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20175.12

私が「人を動かす考え方・技術」(=原則)を追究する理由

私は,本ブログを通じて,度々,人を動かすための考え方や技術(=原則)についてお話ししています。

今日は,どうして私が,そのように「人を動かす考え方・技術」にこだわるのかということについてお話ししたいと思います。


さて,皆さんにとって,「弁護士」とは,一言でいうとどんな仕事でしょうか?

あるいは,何に関する専門家(プロフェッショナル)でしょうか?

このように尋ねると,おそらく多くの方は,

「法律の専門家」

とか,

「裁判等の法的紛争に関する専門家」

というようなお答えを思い浮かべるのではないかと思います。

実際,「あなたは何に関する専門家ですか?」と聞かれたら,上記のように答える弁護士もたくさんいると思います。

(なお,そのような回答は何らおかしいものではなく,そのような回答を批判したいわけではありません。)


しかし,上記のような質問に対する私の回答は違います。

私は,自分は「人を動かすプロフェッショナル」だと思っています。

より詳細にいえば,「(一定の目的を達成するために)クライアントが他者に対して望んでいるアクションを,他者にとってもらうことについての効果的な対応方法に関するプロフェッショナル」ということになります。

弁護士がクライアントから頂くご依頼内容は多岐にわたりますが,ごくわずかな例外を除いて,全ての依頼事項に共通していることがあります。

それは,最終的に他者に対して一定のアクションをとってもらうことが必要である,ということです。

クライアントは,(家庭,職場,取引関係,コミュニティ,知人関係その他様々な)他者との人間関係において何らかの問題を抱えており,その問題を解決するには他者に一定の対応をとってもらう必要があるにもかかわらず,そのような対応を実際に相手にとってもらうことが自力では困難である状況にある際に,自分に代わって(あるいは自分と一緒に)その問題を解決してほしくて,弁護士にご依頼をされます。


・配偶者と離婚したい(けれど,自分ではどのような進め方をすれば望むような離婚に至れるのかわからない)

・貸したお金を返してもらいたい(けれど,自分のやり方では一向にお金が返ってこない)

・取引相手と対等で公正な取引をしたい(けれど,どのような形で相手との契約を調整すればよいかわからない)

・自分が築いた財産を自分の望むとおりに家族に承継していきたいが,納得しない者がいる(けれど,自分ではどのような働きかけをすれば相手が納得するのかわからない)

・親が残してくれた遺産があるので,きょうだい間で公正に分割したい(けれど,どのようにきょうだいと話合いをすればきょうだいが納得してくれるのかわからない)

・不慮の交通事故に遭ってケガをしてしまったので,適切な賠償を受けたい(けれど,どの程度の賠償が適切といえるのか,どのような話をすれば相手の保険会社にこちらの要求を認めてもらえるのかわからない)

・金融機関借金の返済スケジュールの見直しを認めてもらいたい(けれど,どのような話をすればいいのかわからない)


これらはよくある相談のほんの一例にすぎませんが,以下のとおり,いずれの相談についても,クライアントの希望を叶えるためには,他者に一定のアクションをとってもらう必要がありますよね。


・クライアントの望む条件での離婚に応じてもらう

・お金を返してもらう

・公正な契約を交わしてもらう

・自分の希望する財産承継方法に同意してもらう

・自分の希望する遺産の分割方法に同意してもらう

・適切な賠償金を払ってもらう

・借金の返済方法を変更することについて同意してもらう


このように,「~~してもらう」というのが達成したい目標(成果)である場合は,必ず,「人を動かす」ことが必要になります。

そうであるならば,真にクライアントにとって必要な専門家とは,「法律の専門家」ではなく,「人を動かすこと」に関する専門家(プロフェッショナル)でなければならないはずです。

法律そのものや,法律に基づく裁判その他の法的手続は,あくまで,「人を動かす」ための一手段に過ぎません。

しかも,人は法律上のルールを説明したからといって簡単に動いてくれるわけではありません。

なぜなら,「人は論理ではなく感情で動く」という原則があるからです(詳細は過去記事「人は論理ではなく感情で動く」をご参照ください)。

そうすると,単に法律や裁判手続に詳しいというだけでは,クライアントの希望を実現する上での効果性として十分ではないということになります。


例えば,あなたの下に,(同じ用件で)ある弁護士から以下のような2種類の文書が送られてきたとします。

文書① 「あなたには法律上こちらの要求に応じる義務があります。ついては,●●日以内にこちらの要求に応じなければ,法的措置を進めます。」

文書② 「こちらとしては,~~という事情から,法律に照らしてあなたにはこちらの要求に応じる義務があるものと判断しています。もっともあなたにも言い分やご事情があると思いますので,まずはそれをお聞かせください。その上で,双方が納得できる形でお話合いを進めたいと考えます。」

あなたにはその要求内容について大いに異論があるとした場合に,どちらの方が,その弁護士と話合いをしてみようという気になるでしょうか。

おそらく,多くの方が②を選ぶのではないかと思います。

なぜなら,「人は自分の話をきちんと聞いてくれる人の話の方が,より聞く耳を持つ」という(人間心理の)原則があるからです。

このような原則に,法律は何ら関係ありませんよね。

与えられた状況の中で,こちらが採り得るどのようなアプローチをすれば,相手方がこちらの望む対応(もしくはそれに近い対応)をしてくれるのかという視点こそが最も重要になるのです。

そして,その視点の下で具体的な選択肢を考えるにあたって重要となるのが,「●●という原因があれば,その結果として人は動く(動きやすい)」という原因と結果の法則,すなわち「原則」なのです。


私は,人を動かす原則を研究し,これを実践することこそ,弁護士がもっともクライアントの幸せに貢献できるお仕事であると確信しています。


また,このような人を動かす原則を多くの方と共有することで,非効果的なアプローチによる人間関係の摩擦が減り,社会において人々が感じる幸福感も増大すると確信しています。


今後もたくさんの原則や,その実践例をご紹介していきますので,ぜひ参考にしてみてくださいね(^^)!