2016 08.29
皆さんは,飲み会でつい,イライラさせられた相手や,自分の感覚から見ておかしいと思う言動をとっている人の悪口を同席者に話してしまうことはありますか?
以前の私は,けっこうな頻度でありました。
まあ,正直な話,イライラさせられた後って,気の置けない人にそのエピソードを聞いてもらい,ついでに共感してもらって,少しでも気分を晴らしたいということは誰しもありますよね。
ただ,陰口を言ってしまうことには,思わぬマイナス効果があることをぜひ知っておいてもらいたいと思います。
どんな効果だと思いますか?
それは,同席者のあなたに対する信頼感の減退(の恐れ)というマイナス効果です。
以下,そのメカニズムについてお話ししていきたいと思います。
陰口というのは,当人がいない状況で,その人の悪口を言うことですよね。
この,「当人がいないところで」というのが重要なポイントです。
やたらと陰口ばかり言っている人に対して,周りの人はどんな風に感じると思いますか。
もちろん個人差はあるでしょうが,『この人は,私のいないところでは,こうやって私の悪口も言っているのかもしれない。』と感じても不思議はないと思いませんか。
つまり,陰口を言うということは,その場にいる人から不信感を持たれる一因になりうるということです。
それでなくとも,人の悪口が話題の中心になっている状況って,正直,あまり正のエネルギーが増大している感じはしませんよね。むしろ,負のエネルギーの方が増大しているといっても過言ではないでしょう。
そもそも,陰口を言ったところで,その対象となっている当人の行動変容を促すことは1ミリもないわけですから,自分を苛立たせている原因の解消にはなりません。
つまり,陰口を言うという行為は,基本的に「非生産的行為」なわけです。プラスの効果はなく,マイナスの効果しかないわけですね。
このような考え方に対しては,
「悪口を吐き出すことで,イライラ感が消えてすっきりとしたり,(誰しもが迷惑を受けているような人の話であれば)共通の話題になって盛り上がったりすることもあるのであるから,陰口に何らプラス効果がないというのは言い過ぎではないか。」
というような意見もあるところでしょう。
確かに,陰口を人に聞いてもらうことで,苛立ちや不満感がすっきりとすることはあります。しかし,それは人を貶めて自分の精神衛生を保とうとする行為であり,どこかで必ずしっぺ返しがきます。
厳密には陰口とはまた少し別なお話ですが,他者の(一見して)理解不能な言動に苛立ちを覚えた時には,必ず,『この人はなぜそんな言動をするのか』という視点でものを見てみましょう。
これは一種の心理分析でもありますが,人が他者から見て理解しにくい行動をとるときには,大抵,「弱い自分」を認めたくなかったり,認めたくない現実から目をそむけようとする逃避的な動機が心の奥底にあることが少なくありません。
例えば,私の仕事柄でよくあるケースですが,離婚事案で,小学生以下くらいの子どもについて面会交流(=離婚後にも定期的に会う機会を作ること)の是非に関する話合いをしているときに,親権を持つ親の方から,「子供が会いたいというなら会わせてもいいが,子供が会いたくないと言っているので,会わせられない。」というような問題が起きることがあります。
このようなケースでは,他方配偶者がよほど人格に優れた場合でない限り,大概,親権者配偶者に対して
「お前が(あなたが)子供にそう言わせているのだろう。」
というように,あたかも親権者配偶者が子供を洗脳し,本心と異なることを言わせているかのようなことを言うことが珍しくありません。
このような発言は,親権者配偶者にすれば心外ですから,争いの火種になってしまうわけですが,実はちょっと深読みしてみると,腹を立てるような話でもないのではないかという視点が見えてきます。
というのも,このような場合,他方配偶者は,〝自分が子供から好かれていないという事実を素直に受け入れたくない”という心理状態になっている可能性が少なからずあります。
だって,親ですからね。
子供はかわいいですから,子供に嫌われているなんて認めたくないのが普通でしょう。
ただ,実際は,離婚になるような状況なわけですから,子供に好かれない要因が親自身にあるケースが少なくないわけです。
実際それをある程度(深層心理では)わかってもいるのですが,やっぱり素直に認めたくないというのは,人間として無理からぬ行動だと思いませんか。
こんな風に考えてみると,相手の発言は,一見して根拠のない一方的ないいがかりという感じに見えて,実は恐怖や不安の裏返し的自己防衛行動であるということが見えてきます。
逆に言うと,ご自身がついこのような発言をしてしまうことが多い方は,実はそのような現実逃避的要素があったりする可能性があるということを意識してみると,新たな発見があるかもしれません。
自分からは人の悪口を言わず,他者からの言いがかりについては,心が不安定になっているのだろうと落ち着いた分析をする。
そんな風に他者と接していると,心がささくれ立つことは少なくなりますし,他者からいたずらに不信感を持たれることもありません。
ぜひ,ちょっとだけでも意識してみてくださいね(^^)
以前の私は,けっこうな頻度でありました。
まあ,正直な話,イライラさせられた後って,気の置けない人にそのエピソードを聞いてもらい,ついでに共感してもらって,少しでも気分を晴らしたいということは誰しもありますよね。
ただ,陰口を言ってしまうことには,思わぬマイナス効果があることをぜひ知っておいてもらいたいと思います。
どんな効果だと思いますか?
