阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2016 06.23

今日は,7つの習慣において,特に第4の習慣~第6の習慣を通じて公的成功を目指す上で外せない概念である「信頼口座」についてお話ししたいと思います。

皆さんは,家族や友人・知人,職場の上司,同僚,部下等から,自分が人としてどのくらい信頼されているか,ということを考えたことはありますか?

7つの習慣では,人との信頼関係の深さについて,「信頼口座」という概念を用いて考えます。

「口座」という表現からわかるとおり,イメージは銀行の預金口座です。

相手の自分に対する信頼を高めるような行動を,預金口座さながらに信頼口座への「預入れ」と表現します。

これに対して,相手の自分に対する信頼をダウンさせるような行動を,信頼口座からの「引出し」と表現します。

信頼口座への預入れ行動としてはどんなものが考えられるでしょうか。

例えば,約束を守ること,相手の欲求充足のサポートをすること,(相手に迷惑をかけてしまったときに)真摯に謝罪すること,相手の話を傾聴すること等が考えられるでしょう。

では,引出しはどうでしょうか。

こちらは,預入れと逆の行為を思い浮かべていただければよいでしょう。
約束を破る,相手の話を聞かずにこちらの意見ばかり押し付ける,相手を責める,脅す等ですね。

以前の投稿で,人間関係を破壊する習慣と,良好にする習慣についてお話ししましたが,あれはまさに前者が引出しで,後者が預入れです。

さて,信頼口座への預入れを行って残高が増えると,どんな良いことがあるのでしょうか。

まず,単純に,自分が仲良くしたい相手と良い信頼関係を作れているという状況は,気分が良いですよね。
5つの欲求の1つである「愛・所属の欲求」が満たされて,幸せな気持ちになれます。

また,信頼関係が深ければ,頼みごともしやすくなります。結果として,どうしても自分がやらなければならないことに集中し,その他のことを人に任せるという良いタイムマネジメントの習慣を作ることができます。

さらに,信頼関係の深い相手は,こちらの欲求を満たすことを自分の欲求としてくれる(平たく言えば,「〇〇さんに貢献したい,喜んでもらいたい」と考えてくれる)ようになるので,こちらからお願いしなくても,こちらのために自発的に動いてくれるようになります。

いやー,良いことづくめですね!

反対に,引出しばかりが増えたらどうなるでしょうか。

例えば・・・・・・

いや,気分が悪くなるだけなので,書かかないでおきましょう。ここまでお読みいただいたみなさんであれば説明は不要かと思います。

離婚に至ってしまう夫婦は,概ね,双方とも引出行為ばかりが積み重なってしまった結果,残高がゼロになってしまったというパターンがほとんどです(もちろん,きっかけはどちらか一方による大きな引出しであることが多いですが。)。

また,上司(経営者)と部下との関係性が芳しくない会社は,組織上の立場が上である上司の側が引出行為をしている結果,下がついてこないというパターンが多いです。

さて,信頼口座について概ねご理解いただけたでしょうか?

最後に,信頼口座の概念を実生活に活かすことについて皆さんによくよく覚えておいていただきたいことをお伝えします。

それは,“信頼口座の預入れは,徹頭徹尾『give』の精神で貫徹するものであって,give&takeで行うものではない”ということです。

つまり,相手が引出行為をしてきたとしても,それに反応して自分も引出行為をするという行動はNGなのです。

そんなことをしても,あなたにとって良いことは何もなく,悪いことしかありません。

相手が預入れをしてくれようが,引出しをしてこようが関係ないのです。

こちらはとにかく預入れを増やすことを徹底する。

そうすれば,自然と,引出しをされることよりも預入れをしてもらえることの方が増えてきます。

これができれば,人間関係の悩みなんて宇宙の彼方に消えていくことでしょう。