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20177.19

人の変化について短期的成果(即効性)を求めてはいけない

皆さんは,家庭や職場において他者に改善してもらいたいことがあった場合に,どんな行動をとっていますか?

注意する?

指導する?

叱る?

それとなくほのめかす?

上司に言ってもらう?

人によっていろいろな行動が考えられますよね。


今回は,そのような行動をとる場合にぜひ意識してほしいことについてお話ししたいと思います。

それは,人の行動を変えてもらうことについて,『短期的成果(即効性)を求めない』ということです。

『短期的成果(即効性』というのは,こちらの何らかの行動に対してすぐに効果が表れるということですね。

例えば,遅刻がちなAさんに対して,上司であるBさんが「遅刻をするな!」と注意したとします。

この注意によって,翌日からすぐにAさんが全然遅刻しなくなるという結果が発生したとします。

これがまさに,『短期的成果(即効性)』です。

今日注意したら,明日には直っているというようなイメージですね。


ですが,どうですか皆さん。

実際の現代社会において,他者からの注意や指導によって,すぐに人の行動が改善されるということは当たり前でしょうか?

宿題の嫌いな小学生の子供に対して,「宿題やらないと立派な大人になれないんだから,ちゃんとやりなさい!」と叱ったとして,その子供は翌日から常に宿題をやり続けるようになるでしょうか?

なかなか成果が出せなくて悩んでいる部下に,「お前は~~すれば成果が出せる!だからやってみろ!」等と指示したとして,その部下はその瞬間からいきなり成果の出せる優秀な部下になるでしょうか?

むしろ逆ですよね。

相手が余程感度のいい人であったり,自分自身の成長や行動改善に貪欲であったり,そういった珍しい場合を除いて,ほぼ原則的に,他者からの注意や指導によって,すぐに人の行動が改善されるなどということはまずありませんよね。

それで皆さん苦労したり,悩んだり,諦めたりするわけです。

『なんであの子は私(親)の言うことを聞いてちゃんと宿題をやってくれないだろう・・・』

『上司である俺が色々と指示してやってるのに,あいつはまるで動こうとしない。あいつは使えないな。』

なんて思ったりするわけですね。


日々,そんな苦悩を持たれている方にぜひお伝えしたい当たり前の原則があります。

それは,「人は自ら変わりたい(あるいは変わるべきだ)と決意しない限り,どんなに周りが的確な助言や指導をしても変わらない」という原則です。

皆さん自身で考えていただければ間違いなくピンとくることだと思います。

子どもの頃,何も面白味を感じないし,今の自分にとって何の必要性も感じない宿題を,ただ親から「やらなきゃダメだ!」と言われただけで,自ら進んでやる気が出て,言われなくてもやるような子供になったという方はいるでしょうか?

ごく少数の例外的な方はいらっしゃるかもしれませんが,多くの方は,そのようなきっかけで宿題を進んでやるようになったということはおそらくないはずです。

(親に怒られるのが嫌で仕方なくという動機ではなく)宿題を進んでやるようになったきっかけは,宿題自体をこなすのが面白くなったとか,宿題をやることでテストで高得点を取れるという成功体験を積んだとか,宿題をちゃんとやってきているとクラスの友達から賞賛されることがあってそれが気持ちよかったからとか,そういうものではないでしょうか?

そして,何かのきっかけで一瞬にしてそのような状態になることができたという人はほとんどいないのではないでしょうか?


先ほど,「人は自ら変わりたい(あるいは変わるべきだ)と決意しない限り,どんなに周りが的確な助言や指導をしても変わらない」という原則をご紹介しました。

この原則には続きがあります。

「人は自ら変わりたい(あるいは変わるべきだ)と決意しない限り,どんなに周りが的確な助言や指導をしても変わらない。そして,そのような決意を持ち,かつ,その決意を実際に行動に移すには一定の時間がかかる。

そう,人が自ら変わろうと決意し,かつ,その決意を行動に落とし込むには相応の時間がかかるのです。

なぜでしょうか?

簡単なことです。

変わることは大変なことだからです。

逆に言えば,変わらないということはとても楽なことなわけです。

「変わる」ということは,そのような安楽な状態を自ら脱する勇気と決断を要する行動であり,かなりの努力も求められる行動です。


ここでもう一つ重要な原則をお伝えします。

それは,

「ある行動をとることに対して,勇気,決断,努力といった要素をどのくらい必要とするかは,人によって全然違う」

という原則です。

人によっては,(それまでの様々な背景事情から)家から外に出て歩くという行為に対してものすごく大きな勇気,決断,努力を必要とする人もいます。

1,000円の服を買うことにも熟慮に熟慮を重ねて,勇気を振り絞る人もいます。

このように,「変わる(=行動を改善する)」ということは,(周りからは大したことじゃないように見えたとしても)その人にとってそれなりの一大事なのです。


ですから,今日上司に注意されて,ちょこっとだけ『変わらなきゃダメかなぁ』と考えたくらいではそうそう人は変わりません。

自分が何を目指しているのか(どんな人間になりたいのか,どんな成果を上げたいのか),そのために今の自分に足りないものは何なのか,足りないものを埋めるために変えるべき行動はどんなものかといった,「変わる」という決断を促すための1つ1つのピースを埋めていかなければならないのです。

だから,当然のごとく一定の時間がかかるわけです。

そのことを踏まえれば,『この人に変わって欲しいな』と思った側の人間としては,短期的成果を求めるようなアプローチを採ることは効果的でないということも,自ずから見えてくるのではないかと思います。

往々にして,短期的成果を求めるアプローチというのは,『恐怖を与えたり,強烈に不安を煽ることで,無理やり人を動かす』という方向に流れがちです。

そのような方法は,まさにその瞬間だけは短期的成果が発生することが多いからです。

怒られるのが怖いから仕方なくその時だけ宿題をやる子供や,上司に怒られたときだけ言われたことをやろうとする部下というのが典型的な例ですね。

このようなきっかけで行動した子供や部下が,自ら勇気と決断をもって自分を変えようとすると思いますか?

そんなことありませんよね。


人が変わるのには時間がかかる以上,変わって欲しいと思う側は,そのことを前提に長期的な視野で関わり方(あるいは自分の背中の見せ方)を考えて,実行することが効果的です。


根本的に行動を改善してほしいという人が身近にいらっしゃる方は,即効性のありそうな言動を模索するのではなく,ぜひ長期的な視野をもって,関わり方を考えてみてくださいね!