情報量が雲泥の差ではないでしょうか。
この〝情報量の差”というところがキーポイントです。
事実と現実を区別して情報を整理できている状況では,事実に基づいた対応も,現実に基づいた対応も両方選択することができます。
上記の例でいえば,Aさんに,発言内容を前提にして,なぜそのような発言をしたのかという理由や目的を確認することもできますし,Bさんの「現実」を前提に,なぜBさんがAさんに怒られていると感じたのか,BさんはAさんの発言のどこが一番気になっているのかなどについて考えたり,Bさんに確認したりすることもできます。
このように,様々な対応が選択可能となることにより,あなた自身の目的・目標の達成により効果的な選択をすることができるようになります。
また,情報量が多ければ多いほど,不毛な勘違いや誤解を避けることができます。この点も非常に重要です。
他者の認識した「現実」は,多分に個人の知覚によるバイアスがかかっているため,情報源としての不確かさや不十分さが否めません。
往々にして,勘違いや誤解というのは,人と人との間で必要十分な情報が共有できていないことに起因するということは,皆さんも経験則として認識されているところだと思います。
このような勘違いや誤解というのは,それにより人間関係が(不必要に)こじれたり,ビジネスの円滑性や迅速性を妨げたりするものであり,無いに越したことはありません。
他愛もない会話においてまで厳密に意識する必要はないにしても,人間関係やビジネスにおける悩み事,問題,トラブル等に関する会話の時には,ぜひ「事実」と「現実」を区別することを意識してみてください。
まずは,昨日の例のおさらいをしましょう。
AさんがBさんに対して,「約束を破るなんてひどい!!」という発言をした,というのが事例設定でした。
ここで,Bさんが,友人であるCさんに対して,「Aさんに『約束を破るなんてひどい』と言われた。」と説明した場合,BさんはCさんに対して「事実」を説明してます。
これに対して,BさんがCさんに対して,「約束を破ったことでAさんに怒られた。」と説明した場合,BさんはCさんに対して「現実」を説明している,というお話でしたね。
昨日は,実社会においてほとんどこの2つが意識的に区別されていることは少ない,というところまでお話をしました。
実際,上記の例におけるCさんの立場に立った人は,Bさんから「約束を破ったことを理由にAさんに怒られた。」と話されれば,「へ~,Aさんに怒られたのか(AさんはBさんを怒ったのか)。」というように受け止めてしまうことがほとんどです。
しかし,事実としてはAさんは「約束を破るなんてひどい」という発言をしたというだけで,怒っていたのかどうかは誰にもわかりません。
もしかしたら,悲しんでいたという表現の方が適切かもしれませんし,呆れていたというような表現が当てはまる場合もあるでしょう。
それにもかかわらず,上記のCさんのように,事実と現実を区別せずに安易にBさんの言葉のみから状況をイメージしてしまうと,後でそれが仕事や人間関係に悪影響を及ぼす危険性が出てしまいます。
そのような事態を回避するためには,会話している相手が現実のみを説明してきた時に,必ず事実も訊き出すようにすることが大切です。
上記の例でいえば,Cさんは,「約束を破ったことでAさんに怒られた。」と説明してくるBさんに対して,「具体的にはAさんに何と言われたんだい?」とか,「具体的にはどんな態度をとられたんだい?」と聞いて,実際に起こった事実の内容を確認するべきなのです。
それによって,
「事実」=AさんがBさんに「約束を破るなんてひどい」と発言したこと
(Bさんの捉えた)「現実」=Bさんは,Aさんのそのような発言を聞いて,『自分は約束を破ったことでAさんに怒られている」と感じたこと
というように,きちんと整理することができます。
いかがでしょうか。
単に,「Bさんは約束を破ったことでAさんに怒られたらしい」というような事実認識でとどまるのと,上記のように事実と現実を明確に区別して整理するのとでは,情報量が雲泥の差ではないでしょうか。
この〝情報量の差”というところがキーポイントです。
事実と現実を区別して情報を整理できている状況では,事実に基づいた対応も,現実に基づいた対応も両方選択することができます。
上記の例でいえば,Aさんに,発言内容を前提にして,なぜそのような発言をしたのかという理由や目的を確認することもできますし,Bさんの「現実」を前提に,なぜBさんがAさんに怒られていると感じたのか,BさんはAさんの発言のどこが一番気になっているのかなどについて考えたり,Bさんに確認したりすることもできます。
このように,様々な対応が選択可能となることにより,あなた自身の目的・目標の達成により効果的な選択をすることができるようになります。
また,情報量が多ければ多いほど,不毛な勘違いや誤解を避けることができます。この点も非常に重要です。
他者の認識した「現実」は,多分に個人の知覚によるバイアスがかかっているため,情報源としての不確かさや不十分さが否めません。
往々にして,勘違いや誤解というのは,人と人との間で必要十分な情報が共有できていないことに起因するということは,皆さんも経験則として認識されているところだと思います。
このような勘違いや誤解というのは,それにより人間関係が(不必要に)こじれたり,ビジネスの円滑性や迅速性を妨げたりするものであり,無いに越したことはありません。
他愛もない会話においてまで厳密に意識する必要はないにしても,人間関係やビジネスにおける悩み事,問題,トラブル等に関する会話の時には,ぜひ「事実」と「現実」を区別することを意識してみてください。