阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2016 11.29

人間関係を良好にするコツ⑩~常に自分自身の行動選択に集中する~

大変ありがたいことに,法律相談以外にも色々なご相談を受けることがしばしばあるのですが,そのようなご相談事の中でやはり多いのが,人間関係の悩みです。

特に,『職場の●●という上司が本当に酷くてまいっている。』とか,『●●という部下が全然使えなくて困っている。』というような,自分から見て他者の言動(※期待する行動をしないということも含む)に不満を感じるというケースが多いです。

もちろん,これまでの人生において,このような人間関係の悩みを一度も持ったことがないという方はいらっしゃらないと思います。かく言う私自身も,以前はしばしばありました(おめでたい性格なので,比較的少ない方だったとは思いますが。)。

きっと,今このブログを読んでくださっている方の中でも,多くの方が同様のお悩みをお持ちなのではないでしょうか。

私は,このようなお悩みについて様々なお話を伺う中で,1つの共通性に気づきました。

それは,このような『あいつが嫌な奴でほんと困る・・・』というような悩みをお持ちの方のほとんどが,その問題人物の言動ばかりに目を向けていて,『自分自身はどのように行動するのか』という視点にあまり目がいっていないということです。

多くの方は,自分にとって悩みの種になるような問題人物が現れた時には,

『ああ,ついてないなぁ・・・。この人どっかに消えてくれないかな・・・』とか,

『自分が間違っていることになんとか気づいてくれないかな・・・』とか,

『誰かあの人のねじ曲がった性格を矯正してくれないかな・・・』

というように,もっぱら問題人物が存在する不運を嘆いたり,問題人物の言動の不適切さ等について他者に話して共感を得るというような行為に終始し,それ以上に,自分が置かれている苦痛環境から脱するために『自分自身がどのように行動するのか』ということを考えていません。

でもね,自分が置かれている苦痛環境を脱するためには,自分自身で考えて行動するしかないんじゃないでしょうか。

だって,ある特定の人間を問題人物だと捉えているのは他ならぬ自分自身ですよね。

だったら,極端な話,『あの人は自分にとって問題人物ではない。あの人がどんな言動をとろうが,自分が歩みたい人生において大した影響はない。』というように考えることができれば,悩みは一瞬でなくなりますよね。

実際,そのように一瞬解決できるような悩みをお持ちの方も少なくはありません。

例えば,私は以前,知人から,学生時代の友人との関係に関する悩みについて相談を受けたことがありました。

その時私は,「そもそも,その人って,●●さんの今後進みたい道において重要な存在なんですか?」と聞きました。

知人はハッとしたような表情になり,「確かに!考えてみれば,自分にとっては,こんなに一生懸命悩んでまで良好な関係を築かなきゃいけない相手ではないですね。ああ,そっか~。」

と言って,ずいぶんすっきりした様子でした。

もちろん,家庭における親,配偶者,子供や,職場における上司,同僚,部下等,自分の人生において重要な存在に関する悩みの場合は,ここまであっさり解決とはいきませんが,基本的には同じことです。

問題人物と感じる人がいるなら,その人を問題人物と感じないようにするために(その人の存在によってストレスを感じないようにするために)『自分自身がどのように行動すべきか』というところに集中すればいいのです。

あるいは,その人の問題行動をやめてもらうために自分ができることを考えて,そこに集中するというのが有効な場合もあるでしょう。

いずれにしても,あなたが歩んでいく人生において,その人との関係を良好にしていく必要があるのであれば,もっぱら『そのために自分自身がどのような考え方をもって,どのように行動すべきか』ということを考えることが有益です。

他者に相談する際にも,『あいつほんと嫌なやつでさ~』という愚痴を聞いてもらうということではなく,『その人との関係を良好にして,自分が今置かれているストレス環境から脱するためにどうしたらよいか』という具体的な打ち手や考え方に関して意見をもらう方が,とっても建設的です。

ぜひぜひ,人間関係で悩んだ時には,『自分自身はどのように行動すべきか』ということを考えてみてくださいね!

最後に,私の人生の師スティーブン・R・コヴィー博士の名言をご紹介して,本投稿を締めくくりたいと思います。

心の安定は自分自身の内側から生まれる。頭と心に深く根づいた正確なパラダイムと正しい原則から生まれる。心の奥深くにある価値観と一致する習慣を日々実践する誠実な生き方,内から外へ,インサイド・アウトの生き方から生まれるのである。

今回もお読みくださりありがとうございました!