2016 07.10
「7つの習慣」の中でコヴィー博士が提唱しているいくつかの理論の中で,最も私の中でパラダイムシフトが起きたものが,「第3の案」の考え方です。
コヴィー博士もこの理論を本当に世の中に広めたいと思っていらっしゃったようで,「第3の案」というテーマだけで,7つの習慣以上に厚い本を書かれました(タイトルはそのまま「第3の案」で,コヴィー博士の生前における最後の著作です。)。
「第3の案」という言葉をお聞きになられても,正直,なんのことやら全然想像がつかないと思います。
現に,私の妻が家に置いてあった「第3の案」の本を見た時には,「なんでいきなり『第3』なの?第1,第2はどこいったの笑?」と聞かれました笑
「第3の案」とは,『第1の案=私の意見・私の考え』でも,『第2の案=あなたの意見・あなたの考え』でもない,全く別の新たな意見・考え方のことをさしています。
つまり,2人の人間の意見が対立している時における,片方の意見(=A案)でも,もう一方の意見(=B案)でもない,全く別の案(=C案)のことを表す概念です。
例えば,ある姉妹が,1個のオレンジを2人で分け合おうとしている場面を想像してみてください。
第1の案=姉が全部もらうか,少なくとも妹より多くもらう。最悪でも半分ずつ。
第2の案=妹が全部もらうか,少なくとも姉より多くもらう。最悪でも半分ずつ。
これが,姉妹で1個のオレンジを分ける場合のごくごく一般的な考え方ですよね。
ところが,それぞれがオレンジを欲している理由によっては,このように,片方が多くとればその分もう片方の取り分が減るというような形での分け方ではなく,両者とも100%満足できる分け方にたどりつける場合があるのです。
すなわち,姉はオレンジの実が食べたくてオレンジを欲しており,妹はオレンジの皮を料理に使いたくてオレンジを欲していたとすれば,(そして,そのことについてお互いの情報を共有することができれば)姉が1個のオレンジの実をもらい,妹が皮をもらうことで,お互いに100%のwin-winを達成できるのです。これが「第3の案」です。
(なお,交渉学では,このように,限られたパイを取り合う形ではなく,お互いが十分に満足できる形で交渉を妥結する形の交渉のことを「統合型交渉」と呼称しているのですが,これは「第3の案」の理論と非常に近いものと考えられます。)
私はこの「第3の案」の考え方を知った時,本当に目からウロコが雨あられのように落ちるくらい強烈な衝撃を受けました。
というのも,(以前の私を含めて)世の中の大半の弁護士は,基本的に,いかにしてクライアントの希望する第1の案もしくは第2の案を押し通すか,という視点で案件処理にあたることが当たり前になっているからです。
しかしながら,「第3の案」を知った時に,『よくよく考えてみれば,クライアントと相手がwin-win(もしくはできる限りそれに近い結果)に達する第3の案を考え,それを実現しようとする方が,相手方の納得を圧倒的に得やすいのだから,結果としてクライアントの利益を最も効果的に実現することにもつながるはずだ』ということに気づきました。
もちろん,相手方によっては第3の案を目指すことが到底無理なケースもありますが,多くの場合,第3の案の実現を目指して尽力することは非常に効果的です。また,どちらか一方しか利益を得られないという既存の単純な解決案とは違う未知のアイデアを考えるわけですから,非常にエキサイティングでもあります。
私は「第3の案」を知ってから,以前にもまして,特に人と人とが意見対立している問題を円満かつ創造的に解決することに強い興味・関心を持つようになると同時に,そのような第3の案を考える機会を無数に得ることのできる自分の仕事がますます好きになりました。
これは断言できますが,世界中の人々が「第3の案」の考え方を本気で理解して実践することを心がければ,世の中からほとんどの争いごとはなくなります。間違いありません。
なぜなら,世の中の多くの争いごとは,お互いが第1の案と第2の案に縛られ,第3の案を考えようとしないがゆえに起きているケースがほとんどだからです。
皆さんもきっと心当たりがあるはずです。
今まで,家庭や職場などで人間関係にストレスを感じた時,その人と意見が異なる問題や,そもそもの人間関係について,「第3の案」を考えたことはありますか?
あるという方はとっても素晴らしいですが,おそらく,そのような方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。
私は,特に企業を中心に「第3の案」の考え方を広めることで,自分のミッション(=争いごとのない世界を創造する)の達成に着実に近づけるものと確信しています。
みなさんも,本投稿をご覧になったことを機に,今後はぜひ「第3の案」について考える癖をつけてみてください。
・・・といっても簡単ではないと思いますので,具体的にどういう手順で第3の案を探求していくのかについては,今後改めてブログにてご紹介していきます。
お楽しみに!!
