2018 08.27
「説得力」の正体
「説得力」という言葉を聞いて,皆さんはどんなイメージを持たれるでしょうか?
辞書では,「会話や文章などで、相手を納得させたり受け入れさせたりする力」と載っていました。
誰しも,自分の考えや提案を相手に納得してもらいたいと思う機会は多いと思います。
そこで,今回は,この「説得力」の正体について考えてみたいと思います。
皆さんは,人を説得したいとき,どんなことを意識していますか?
私は,弁護士という仕事柄,クライアントからよくこんなご相談を受けることがあります。
すなわち,
「こちらの主張の方が筋が通っているし,相手にとっても都合がいいはずなのに,一向に相手はこちらの話を聞こうとしない。」
というようなものです。
例えば,経営者の方がセミナー,講演会,あるいは本などで,良質な情報や考え方に触れたときに,
『これはぜひうちの従業員たちにも実践してもらったら,彼らにとってプラスになるはずだ!』
と思って,自分が学んだことを熱く語って聞かせる,というのはよくある話です。
この時,大概の経営者の方が味わうのが,「自分のメッセージが従業員に全然響かず,彼らは何も変化がない」という結果です。
そして,大概の経営者の方は,このような疑問を持ちます。
『なぜこんな良い情報を伝えているのに,皆自分の言うとおりに実践しようとしないのだろうか・・・?』
さらに,場合によっては,こんな風に考えてしまうこともあります。
『今の従業員たちは感度が悪すぎてダメだ。今後はもっと私が学んだことに共感を持ち,積極的に実践しようとする気概のある人を雇わなければ!』
でも,そのように考えた経営者の方は,ほとんどの場合,そんな突出した能力を持つ新たな人材と巡り合うことはなく,好転的変化のない状態が継続することになります。
これはどうしてでしょうか?
理由はいたってシンプルです。
「説得力」の正体を誤解しているためです。
別に経営者の方に限った話ではなく,世の中の多くの人は,「説得力」とは,自分の提案や主張が「いかに正しいか」,「いかに高い価値を持っているか」ということを相手に伝える力だと考えています。
しかし,遺憾ながら,これは「説得力」の正体に対する理解が不十分と言わざるを得ません。
「7つの習慣」の著者,スティーブン・R・コヴィー博士は,人を説得して動かすためには,以下の3つの要素が必要であると説いています。
①人格
②人間関係
③(説得内容の)正しさ
そして,次が最も重要なポイントなのですが,上記の3つの要素は,①から順番に備わる必要があります。
これは具体的に考えてみれば,あまり難しいことではありません。
例えば,従業員に対して朗らかに自分から挨拶をしてくれない上司に,「もっと社内外での挨拶を徹底し,社内の雰囲気や会社のイメージを良くしていこう!」と言われても,あまり響きませんよね。
上司からの指示なので,表向きは「わかりました。」という返事をするでしょうが,内心では,『いやいや,そう言ってるあなたが,まず私たちに対してきちんと挨拶してよ!』と思ってしまうのが人間ですよね。
これが,①人格の有無の問題です。
「社内外での挨拶を徹底することで,社内の雰囲気が良くなったり,外部からの会社へのイメージも良くなる」という説得内容自体は間違っていないのですが(=③は備わっているのですが),『ちゃんとしていない人に説得されても響かない』というわけです。
次に,②人間関係はさらにシンプルです。
上記の例で,確かに,普段から上司は挨拶をきちんとしており,その点で人格的にはちゃんとしている人だったとします。
でも,例えばあなたはその上司とそりが合わず,上司もあなたに対してあまり好感を持っていない様子で,はっきり言って人間関係が良くない状態であったらどうでしょうか?
もっと端的に言えば,ちゃんとしている人であっても,あなたが個人的に嫌っている人から説得されたとして,それを受け入れる気になるでしょうか?
おそらく,なりにくいという方がほとんどだと思います。私もそうです。
これが②人間関係という要素です。
以上の①人格,②人間関係という2つの要素が揃っていなければ,いくら③正しさという要素があっても,相手があなたの説得に心を動かされる可能性は低いと言わざるを得ません。
これが「説得力」の正体です。
今いち他者への説得や提案が受け入れてもらえないことが多いという方は,説得内容や提案内容の見直しも大事ですが,
①そもそも自分が相手に対してそのような説得ができるだけの人格を備えられているか
あるいは,
②相手が自分の言葉に耳を傾けてくれるだけの人間関係ができているか
についても,一度考えてみることをお勧めします。
ちなみに,ここでいう「人間関係」というのは,言い換えれば「信頼関係」のことをさすものであって,「上司と部下」というような形式的な関係性ではありませんので,その点はご注意くださいね(^^)
~~~7つの習慣を「実践」するワークセッション研修~~~
フランクリン・コヴィー社の公認ライセンスを有する弁護士阿部竜司とともに,
「説得力」の第1要素である「人格」を高めるために効果的な習慣の実践力を
身につけましょう!
