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20177.7

「共感力」という大いなる力

皆さんは,「共感力」という言葉を聞いて,どんな力をイメージするでしょうか?

辞書で「共感」を引いてみると,以下のような定義が載っていました。

『他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また,その気持ち』

この定義に当てはめて考えてみるならば,「共感力」とは,

『他人の意見や感情などにそのとおりだと感じる力』

ということになりそうですね。

これでも一応なんとなく言葉のイメージは湧きますが,私としては,この定義では説明不足というか,抽象的過ぎる感が否めないのではないかと思っています。


私の理解する「共感力」とは,

他人の感情(喜・怒・哀・楽・愛・悪〔憎〕・欲の七情)の発露について,自分もその人と同じような状態,境遇,事情等があれば,同じような感情を発露するであろうと具体的に想像し,(相手が『この人は私の気持ちを理解してくれた』と思えるほどに)そのような想像を相手に伝えることができる力

だと考えています。

「共感」という言葉は「共に感じる」と書きますが,何を“共に感じる”のかといえば,それはやはり感情,気持ちであるはずです。

人は,本能的に,「人から認められたい」とか,「自分を唯一無二の個人として尊重してほしい」という欲求を持っています。

そして,千差万別人それぞれである感情の発露について,自分と同じような感情を抱くだろうとリアルに想像して,それをきちんと伝えてくれる(=共感を示してくれる)人がいた時,人は自分の個人としての感情や気持ちを尊重してもらえたと感じ,安心感や多幸感を抱くとともに,そのような安心感や多幸感をもたらしてくれた相手に対して信頼感や好意的感情を覚えます。

逆に,共感を示してもらえないと,『この人は私を1人の人間として尊重し,認めることはないのだ』と考えてしまい,自信を失ったり,共感を示してくれない相手を恨みがましく思ったりといった状態に陥ってしまいます。

つまり,他者に対する「共感力」がある人と無い人とでは,他者との信頼関係構築能力に大きな差が生じるわけです。


さて,この「共感力」ですが,一部の天才的な人だけが有するものではなく,誰でもいくらでも鍛えることが可能です。

ただ,ちょっとした工夫をする習慣を身に着けないと,なかなか共感力を鍛えることは難しいと思います。

その工夫とは何か。

それは,「自分がなじみのない趣味や仕事のことを,自分のなじみのあることに置き換えて,相手の感情や気持ちを想像しようと努力すること」です。

例えば,私はテニスをほぼまともにやったことがありませんので,テニスの大きな大会で敗北したときの錦織選手の気持ちを完全に想像することは難しいです。

でも,スポーツというカテゴリーでいうと野球はずっとやっているので,野球の試合で負けた時の悔しさであれば実体験しています。

このように,自分のなじみのないスポーツである“テニスの大会において敗北したとき”の感情や気持ちを,自分のなじみのあるスポーツである“野球の試合で敗北したとき”に置き換えることで,想像がしやすくなります。

さらに,錦織選手は趣味や部活動ではなく,プロの世界=仕事の世界としてテニスをされている方なので,“仕事上の大事な勝負どころで,望み通りの結果を得られなかった”という視点からも自分のなじみのあることに置き換えて考えることで,より想像の幅を広げることが可能となります。

私の場合であれば,“勝てる見込みがある裁判で敗訴してしまったとき”等が当てはまるかなと思います。


もちろん,そのように多角的な視点から錦織選手の感情や気持ちを想像したとしても,彼は世界トップレベルの選手ですから,想像が追い付く範囲には限界があります。

でも,それはそれでいいのです。

少なくとも,『世界トップレベルのプロテニスプレイヤーである錦織選手の気持ちなんて到底想像できない』というように,最初から想像力を働かせることを放棄するよりも,ずっと共感力が鍛えられます。

錦織選手ぐらい普段の活動領域がかけ離れている人であっても,それなりに感情や気持ちについて共感力を働かせることができるのであれば,家族や普段の職場の上司・部下等,日常的に距離が近い方であれば,もっと深く共感力を働かせることができるはずです。

そして,そのように身近な人たちの感情や気持ちへの共感力を深く働かせることこそが,私たちにとって重要なことのはずですよね。


例えば,配偶者から文句を言われたり,自分の考え方を否定されたりしたら辛いし,ストレスであるというのは,間違いなく共感できることですよね。

その共感力を働かせる習慣がついていれば,自然と,配偶者に対してそのような行為をする頻度は減っていくはずです。

職場の人たちについても同様です。

上司である自分からダメ出しをされたり,批判されたりしたら,部下は辛いし,ストレスだし,職場を辞めたくなったりしてしまうことも,共感できることですよね。

(まあ,一度も誰かの下につくことなく,いきなり最高責任者の立場に立つというような例外的な経験をしている人は別かもしれませんが,仮にそのような人であっても,子供の時は親や先生が自分よりも立場が上であったはずですよね。)


共感力を働かせて,共感した感情や気持ちを相手に伝えることで,人との信頼関係は大きく強まります。

誰だって,自分の感情や気持ちを分かってくれることは嬉しいのです。

そして,わかってくれる人のことは信頼するのです。

身近な人たちとの信頼関係の増強は,間違いなく私たちの幸福や成功と直結します。

断言しますが,身近な人との信頼関係が弱いままであれば,どんなに個人としての能力が突出していたとしても,上手くいかないことがたくさん出てきます。

その逆に,個人としての能力が突出していなくても,たくさんの人に対する共感力を持ち,たくさんの人と厚い信頼関係を築くことができる人は,たくさんの人たちからの支援を得ることができ,結果として多くのことが上手くいくようになります。


ぜひ,共感力という大いなる力を身に着けて,周りの人たちからの深い信頼を得てくださいね!