札幌の弁護士による中小企業法律相談|阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

事例紹介

組織構築に関わるリスクの顕在化事例②

概要

社員が会社のお金を横領し,数百万円単位の損害が発生した。しかも,横領が発覚する前の税務申告内容が,横領の事実を踏まえたものになっていなかったため,支払う税金が増える事態にもなってしまった。

事前対策例

日常的に社員から好かれる(信頼される)ような人格的行動に努める。
※横領が発生する会社は,ほぼ間違いなく,当該社員が経営者に対して否定的な感情(=嫌っている,憎んでいる,苛立っている)を抱えて仕事をしていた傾向が存在します。逆に言えば,経営者と社員の信頼関係が良好である会社では,横領のような,社員自身が故意に会社に直接的損害を与えるようなトラブルはまず起こりません。最も効果性が高く,かつ,今日からでも取り組めるリスクヘッジ対策です。

・現預金の動き等について,異常があればすぐに確認できるような管理体制を構築しておく
※100%の予防は不可能ですが,中小企業であれば,経理担当社員にお金の管理をある程度任せていたとしても,経営者自身(もしくは担当役員クラス)が1週間ごとに必ず通帳や取引明細を直接確認する等,“通常と違うお金の動きや,あるべきお金がないという状態になったら,すぐに判明してしまう”という状態を作っておくことが,効果的な予防策になります。

≪注意≫
横領を含めた社員の不祥事対策として,不祥事を起こした場合には苛烈な制裁を科すこと(絶対に警察に届け出る,故意ではなく過失であっても損害を全額賠償させる等)を日常的に社員に通知するというようなやり方をする企業がしばしば見受けられます。
確かに,このような方法が不祥事の発生予防に対して一定の効果があることは否定しません。ですが,いわば恐怖政治のようなやり方になってしまい,社員の会社や経営者に対する貢献心を大幅にダウンさせるため,私はおすすめしていません。

関連事例

  • 組織構築に関わるリスクの顕在化事例①

    直属の上司である管理職が十分な管理・監督を行っていなかったために,技術的能力は高いものの(後輩に対して横柄な態度をとる等)人格面で問題のあるベテラン社員が幅をきかせる状況となり,他の社員(複数)の意欲が低下する事態が生じた。

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