コヴィー博士もこの理論を本当に世の中に広めたいと思っていらっしゃったようで,「第3の案」というテーマだけで,7つの習慣以上に厚い本を書かれました(タイトルはそのまま「第3の案」で,コヴィー博士の生前における最後の著作です。)。
「第3の案」という言葉をお聞きになられても,正直,なんのことやら全然想像がつかないと思います。
現に,私の妻が家に置いてあった「第3の案」の本を見た時には,「なんでいきなり『第3』なの?第1,第2はどこいったの笑?」と聞かれました笑
「第3の案」とは,『第1の案=私の意見・私の考え』でも,『第2の案=あなたの意見・あなたの考え』でもない,全く別の新たな意見・考え方のことをさしています。
つまり,2人の人間の意見が対立している時における,片方の意見(=A案)でも,もう一方の意見(=B案)でもない,全く別の案(=C案)のことを表す概念です。
例えば,ある姉妹が,1個のオレンジを2人で分け合おうとしている場面を想像してみてください。
第1の案=姉が全部もらうか,少なくとも妹より多くもらう。最悪でも半分ずつ。
第2の案=妹が全部もらうか,少なくとも姉より多くもらう。最悪でも半分ずつ。
これが,姉妹で1個のオレンジを分ける場合のごくごく一般的な考え方ですよね。
ところが,それぞれがオレンジを欲している理由によっては,このように,片方が多くとればその分もう片方の取り分が減るというような形での分け方ではなく,両者とも100%満足できる分け方にたどりつける場合があるのです。
すなわち,姉はオレンジの実が食べたくてオレンジを欲しており,妹はオレンジの皮を料理に使いたくてオレンジを欲していたとすれば,(そして,そのことについてお互いの情報を共有することができれば)姉が1個のオレンジの実をもらい,妹が皮をもらうことで,お互いに100%のwin-winを達成できるのです。これが「第3の案」です。
(なお,交渉学では,このように,限られたパイを取り合う形ではなく,お互いが十分に満足できる形で交渉を妥結する形の交渉のことを「統合型交渉」と呼称しているのですが,これは「第3の案」の理論と非常に近いものと考えられます。)
私はこの「第3の案」の考え方を知った時,本当に目からウロコが雨あられのように落ちるくらい強烈な衝撃を受けました。
というのも,(以前の私を含めて)世の中の大半の弁護士は,基本的に,いかにしてクライアントの希望する第1の案もしくは第2の案を押し通すか,という視点で案件処理にあたることが当たり前になっているからです。
しかしながら,「第3の案」を知った時に,『よくよく考えてみれば,クライアントと相手がwin-win(もしくはできる限りそれに近い結果)に達する第3の案を考え,それを実現しようとする方が,相手方の納得を圧倒的に得やすいのだから,結果としてクライアントの利益を最も効果的に実現することにもつながるはずだ』ということに気づきました。
もちろん,相手方によっては第3の案を目指すことが到底無理なケースもありますが,多くの場合,第3の案の実現を目指して尽力することは非常に効果的です。また,どちらか一方しか利益を得られないという既存の単純な解決案とは違う未知のアイデアを考えるわけですから,非常にエキサイティングでもあります。
私は「第3の案」を知ってから,以前にもまして,特に人と人とが意見対立している問題を円満かつ創造的に解決することに強い興味・関心を持つようになると同時に,そのような第3の案を考える機会を無数に得ることのできる自分の仕事がますます好きになりました。
これは断言できますが,世界中の人々が「第3の案」の考え方を本気で理解して実践することを心がければ,世の中からほとんどの争いごとはなくなります。間違いありません。
なぜなら,世の中の多くの争いごとは,お互いが第1の案と第2の案に縛られ,第3の案を考えようとしないがゆえに起きているケースがほとんどだからです。
皆さんもきっと心当たりがあるはずです。
今まで,家庭や職場などで人間関係にストレスを感じた時,その人と意見が異なる問題や,そもそもの人間関係について,「第3の案」を考えたことはありますか?
あるという方はとっても素晴らしいですが,おそらく,そのような方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。
私は,特に企業を中心に「第3の案」の考え方を広めることで,自分のミッション(=争いごとのない世界を創造する)の達成に着実に近づけるものと確信しています。
みなさんも,本投稿をご覧になったことを機に,今後はぜひ「第3の案」について考える癖をつけてみてください。
・・・といっても簡単ではないと思いますので,具体的にどういう手順で第3の案を探求していくのかについては,今後改めてブログにてご紹介していきます。
お楽しみに!!