2016 07.25
故永六輔さんは,「全国子ども電話相談室」というラジオ番組の中で,小学校6年生の女の子からの,「好きな人に告白する言葉を教えて」という相談に対して,このように回答されたそうです。
『言葉は一番大切です。でも、好きな人に「あ、この子好きだな」とか「いい人だな」と思われるには、「おなべをいっしょに食べて同じものをおいしいと思う」、「夕やけを見て、両方が美しいなと思う」というような同じ感動を同じ時点で受け止めるのが一番効果があります。
例えば、「いただきます」とか元気な声で言っていると、それだけで「あの子いただきますって言ってるな。きっといい子なんだろうな」と思うじゃないですか。
「あなたがすき」ですとか、「キミを僕のものにしたい」とか、「世界のどこかで待ってる」とか、そういうのはあんまり効果がありません。 「きれいだな、おいしいな、うれしいな」ということが同時に感じあえる環境が一番大事。
だから、「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。「あの人ならこの言葉は好きだろうな」と思った言葉を何気なく使っているときの方がドキンとします。「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。
だから、いっしょの環境にいるときに同じ感動をする場面に出来るだけいっしょにいる。スポーツの応援でもいいです。
そうすると、使いあっている同じ言葉にドキンとすることがあって、それが愛なんです。 自分でいうのもおかしいけど、ひとりでご飯を食べてておいしいことないです。
ひとりで野菜を食べているときは本当にさみしい。やっぱり家族、好きな人といっしょのほうがいい。二人っきり、まずはふたりになること。
きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください。』
このメッセージを学生時代に聞いていたら,もう少し恋愛での失敗経験は少なかったかもな~と思います(笑)
私は,永六輔さんのこのメッセージを知った時,「ああ,これがまさに『誠実な関心を寄せる』ということだな」と強く思いました。
『誠実な関心を寄せる』というのは,デール・カーネギー著「人を動かす」において,「人に好かれる六原則」の第1原則として取り上げられているものです。
皆さんは,自分が興味・関心を有していること(仕事,家庭,趣味,その他なんでも)について,心から興味・関心を寄せてくれる人をどう思いますか。
例えば,私は「キングダム」という漫画が大好きなのですが,同じように「キングダム」のことが好きな人はもちろんのこと,どんな漫画なのか,どうしてそんなに阿部竜司はキングダムが好きなのか,ということに関心を持ってくれて,いろいろと漫画について質問をしてくれたり,こちらの説明を真剣に聞いてくれる人には,とても好感を抱きます。
スポーツでも,テレビドラマでも,音楽でも,映画でもなんでもいいのですが,自分が好きなことや,とても興味をもっていることについて誠実に関心を寄せてくれる人には,安心していろんなことを話してしまう,ということは誰しも経験のあるところではないでしょうか。
このように,人は,自分の関心事に対して誠実な関心を寄せてくれる人に関しては自然と好意的な感情を抱きます。
「〇〇好きに悪い人はいない。」なんて言う言葉も,よく冗談で飛び交ったりしますが,これもまさに誠実な関心を寄せてもらったことによって感じる気持ちの表れでしょう。
これはどうしてなのでしょうか。
自分が大事にしていること,好きなこと,興味のあること等について,同じように興味を持ってくれたり,価値を感じてくれたりすると,肯定的感情(=楽しい,嬉しい,気持ちいい,面白い等)をその人と共有することができ,一人だけでは得られない充実感や幸福感を得ることができます。
このような満足感を一度体験してしまうと,人間は,やはりまた同じような快感を得たいと思うわけです。これは本能に近いと思います。
そんなお話を通じて皆さんにお伝えしたいこと,それは,自分が発するメッセージの内容を他者に取り入れてもらいたいと思うのであれば(=他者に対して善なる影響力を発揮したいのであれば),その人の関心事に対して誠実な関心を寄せることが肝要である,ということです。
これは,先日の投稿にてお話しした「相手の成功を自分の成功とする」という考え方ともマッチします。
また,相手の関心事を知ることで,どんな話であればその人が聞く耳を持ってくれるのか,もしくはその人の持っているどんな価値観を揺さぶることで肯定的な行動変容を促すことができるのか,という情報を得ることができます。
従業員に好かれていない気がする経営者さん,まずは従業員が大事にしていること,好きなこと,関心を持っていることに対して,自分も誠実な関心を寄せましょう。
従業員の好きな漫画を読むもよし,映画を見るもよし,音楽を聴くもよし,学ぶもよし。
それによって,従業員は,今まで近寄りがたい存在だと感じていた経営者との距離感を段々と感じなくなってきます。
もっとも,ただ同じ漫画や音楽等の情報を得て,それをひけらかすような行動を採ることは,「相手に誠実な関心を寄せる」には当てはまらない行動なので,注意が必要です。
相手に誠実な関心をよせるのであれば,相手自身がどのようにその漫画や音楽等を好んでいるのかという点について理解に徹するべきでしょう。
相手の関心事は,食事の際におけるお話のネタとしても鉄板です。
「今気になっていることや,はまっていることはなんですか。」と聞けば,いろんな情報が出てきて会話が弾むはずです(こちらが話すのは2割程度で,あとの8割は相手に話してもらうことがポイントです。)
