2016 07.08
「人間関係の秘訣は,カーネギーに聞け」(齊藤勇著・三笠書房)という本の中で,対人心理学が教える五つの「人を動かす勢力」というものが紹介されています。
対人心理学の中では,人に影響を与える力のことを「社会的勢力」といい,その「社会的勢力」は,以下の5つに分類されます。
①強制勢力
⇒力で無理やり人を動かすときに働く影響力
例:ピストルで脅して行動させる等
②報酬勢力
⇒『自分が欲しいと思っているものを他人が持っていて,その人の指示に従えば,それが自分の手に入る』と人に期待をさせる影響力
例:お金が欲しい学生が,給料をもらうためにアルバイト先の店長の言うことを聞く等
③正当勢力
⇒指示,命令を出している人に,その指示,命令を出す「正当性」を認める場合に働く影響力
例:学校の先生が宿題を課した場合に,生徒がそれに従うこと等
④準拠勢力
⇒好きな人,尊敬する人からのアドバイスや指示を受ける際に働く影響力。尊敬されている人は,その関係において「準拠勢力」を持つとされる。
例:好きな芸能人がおすすめしているグッズを買うファン,尊敬するカーネギーの教えを実践する阿部竜司等
⑤専門勢力
⇒知らないこと,未熟なことについて,専門家や熟達者にアドバイスをもらう時に働く影響力
例:法的なトラブルを抱えているクライアントが弁護士のアドバイスを聞くこと等
※「人間関係の秘訣は,カーネギーに聞け」36頁~38頁より一部引用
いかがでしょうか?
私は,この5つを見た時,「うんうん,確かにそうだよな~。」という感じで,大いに納得でした。
実際,人が動く動機は,ほぼ上記の5つに集約されていると思います。
さて,上記①~⑤ですが,どれが一番重要かは,普段私のブログをご覧いただいている方であればお分かりかと思います。
そう,④ですね。
大体にして,デール・カーネギーの「人を動かす」の原題は,「友を獲得して,人に影響を与える方法」ですから,完全に④重視の考え方ですよね。
①は当然ながら長続きせず,組織やパートナー関係であれば間違いなく破綻します。
では,②はどうでしょうか?
「②は給料等の報酬なので,継続的に給料はちゃんと払うわけだし,長続きするんじゃないの?」
そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら,お金で人を動かそうとした場合,常にその人が満足するだけの報酬を与えなければならないわけですが,それはかなり大変です。
それに,仮に満足のいく金額を与え続けていたとしても,例えば,「目標金額までお金が貯まったから,もう仕事はいいや」等ということで,本人にとっての報酬の価値が下がってしまったら,動機付けにはならなくなってしまいます。
ということで,②も,ある程度は効果がありますが,最重要項目にはなりません。
③は,そもそも「正当性」を感じる価値観は人それぞれなので,動かしたい相手にとっての「正当性」をこちらでコントロールすることが難しいでしょう。
それに,例え先生が宿題を課すことには正当性があると感じていても,その先生のことが嫌いだったら,それを理由に宿題をやらないという反応が起きる可能性は否定できません。
したがって,③も効果的な影響力とは言いがたいと思います。
最後に⑤は,影響力という意味ではかなり効果性は高いですが,日常的な会社内や家庭内で応用できないので,普遍的な原則として実践できる場面は少ないと言わざるを得ません。
以上見てきたとおり,やはり,普遍的で(=誰でも実践できて),かつ最も効果性が高い社会的勢力は④ということになります。
部下が言うことを聞かないとか,自分の話に共感してくれないというようなお悩みをお持ちの方々,「どうやったら言うことを聞かせられるか」という視点よりも,「どうやったら自分のことを好きになってくれるか,尊敬してくれるか」といった視点で対応を考えた方が,きっと効果的ですよ!
対人心理学の中では,人に影響を与える力のことを「社会的勢力」といい,その「社会的勢力」は,以下の5つに分類されます。
①強制勢力
⇒力で無理やり人を動かすときに働く影響力
例:ピストルで脅して行動させる等
②報酬勢力
⇒『自分が欲しいと思っているものを他人が持っていて,その人の指示に従えば,それが自分の手に入る』と人に期待をさせる影響力
例:お金が欲しい学生が,給料をもらうためにアルバイト先の店長の言うことを聞く等
③正当勢力
⇒指示,命令を出している人に,その指示,命令を出す「正当性」を認める場合に働く影響力
例:学校の先生が宿題を課した場合に,生徒がそれに従うこと等
④準拠勢力
⇒好きな人,尊敬する人からのアドバイスや指示を受ける際に働く影響力。尊敬されている人は,その関係において「準拠勢力」を持つとされる。
例:好きな芸能人がおすすめしているグッズを買うファン,尊敬するカーネギーの教えを実践する阿部竜司等
⑤専門勢力
⇒知らないこと,未熟なことについて,専門家や熟達者にアドバイスをもらう時に働く影響力
例:法的なトラブルを抱えているクライアントが弁護士のアドバイスを聞くこと等
※「人間関係の秘訣は,カーネギーに聞け」36頁~38頁より一部引用
いかがでしょうか?
私は,この5つを見た時,「うんうん,確かにそうだよな~。」という感じで,大いに納得でした。
実際,人が動く動機は,ほぼ上記の5つに集約されていると思います。
さて,上記①~⑤ですが,どれが一番重要かは,普段私のブログをご覧いただいている方であればお分かりかと思います。
そう,④ですね。
大体にして,デール・カーネギーの「人を動かす」の原題は,「友を獲得して,人に影響を与える方法」ですから,完全に④重視の考え方ですよね。
①は当然ながら長続きせず,組織やパートナー関係であれば間違いなく破綻します。
では,②はどうでしょうか?
「②は給料等の報酬なので,継続的に給料はちゃんと払うわけだし,長続きするんじゃないの?」
そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら,お金で人を動かそうとした場合,常にその人が満足するだけの報酬を与えなければならないわけですが,それはかなり大変です。
それに,仮に満足のいく金額を与え続けていたとしても,例えば,「目標金額までお金が貯まったから,もう仕事はいいや」等ということで,本人にとっての報酬の価値が下がってしまったら,動機付けにはならなくなってしまいます。
ということで,②も,ある程度は効果がありますが,最重要項目にはなりません。
③は,そもそも「正当性」を感じる価値観は人それぞれなので,動かしたい相手にとっての「正当性」をこちらでコントロールすることが難しいでしょう。
それに,例え先生が宿題を課すことには正当性があると感じていても,その先生のことが嫌いだったら,それを理由に宿題をやらないという反応が起きる可能性は否定できません。
したがって,③も効果的な影響力とは言いがたいと思います。
最後に⑤は,影響力という意味ではかなり効果性は高いですが,日常的な会社内や家庭内で応用できないので,普遍的な原則として実践できる場面は少ないと言わざるを得ません。
以上見てきたとおり,やはり,普遍的で(=誰でも実践できて),かつ最も効果性が高い社会的勢力は④ということになります。
部下が言うことを聞かないとか,自分の話に共感してくれないというようなお悩みをお持ちの方々,「どうやったら言うことを聞かせられるか」という視点よりも,「どうやったら自分のことを好きになってくれるか,尊敬してくれるか」といった視点で対応を考えた方が,きっと効果的ですよ!