阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2017 12.08

日常生活こそ成長のチャンス

「日常の平凡な出来事の中でも,人生の大きなプレッシャーに主体的に取り組む力をつけることはできる。どのような約束をして,どのようにそれを守るか,交通渋滞にどう対処するか,怒っている顧客や言うことを聞かない子どもにどのような反応を選択するか,問題をどうとらえるか,何に自分の努力を傾けるか,どのような言葉遣いをするか。」

スティーブン・R・コヴィー

以前の私は,プライベートの時間をあまり自分の人間的成長と結び付けて考えることはできていませんでした。

そのため,家で少し時間があると,「自己成長のために時間を無駄にはできない!」という感じで,本を読んだり,動画の教材を見たりということをして,家族からややひんしゅくを買うということも珍しくありませんでした。

ですが,7つの習慣の理解が深まっていくうちに,重要な視点が欠けていたことに気づきました。

それは,冒頭に紹介したコヴィー博士の言葉にもあるように,『どんな場面であっても,どのような反応を選ぶか(どのように行動するか)を考え,それを実行することが,根本的な人間としての成長につながる』という視点です。

家庭において,妻や子供の言動に対してどのような反応を選ぶのか。

あるいは,日常生活において,夫として(父親として)自分の人生理念やミッションとの関係でどのような行動を選択するのか。

ビジネスシーンであろうが,プライベートであろうが,スポーツなどの趣味の場面であろうが,どんな状況下においても,自分の主体性を磨き,視野を広げ,思慮深さを向上させるチャンスはあるのです。

私の場合,特に最近は子供との関わりの中でそれを感じることが多いです。

子供のおかげで,家庭生活でもたくさんの成長の機会を得ることができ,皮肉ではなく本当にありがたいと思っています。

 

例えば,子供が駄々をこねたり,ご飯を思うように食べてくれなかったり,なかなか寝付いてくれなかったり,夜中に突然起きて泣き出したり,そういった,言うなればこちらが望んでいない行動を取ったときに,どんな反応を選ぶのかが試されるなと感じることが多いです。

私の息子はまだ2歳なので,多少は会話らしいことが少しずつできるようになってきているものの,まだまだコミュニケーションは満足にできる年齢ではありません。

そのように,情報を伝達することが容易ではない相手と一緒に暮らしていく中で,上記のような場面に直面した時に,自分はどんな反応を選ぶべきなのか。

そのような場面を含めて,あらゆる場面における行動選択にあたって私が考えることは,自分の人生理念やミッション(使命)です。

 

私の人生理念は,「愛」,「仁」,「Win-Win」の3つです。

(※「仁」=論語で孔子が人徳の最高到達点として説いている概念。一言でいうと思いやりの心)

そして,私の人生におけるミッションは,「争いごとのない社会を創造すること」です。

そのため,行動を選択する際には,

『今この状況下でどんな行動を選ぶことが「愛」,「仁」,「Win-Win」の実践になるのか。』

『今この状況下でどんな行動を選ぶことが,争いごとのない社会の創造に少しでも近づくことに効果的か』

という視点で考えます。

 

例えば,息子が,お風呂に一緒に入ろうとこちらから誘っても,駄々をこねて嫌がったとします。

その時に,『わがまま言ってないで一緒に来なさい!』などと叱りつけて強引にお風呂に連れて行くという選択を,私は取りません。

それは,自分の人生理念にそぐわない行動だと思うからです。

(※ちなみに,「正しいか正しくないか」という視点ではありませんので,ご注意くださいね。あくまで,私がどういう基準でどういう選択をするかという話をしているだけであって,他の方々の判断基準や行動選択の是非について触れるものではありません。)

それに,そのような,息子の人格を尊重しない行動選択をとり続けると,将来息子との間で対立関係を構築することになってしまい,最も身近な家庭内において自ら『争いごと』を生み出してしまいかねません。

それは私のミッションから最も遠ざかる行動といっても過言ではないでしょう。

息子は息子なりに,1人の人間として,自分の好きなタイミングでお風呂に入りたいと思うのは当然であり,こちらが入ってほしいタイミングに強引に入らせようとするのは,親の勝手な都合でしかありません。

時には『今日はお風呂に入りたくない』という気分の時だってあるかもしれません。

だから,お風呂に入ろうと誘って息子が乗ってこないのであれば,私は,『じゃあ,パパは先に入るね~』と言って1人で入ろうとします。

だいたいそう言うと,さみしくなるのか,結局お風呂場に自分から来ることが多いです(笑)

仮にその場面でお風呂場についてこなければ,本当に1人で入ってしまうこともあります。

その後に息子が入りたそうにしたら,また手伝ってあげればいいのです。

確かに,一度お風呂に入った後にもう一度子供と一緒に入るのはめんどくさいですが,嫌がる子供を無理矢理お風呂に連れて行って,泣き叫ばれたり,風呂から上がった後も不機嫌な状態を続けられるよりよっぽどましです(^^)

 

こういった,ごくごく日常的な生活における場面でも,自分の人生理念やミッションを念頭に置いて,他者に言動に流されたり振り回されたりするのではなく,自ら主体的に自分の行動を選ぶことを重ねていくことで,小さな成功体験が積み上がっていき,どんどん主体性が磨かれていきます。

 

主体的な選択が当たり前の習慣になってくると,心の憂いや悩みごとは激減します。

 

ぜひ皆さんも,日常の平凡な出来事の中でこそ自分の行動を主体的に選択し,自らの人生を自らの手で楽しいものにしていってくださいね!