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ウェブサイト⇒http://7h-ralo.jp/
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辞書では,「会話や文章などで、相手を納得させたり受け入れさせたりする力」と載っていました。
誰しも,自分の考えや提案を相手に納得してもらいたいと思う機会は多いと思います。
そこで,今回は,この「説得力」の正体について考えてみたいと思います。
皆さんは,人を説得したいとき,どんなことを意識していますか?
私は,弁護士という仕事柄,クライアントからよくこんなご相談を受けることがあります。
すなわち,
「こちらの主張の方が筋が通っているし,相手にとっても都合がいいはずなのに,一向に相手はこちらの話を聞こうとしない。」
というようなものです。
例えば,経営者の方がセミナー,講演会,あるいは本などで,良質な情報や考え方に触れたときに,
『これはぜひうちの従業員たちにも実践してもらったら,彼らにとってプラスになるはずだ!』
と思って,自分が学んだことを熱く語って聞かせる,というのはよくある話です。
この時,大概の経営者の方が味わうのが,「自分のメッセージが従業員に全然響かず,彼らは何も変化がない」という結果です。
そして,大概の経営者の方は,このような疑問を持ちます。
『なぜこんな良い情報を伝えているのに,皆自分の言うとおりに実践しようとしないのだろうか・・・?』
さらに,場合によっては,こんな風に考えてしまうこともあります。
『今の従業員たちは感度が悪すぎてダメだ。今後はもっと私が学んだことに共感を持ち,積極的に実践しようとする気概のある人を雇わなければ!』
でも,そのように考えた経営者の方は,ほとんどの場合,そんな突出した能力を持つ新たな人材と巡り合うことはなく,好転的変化のない状態が継続することになります。
これはどうしてでしょうか?
理由はいたってシンプルです。
「説得力」の正体を誤解しているためです。
別に経営者の方に限った話ではなく,世の中の多くの人は,「説得力」とは,自分の提案や主張が「いかに正しいか」,「いかに高い価値を持っているか」ということを相手に伝える力だと考えています。
しかし,遺憾ながら,これは「説得力」の正体に対する理解が不十分と言わざるを得ません。
「7つの習慣」の著者,スティーブン・R・コヴィー博士は,人を説得して動かすためには,以下の3つの要素が必要であると説いています。
①人格
②人間関係
③(説得内容の)正しさ
そして,次が最も重要なポイントなのですが,上記の3つの要素は,①から順番に備わる必要があります。
これは具体的に考えてみれば,あまり難しいことではありません。
例えば,従業員に対して朗らかに自分から挨拶をしてくれない上司に,「もっと社内外での挨拶を徹底し,社内の雰囲気や会社のイメージを良くしていこう!」と言われても,あまり響きませんよね。
上司からの指示なので,表向きは「わかりました。」という返事をするでしょうが,内心では,『いやいや,そう言ってるあなたが,まず私たちに対してきちんと挨拶してよ!』と思ってしまうのが人間ですよね。
これが,①人格の有無の問題です。
「社内外での挨拶を徹底することで,社内の雰囲気が良くなったり,外部からの会社へのイメージも良くなる」という説得内容自体は間違っていないのですが(=③は備わっているのですが),『ちゃんとしていない人に説得されても響かない』というわけです。
次に,②人間関係はさらにシンプルです。
上記の例で,確かに,普段から上司は挨拶をきちんとしており,その点で人格的にはちゃんとしている人だったとします。
でも,例えばあなたはその上司とそりが合わず,上司もあなたに対してあまり好感を持っていない様子で,はっきり言って人間関係が良くない状態であったらどうでしょうか?
もっと端的に言えば,ちゃんとしている人であっても,あなたが個人的に嫌っている人から説得されたとして,それを受け入れる気になるでしょうか?
おそらく,なりにくいという方がほとんどだと思います。私もそうです。
これが②人間関係という要素です。
以上の①人格,②人間関係という2つの要素が揃っていなければ,いくら③正しさという要素があっても,相手があなたの説得に心を動かされる可能性は低いと言わざるを得ません。
これが「説得力」の正体です。
今いち他者への説得や提案が受け入れてもらえないことが多いという方は,説得内容や提案内容の見直しも大事ですが,
①そもそも自分が相手に対してそのような説得ができるだけの人格を備えられているか
あるいは,
②相手が自分の言葉に耳を傾けてくれるだけの人間関係ができているか
についても,一度考えてみることをお勧めします。
ちなみに,ここでいう「人間関係」というのは,言い換えれば「信頼関係」のことをさすものであって,「上司と部下」というような形式的な関係性ではありませんので,その点はご注意くださいね(^^)
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