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20178.4

自分を変えることで他者が変わる理由(前編)

前々回の投稿にて,「人を変えたければ自分を変えよ」という話をしました(記事はこちら)。

そして,その投稿の最後で,「次回の投稿にて,『自分を変えることで,結果として他者が(自発的に)変わってくれる』というメカニズムについてお話ししたいと思います。」とも書きました。

しかし,前回の投稿ではそのことを失念しており,別なことを書いてしまいました(^_^;)

期待してくださっていた方がいらっしゃいましたら,お詫び申し上げます。

ということで,今日こそは「自分を変えると人も変わる」という原則のメカニズムについてお話ししたいと思います。


「メカニズム」等とカッコつけた言い方をしてしまいましたが,実はかなりシンプルな話です。

先に結論を言ってしまいますが,「人を変える力」というのはすなわち「影響力」のことであり,自分を変えることで他者に対する「影響力」が高まるために,結果として影響を受けて感化された他者が変わるということです。

この結論には,極めて重要な原則が2つ関係しています。

1つ目は,「人は,自分にとって影響力のある人間からのメッセージは受け入れやすい(聴く耳を持つ)」という原則。

2つ目は,「自ら知り,気づいて,決意しない限り人は絶対に変わらない」という原則です。


まず1つめの原則について考えていきましょう。

皆さんは,過去に誰かから教えられたり,勧められたリ,アドバイスしてもらったりしたことで,それがやがて習慣化して当たり前になっていったという経験はあるでしょうか?

誰でも,多かれ少なかれあるのではないかと思います。

例えば,歯磨きをすること,お風呂に入ること,(外出して帰ってきたら)手を洗うこと等はどうですか?

少なくとも日本でいえば,ほとんどの方が習慣化していることではないかと思います。


さて,それでは,これらの習慣はどのようにして身に着けたでしょうか?

ほとんどの方は,小さい頃に親から教育されて,気が付けば当たり前の習慣になっていたという感じではないでしょうか。

では,なぜ親に教育されたこれらの行動は当たり前の習慣になったのでしょうか。

理由はシンプルです。

子供にとって親という存在は大きな「影響力」を持つからです。

子供は親の庇護がなければ生きていくのが難しい立場にあります。

そのため,子供にとって親の存在はいわば絶対的なものであり,親が「こうしなさい,ああしなさい」といった場合には,特に幼少期においてそれを受け入れないということはほぼありませんよね。

これが「影響力」です。


「影響力」というのは時に恐ろしいものです。

まさに,子供は親の影響次第で人格形成過程が大きく変わるということは,社会生活において生じる様々な事件等を通じて皆さんもご存知のところかと思います。

また,例えばオウム真理教のように,集団におけるトップの「影響力」が歪んだ方向に向けられ,影響を受けた複数の人間が犯罪行為に及んでしまうということもあります。

全く関係のない第三者から見れば,なぜそんな愚かな行為をしてしまったのか,と疑問に思ってしまうところですよね。

「影響力」とは,それくらい人の行動を左右する大きなパワーなのです。


ちょっとマイナスな方向に話が傾いてしまいましたが,もちろん,世の中において作用しているのは「負の影響力」ばかりではありません。

むしろ,「負の影響力」はセンセーショナルな事件等の形で表に出てきやすいので目立ちますが,実際は,多くの家庭では子供は親に良い影響を受けて健全に育っているのであり,また,師匠(上司)に良い影響を受けて成長する弟子(部下)もたくさん存在します。

本来的には,このような「正の影響力」の方が圧倒的に世の中には多いのです。

(そうでなければ,おそらく人類はとっくに滅んでいるのではないかと思います。)


さて,「影響力」の持つ大きなパワーが見えてきたところで,本題に戻りましょう。

「人は,自分にとって影響力のある人間からのメッセージは受け入れやすい(聴く耳を持つ)」という原則のお話でしたね。

上記で触れた「影響力」の持つパワーの大きさを踏まえれば,この原則から言えることは単純です。

人に何らかの行動を促したければ,その人に対する「影響力」を高めれば良いのです。


では,どうしたら他者に対する「影響力」を高めることができるのでしょうか。

それが,前々回の投稿でも触れた,スティーブン・R・コヴィー博士の提唱する以下の行為規範です。

① 模範となること(=人格に対する信頼性を高めること)

② 人間関係(信頼関係)を厚くすること(=仲良くなること,尊敬されること)

抽象的な表現ですが,本質はとてもシンプルなことです。


①は,人に求めることをまず自分が実践するということです。

例えば,遅刻をしてしまった時に,「遅刻をするな」という指導をしてきた上司が自分よりもっと頻繁に遅刻をする人だったら,その上司の言うことをきちんと聴こうという気になるでしょうか?

あるいは,遅刻はしていないとしても,いつも人の悪口ばかり言ったり,不平不満を口にしてばかりいるような上司であったら,その上司の指導に真摯に耳を傾けようという気になるでしょうか?

このように具体的に考えていただければ,「影響力」を高めるという観点において,模範になることや人格に対する信頼性を高めることがいかに重要であるかがわかると思います。

模範になったり,人格に対する信頼性を高めるにあたって,他者に何かしてもらう必要はありません。

もっぱら,自分自身が自分の行動を律すればよいのです。

というか,そうでない限り,他者の自分に対する人格的信頼性が高まることはありません。


②も極めてシンプルな話です。

皆さんだったら,伝えられるメッセージが全く同じ内容だったとして,仲の良い人,信頼関係のある人,尊敬している人から言われた場合と,そうでない関係の人(仲が悪い人,信頼関係のない人,軽蔑している人)から言われた場合とで,どちらの方が聴き入れようという気になりますか?

聞くまでもなく前者ですよね。

「影響力」は,及ぼしたい相手との間で相応の人間関係ができていなければ働きません。

どんなに模範になるようなきちんとした行動をとっていても,その人に嫌われるような態度や言葉を発してしまっていたら,相手に対して「影響力」を発揮することはできません。


では,良好な人間関係を築くことは,他者に何かしてもらわないとできないことでしょうか?

そんなことはありません。

日常的に感謝の言葉を伝えたり,(こちらから)気持ちの良い挨拶をしたり,困っている時には支援したり,何か迷惑をかけてしまった時にはすぐに謝ったり,そういう「礼」の行動の積み重ねによって,人間関係は築かれていきます。

そうすると,自然に,相手に対する「影響力」は強くなっていくのです。


このように,人を変える力=「影響力」を身に着けるには,専ら自分自身が努力することが必要なのです。

逆に言えば,他者に対する「影響力」を身に着けるために自分自身を変える(=努力する)ことで,他者を変える(=他者の行動変化を促す)ことができるようになるわけです。


以上が,「人は,自分にとって影響力のある人間からのメッセージは受け入れやすい(聴く耳を持つ)」という原則に関する視点となります。

自分を変えることがなぜ人を変えることにつながるのか,おぼろげながらでも見えてきていただけたでしょうか。


次回の後編にて,2つ目の原則=「自ら知り,気づいて,決意しない限り人は絶対に変わらない」について同じように深掘りしていきたいと思います。


お楽しみに!!