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20167.6

人間は不合理な生き物であること

皆さんは,他人の行動について,

「もっとこうした方が(=別な選択をした方が)より合理的なのに,なんでわざわざそんな行動をとるのだろう?」

と疑問に思ったことはありませんか。

例えば,急に会社に来なくなり,連絡も取れなくなってなし崩し的に退職した元従業員に対して,

「辞めるなら辞めるで一言断って,最低限の引継ぎ等をやってから辞めた方がトラブルにならずに済むのに,なんでわざわざ夜逃げみたいにして辞めていったんだ!?」とか,

あるいは,簡潔に要点のみについてお話をした方がお互いに余計な時間を使わなくて済むのに,やたらと話が長い取引先(あるいは上司等)の行動に疑問をもったりとか,

そんな経験,きっと誰しもたくさんあるのではないでしょうか。

そんな皆さんに,それらの疑問を一挙に解決する原則をお伝えします。

ずばり,「人間は不合理な生き物である」という原則です。

え?身もふたもないですか笑?

わかりました。ちょっとだけ言い換えます。

より正確に言えば,「人間は(他人から見て)不合理な生き物である」というべきでしょうね。

人はそれぞれ,自分しか持っていない自分自身の価値観,信念,宗教,哲学,その他もろもろが合わさった「尺度」で物事を見ています。

この「尺度」は,他人からは一切見えませんし,知るすべもありません。

一応,本人から教えてもらうという方法はないわけではありませんが,本人も,自分が内に持っている尺度を他人に100%正確に説明することはおそらく不可能です。

人は,そのような個々人の「尺度」を基に行動しているため,他人から見て「不合理だ」とか「意味不明だ」と思うような選択や行動も,本人の「尺度」の中では,一定の優位性があるという場面があるわけです。

夜逃げのようにして辞めていった従業員は,本人の尺度の中では,正規の手続を踏んで辞めるよりも,とんずらする方がより優先順位が高い選択肢となるような尺度を持っていただけなのです。

話の長い取引先や上司も同じです。その人にとっては,ビジネス上必要なコミュニケーションを必要最小限度で終わらせるのではなく,多少時間を要しても,色々な話をすることが,本人の尺度の中では優先順位が高いのです。

気をつけていただきたいのは,この「尺度」は,善悪も正誤もないということです。

つまり,誰にも,個人の「尺度」を批判したり,非難したりすることはできないということです。

ただ,会社等の組織に属して働いてもらう限りにおいては,本人の「尺度」と,会社の基準やルールを合わせてもらう必要があります。

ここ重要です。本人に,自ら自発的に,組織が求めている「尺度」を取り入れてもらうというのが,経営者やマネージャー層が行うべきことなのであって,本人の「尺度」を否定したり,無理やり捻じ曲げるようなことはNGなのです。

「尺度」は言いかえれば「パラダイム」です。そして,「尺度」を変えてもらうこと(調整してもらうこと)を,「パラダイムシフト」と呼びます。

自分から見て不合理だとか,意味不明だと思う行動をとっている人がいたら,ぜひ,その人の「尺度(パラダイム)」に興味を持ってみてください。

きっと面白い発見があるはずですし,「こいつ使えない。」と思っていたような相手でも,実はすごく役に立ってくれる役割を見つけられるかもしれません。

ついでに言うと,そのように,相手の尺度を理解して,その尺度に合った役割を提供することも,相手の「価値と可能性」を引き出すことであり,リーダーシップそのものです。

う~ん,奥が深いですねぇ・・・。

ぜひ,相手の尺度を知る(見きわめる)という視点を日常生活の中で取り入れてみてくださいね!