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20177.25

人を変えたければ自分を変えよ

弁護士としての仕事柄だけでなく,プライベートにおいても,周りの人からよく聞くお話として,

「他者の言動に悩まされている」

というものがあります。

その「他者」というのは,上司(先輩)であったり,部下(後輩)であったり,配偶者であったり,子供であったり,親であったり,取引相手であったり,子供が通っている学校や幼稚園の先生であったり,もしくはそのいずれもであったり,人によって様々です。


このような悩みは,一括りで言ってしまえば『人間関係の悩み』ですね。


さて,誰しも多かれ少なかれ人間関係に悩んでいることと思いますが,悩みの深い人や,いつも人間関係でストレスをため込みがちな方に共通することがあります。

それは,『他者が変化しないことを嘆きながらも,自分自身を変えようとはしない』ということです。

よく言われることですが,他人を直接的に変えることは不可能です。

「変われ!」と命令しただけで変わってくれたら,誰も苦労はしませんよね。

そうであるならば,『他人を変える』という方法で人間関係を良くすることは不可能ということになります。

『他人は変えられない』というのは絶対的な原則ですので,他人を変えようとする行為というのは,いわば重力に逆らって生身で空を飛ぼうとする行為と同じなわけです。

つまり,何もしないで『悪いあの人が変わってくれない・・・』と嘆き続けることは,『生身で空を飛べない・・・』と嘆いているのとほぼ同じことなわけです。

もっとはっきり言ってしまえば,どうにもならないことについて,そうと気づかずに無意味に嘆いているのと同じだということです。


この点を踏まえると,さらにショッキングなことが言えてしまいます

世の中には,『他人は変えられない』という原則をきちんと理解しており,『変えられないものにこだわっても仕方がない』と割り切って,他者の言動についてあまり悩みを持っていない人がいます。

これに対して,『他者が変わってくれない』と悩み続けている人もいます。

この違いは主としてどこにあるのか。

それは,自ら『悩む』という行為を選択しているか否かの違いです。


このようなお話をすると,

『誰が好きこのんで自分から悩みを抱えたりするもんか!自分を困らせる●●という存在がいるから,私は悩んでいるんだ!』

と思う方も少なからずいらっしゃるでしょう。

無理もありません。

今までの人生において,『悩みは自分自身が選んでいる行動選択に過ぎない』なんていう話は聞いたことがない方も多いと思われます。

それに,もっと直球なことをいえば,“自分が悩んでいたことの原因は自らにあった”などということを認めるのは,正直きついですよね。

他者に原因があるのだと考えていた方が自分を保ちやすいので,まだましでしょう。


ですが,事実として,周りにどんな人間がいても,『他者が変わってくれない・・・』という悩みを抱えずに生きている人は世の中に相当数存在します。

そして,それはその人たちが特別な存在とか,特にメンタルが強いからということに起因するものではありません。

「考え方」(=パラダイム)が違う。

ただそれだけです。


さて,他者が変わってくれないことに悩む人の特徴として,もう一つ大きなことがあります。

それが,冒頭でもお話しした『自分を変えようとしない』という特徴です。

つまり,『他者には変化を望むが,自分は変化しようとしない』ということですね。

これってどう思いますか?

よく,「人に名前を尋ねる時はまず自分から名乗るのが礼儀だ」なんて言いますよね。

これは,『相手に対して求めることがあるのであれば,まず自分から率先して行うことで,相手の行動をより促すことが可能となる』という昔からの不変の原則を言い表すものです。

自分は名乗らずにいきなりこちらの名前を訊いてくる人よりも,先に自分が名乗って,それからこちらに名前を尋ねてくる方の方が,誰しも好感を持ちますよね。

そのような人間関係における原則を端的に言い表した言葉なわけです。


さて,それでは,『他者には変化を望むが,自分は変化しようとしない』という姿勢は,上記の例でいえば,先に自分の名前を名乗る人と名乗らない人,どちらに当てはまるでしょうか。

そう,名乗らない人ですよね。

相手にだけ求めて,自分がやろうとはしないわけですから。

これでは,こちらが名乗らなければ相手が素直に名乗る気になりにくいのと同じく,相手はこちらが望むような行動をとってくれることが非常に期待しにくいですよね。


そうなんです。

他者に何らかの変化を望むのであれば,まず先に自分が変わる必要があるのです。

現在の人間関係というのは,これまでの行動の結果として形成されているものですよね。

そうであれば,(たまたま幸運にも相手が自発的に変わってくれたという状況は別として)これまでと違うことをしない限りは,これまでと違う状況にはなりようがありませんよね。


ここでもう一つ重要なポイントを申し上げます。

それは,「他者と自分のどちらが変わる“べき”なのか」という,正当性や合理性といった視点は一切排除するということです。

これまでお伝えしてきたようなお話をすると,

『相手がおかしなことをしているのに,なぜ相手ではなくこちらが(変わるための)努力をしなければならないのか。変わる“べき”は相手の方なのに!』

という正当性や合理性の視点を持ち出す方が少なからずいらっしゃいます。

私は,その視点自体について良い・悪いというつもりは一切ありません。

ただ,そのような正当性・合理性といった視点を持ち出して自分の行動を変えないのであれば,結局状況は好転しない可能性が非常に高い,ということをお伝えしたいのです。

言い換えれば,そのような正当性・合理性の視点を持ち出すことは,「人間関係に関する悩みを減らしたい」という目標の達成との関係では効果的とはいえない,ということをお伝えしたいのです。

理由は単純です。

そのような正当性・合理性を持ち出しても,他者は変わらないからです。

アメリカのリーダーシップ研究の権威であり,全世界で3000万部以上のベストセラーとなっているビジネス書「7つの習慣」の著者スティーブン・R・コヴィー博士は,人に行動変化を促したければ,

①まず模範となり

②次に人間関係(信頼関係)を厚くし

③最後に具体的なメッセージ(変えてもらいたいこと)を伝える

という順番が重要であると説かれています。

正当性・合理性という視点は③ですから,それよりもまずは,①模範になる(=自分が先に行動する)必要があるわけです。


『悪いあの人』ではなく『自分』を変える努力をするという「考え方」を自らに定着させることは,簡単なことではないかもしれません。

ですが,自分自身の考え方や行動は,他者のそれと違って,自分の好きなようにいかようにも変えることができますよね。


「人を変えたければ自分を変えよ」


ぜひ,ご参考にしていただければ幸いです。


※本日の投稿をお読みいただいて,「他人は変わらないのはわかるけど,自分を変えることで人間関係において何のプラスがあるの?」と疑問に思われた方もいらっしゃると思います。

次回の投稿にて,『自分を変えることで,結果として他者が(自発的に)変わってくれる』というメカニズムについてお話ししたいと思います。

お楽しみに!