それは,同席者のあなたに対する信頼感の減退(の恐れ)というマイナス効果です。
以下,そのメカニズムについてお話ししていきたいと思います。
陰口というのは,当人がいない状況で,その人の悪口を言うことですよね。
この,「当人がいないところで」というのが重要なポイントです。
やたらと陰口ばかり言っている人に対して,周りの人はどんな風に感じると思いますか。
もちろん個人差はあるでしょうが,『この人は,私のいないところでは,こうやって私の悪口も言っているのかもしれない。』と感じても不思議はないと思いませんか。
つまり,陰口を言うということは,その場にいる人から不信感を持たれる一因になりうるということです。
それでなくとも,人の悪口が話題の中心になっている状況って,正直,あまり正のエネルギーが増大している感じはしませんよね。むしろ,負のエネルギーの方が増大しているといっても過言ではないでしょう。
そもそも,陰口を言ったところで,その対象となっている当人の行動変容を促すことは1ミリもないわけですから,自分を苛立たせている原因の解消にはなりません。
つまり,陰口を言うという行為は,基本的に「非生産的行為」なわけです。プラスの効果はなく,マイナスの効果しかないわけですね。
このような考え方に対しては,
「悪口を吐き出すことで,イライラ感が消えてすっきりとしたり,(誰しもが迷惑を受けているような人の話であれば)共通の話題になって盛り上がったりすることもあるのであるから,陰口に何らプラス効果がないというのは言い過ぎではないか。」
というような意見もあるところでしょう。
確かに,陰口を人に聞いてもらうことで,苛立ちや不満感がすっきりとすることはあります。しかし,それは人を貶めて自分の精神衛生を保とうとする行為であり,どこかで必ずしっぺ返しがきます。
厳密には陰口とはまた少し別なお話ですが,他者の(一見して)理解不能な言動に苛立ちを覚えた時には,必ず,『この人はなぜそんな言動をするのか』という視点でものを見てみましょう。
これは一種の心理分析でもありますが,人が他者から見て理解しにくい行動をとるときには,大抵,「弱い自分」を認めたくなかったり,認めたくない現実から目をそむけようとする逃避的な動機が心の奥底にあることが少なくありません。
例えば,私の仕事柄でよくあるケースですが,離婚事案で,小学生以下くらいの子どもについて面会交流(=離婚後にも定期的に会う機会を作ること)の是非に関する話合いをしているときに,親権を持つ親の方から,「子供が会いたいというなら会わせてもいいが,子供が会いたくないと言っているので,会わせられない。」というような問題が起きることがあります。
このようなケースでは,他方配偶者がよほど人格に優れた場合でない限り,大概,親権者配偶者に対して
「お前が(あなたが)子供にそう言わせているのだろう。」
というように,あたかも親権者配偶者が子供を洗脳し,本心と異なることを言わせているかのようなことを言うことが珍しくありません。
このような発言は,親権者配偶者にすれば心外ですから,争いの火種になってしまうわけですが,実はちょっと深読みしてみると,腹を立てるような話でもないのではないかという視点が見えてきます。
というのも,このような場合,他方配偶者は,〝自分が子供から好かれていないという事実を素直に受け入れたくない”という心理状態になっている可能性が少なからずあります。
だって,親ですからね。
子供はかわいいですから,子供に嫌われているなんて認めたくないのが普通でしょう。
ただ,実際は,離婚になるような状況なわけですから,子供に好かれない要因が親自身にあるケースが少なくないわけです。
実際それをある程度(深層心理では)わかってもいるのですが,やっぱり素直に認めたくないというのは,人間として無理からぬ行動だと思いませんか。
こんな風に考えてみると,相手の発言は,一見して根拠のない一方的ないいがかりという感じに見えて,実は恐怖や不安の裏返し的自己防衛行動であるということが見えてきます。
逆に言うと,ご自身がついこのような発言をしてしまうことが多い方は,実はそのような現実逃避的要素があったりする可能性があるということを意識してみると,新たな発見があるかもしれません。
自分からは人の悪口を言わず,他者からの言いがかりについては,心が不安定になっているのだろうと落ち着いた分析をする。
そんな風に他者と接していると,心がささくれ立つことは少なくなりますし,他者からいたずらに不信感を持たれることもありません。
ぜひ,ちょっとだけでも意識してみてくださいね(^^)