ぜひ,相手の関心事に対して誠実な関心を寄せることで,より良い人間関係を作り,ひいてはより良い組織体制を構築してくださいね。
『言葉は一番大切です。でも、好きな人に「あ、この子好きだな」とか「いい人だな」と思われるには、「おなべをいっしょに食べて同じものをおいしいと思う」、「夕やけを見て、両方が美しいなと思う」というような同じ感動を同じ時点で受け止めるのが一番効果があります。
例えば、「いただきます」とか元気な声で言っていると、それだけで「あの子いただきますって言ってるな。きっといい子なんだろうな」と思うじゃないですか。
「あなたがすき」ですとか、「キミを僕のものにしたい」とか、「世界のどこかで待ってる」とか、そういうのはあんまり効果がありません。 「きれいだな、おいしいな、うれしいな」ということが同時に感じあえる環境が一番大事。
だから、「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。「あの人ならこの言葉は好きだろうな」と思った言葉を何気なく使っているときの方がドキンとします。「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。
だから、いっしょの環境にいるときに同じ感動をする場面に出来るだけいっしょにいる。スポーツの応援でもいいです。
そうすると、使いあっている同じ言葉にドキンとすることがあって、それが愛なんです。 自分でいうのもおかしいけど、ひとりでご飯を食べてておいしいことないです。
ひとりで野菜を食べているときは本当にさみしい。やっぱり家族、好きな人といっしょのほうがいい。二人っきり、まずはふたりになること。
きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください。』
このメッセージを学生時代に聞いていたら,もう少し恋愛での失敗経験は少なかったかもな~と思います(笑)
私は,永六輔さんのこのメッセージを知った時,「ああ,これがまさに『誠実な関心を寄せる』ということだな」と強く思いました。
『誠実な関心を寄せる』というのは,デール・カーネギー著「人を動かす」において,「人に好かれる六原則」の第1原則として取り上げられているものです。
皆さんは,自分が興味・関心を有していること(仕事,家庭,趣味,その他なんでも)について,心から興味・関心を寄せてくれる人をどう思いますか。
例えば,私は「キングダム」という漫画が大好きなのですが,同じように「キングダム」のことが好きな人はもちろんのこと,どんな漫画なのか,どうしてそんなに阿部竜司はキングダムが好きなのか,ということに関心を持ってくれて,いろいろと漫画について質問をしてくれたり,こちらの説明を真剣に聞いてくれる人には,とても好感を抱きます。
スポーツでも,テレビドラマでも,音楽でも,映画でもなんでもいいのですが,自分が好きなことや,とても興味をもっていることについて誠実に関心を寄せてくれる人には,安心していろんなことを話してしまう,ということは誰しも経験のあるところではないでしょうか。
このように,人は,自分の関心事に対して誠実な関心を寄せてくれる人に関しては自然と好意的な感情を抱きます。
「〇〇好きに悪い人はいない。」なんて言う言葉も,よく冗談で飛び交ったりしますが,これもまさに誠実な関心を寄せてもらったことによって感じる気持ちの表れでしょう。
これはどうしてなのでしょうか。
自分が大事にしていること,好きなこと,興味のあること等について,同じように興味を持ってくれたり,価値を感じてくれたりすると,肯定的感情(=楽しい,嬉しい,気持ちいい,面白い等)をその人と共有することができ,一人だけでは得られない充実感や幸福感を得ることができます。
このような満足感を一度体験してしまうと,人間は,やはりまた同じような快感を得たいと思うわけです。これは本能に近いと思います。
そんなお話を通じて皆さんにお伝えしたいこと,それは,自分が発するメッセージの内容を他者に取り入れてもらいたいと思うのであれば(=他者に対して善なる影響力を発揮したいのであれば),その人の関心事に対して誠実な関心を寄せることが肝要である,ということです。
これは,先日の投稿にてお話しした「相手の成功を自分の成功とする」という考え方ともマッチします。
また,相手の関心事を知ることで,どんな話であればその人が聞く耳を持ってくれるのか,もしくはその人の持っているどんな価値観を揺さぶることで肯定的な行動変容を促すことができるのか,という情報を得ることができます。
従業員に好かれていない気がする経営者さん,まずは従業員が大事にしていること,好きなこと,関心を持っていることに対して,自分も誠実な関心を寄せましょう。
従業員の好きな漫画を読むもよし,映画を見るもよし,音楽を聴くもよし,学ぶもよし。
それによって,従業員は,今まで近寄りがたい存在だと感じていた経営者との距離感を段々と感じなくなってきます。
もっとも,ただ同じ漫画や音楽等の情報を得て,それをひけらかすような行動を採ることは,「相手に誠実な関心を寄せる」には当てはまらない行動なので,注意が必要です。
相手に誠実な関心をよせるのであれば,相手自身がどのようにその漫画や音楽等を好んでいるのかという点について理解に徹するべきでしょう。
相手の関心事は,食事の際におけるお話のネタとしても鉄板です。
「今気になっていることや,はまっていることはなんですか。」と聞けば,いろんな情報が出てきて会話が弾むはずです(こちらが話すのは2割程度で,あとの8割は相手に話してもらうことがポイントです。)
ぜひ,相手の関心事に対して誠実な関心を寄せることで,より良い人間関係を作り,ひいてはより良い組織体制を構築してくださいね。