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20175.30

「相手の考え方を否定しないこと」のもつ大きな意味

皆さんは,家族,同僚,上司,後輩,友人・知人等との間で,相手の言動や考え方が自分と全然違った時に,

「それはおかしい!」

とか,

「なんでそんなことするの?意味わからない!」

というような感じで,相手の言動や考え方に対して即座に否定的な捉え方をしたことはありませんか?

あるいは,そのような捉え方をするのみならず,否定的な印象を言葉にも出してしまって,相手との関係が悪くなってしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

ちなみに,私は,言葉に出すと喧嘩になるのであまり言わないようにはしていましたが,否定的な捉え方はけっこうしていました(^_^;)


結論から申し上げますと,このように,相手の言動や考え方が自分と大きく異なるものであった時に,それを否定的に捉えることには,大きな2つのデメリットがあります。

1つめは,相手との人間関係を良好にする上での大きな障害となるということです(デメリット①)

2つめは,そのような否定的な捉え方をした瞬間,あなたは,自分の考え方の枠を広げたり,新たな知識を得て人間として成長する機会を自ら捨て去ることになる,ということです(デメリット②)。

このように,相手の言動や考え方を否定的に捉えるという行動は,はっきり言ってしまえば,「百害あって一利なし」とすらいえるような行動であるということです。


これはどうしてだと思いますか?

考えてみましょう。


まず,相手との人間関係を良好にする上で障害となる,という点(デメリット①)について。

これはなんとなくイメージできる方も多いのではないでしょうか。

相手の言動や考え方に対して否定的な捉え方を自らしてしまうと,相手に対して「この人の考え方や言動は理解できない!」というイメージが先行してしまいます。

単純な話,このような状態になっている相手と仲良くできると思いますか?

そもそもの気持ちとして,『仲良くしたい』と思えないですよね。

では,そのようなあなたの(この人と仲良くしたいと思えない)気持ちは,相手に伝わるでしょうか,それとも伝わらないでしょうか。

これはほぼ間違いなく伝わります。

人の行動は,その人の考え方や価値観に基づいて選択されていきます。

そのため,あなたが相手に対して『この人と仲良くなるのは難しい』と考えてしまったら,そのような気持ちを一切言動に出さずに相手と接することはほぼ不可能です。

したがって,必然的に,あなたが抱いている感情は,(100%ではないにしろ)相手に伝わってしまうことになります。

ちなみに,以上は,相手の言動や考え方に対する否定的な印象を言葉に出さなかった場合を前提にした話であって,言葉に出した場合は当然ながらほぼ100%伝わります。

結果として,人間関係は悪化の方向へと進むことになります。

しかも,たちが悪いことに,以上のような流れで人間関係が悪化すると,多くの人は,『あの人の考え方はおかしい(理解できない)から,仲良くするのは無理だ』というように,相手との人間関係が悪化したのは相手の考え方に問題があるからだ,という結論に至ります。

こうなると,『相手(の考え方)が変わらない限り関係を良好にするのは無理』となってしまい,自分から関係を良好にする努力をしなくなってしまいます。

悪循環極まりないわけですね。

その人がどうでもいい他人であればともかく,大概,こういう状況で関係が悪化する人というのは,家族であったり,職場の上司や同僚であったり,あなたの人生において重要な影響を持つ立場にある人がほとんどです。

そのような人たちとの関係性が悪くなることは,人間にとって非常に大きなストレスの原因になります。

アドラー心理学で有名なアルフレッド・アドラーも,「人の全ての悩みは対人関係に起因する」とおっしゃっているくらいですから。

そうすると,相手の言動や考え方を否定的に捉えて受け入れようとしないことで結局一番損をするのは,あなた自身ということになるわけです。


次に,自分の考え方の枠を広げたり,新たな知識を得て人間として成長する機会を自ら捨て去ることになる,という点(デメリット②)について考えてみます。

これも実はそんなに複雑な話ではありません。

皆さんは,自分が今持っている知識や考え方は完全完璧で,これ以上何も広げたり深めたりする必要はないと思っていますか?

たぶん,そのようなことを考えている人は世の中に誰もいないと思います。

つまり,人間は誰しも,多かれ少なかれ,知識や考え方を広げたり深めたりして自分を成長させる必要性を感じているということです。

ついでにいうと,人間は自分の成長を実感できると幸せを感じるようにできているので,「成長したい」という欲求を強く持っている人も多くいます。


さて,それでは,自分と全然違う考え方や言動をする人がいた時に,次の2種類の反応のどちらが,知識や考え方の枠を広げるという視点から見て効果的でしょうか?

(1)「この人の考えていることは意味が分からない(理解できない)」と思って,それ以上は特に何も考えない

(2)自分とは全然違うものの見方や考え方に対して興味を持って,「この人はどうしてこのような考え方をしているのだろうか。この人のような視点でものを見てみたら,自分にはどう見えるだろうか?」というように,今まで自分が有していなかった視点や考え方について想像を巡らせること

(2)の選択を採った場合にどの程度知識や考え方の枠が広がるかはケースバイケースでしょうが,多少なりとも広がることは間違いないでしょう。

これに対して,(1)の場合はどうでしょうか。

こちらの選択を採った場合には,知識や考え方の枠が一切広がらないというのは,誰の目にも明らかだと思います。

もったいないですね。


経営の神様と呼ばれる松下幸之助は,「素直な心の内容十か条」の一つとして,「すべてに学ぶ心」を挙げ,

「素直な心というものは,すべてに対して学ぶ心で接し,そこから何らかの教えを得ようとする謙虚さをもった心である。」

と説いています。

加えて,「素直な心のない場合の弊害十か条」の一つとして,「衆知が集まらない」ことを挙げ,

「素直な心がない場合には,人のことばに耳を傾けようとしなくなり,その結果,衆知が集まらないようになる」

と説いています。

※「衆知」=多くの人々の知恵


また,アメリカのリーダーシップの権威であるスティーブン・R・コヴィー博士は,

「二人の人間の意見がまったく同じなら,一人は不要である。」

として,異なる意見を持つ人同士が集まってそれぞれの考え方を活かすことで,それぞれ1人1人では生み出せない価値を創造することができると説いています。


以上見てきたように,相手の考え方を否定せずに受容するという習慣は,人間関係の良好化という側面からも,自己成長という側面からも非常に大きな意味をもっています

ちなみにいうと,相手の言動に対してイラつくことも少なくなるので,精神衛生上も良いです(^^)


自分と全然違う考え方を持つ人がいたら,ぜひ,『知識や考え方の枠を広げるチャンス!!』と考えてみてくださいね!