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20173.7

問題解決の本質とは

私は,問題解決の本質とは,究極的には「①自分がどう動くべきか」と「②他者にどう動いてもらうべきか」の2つに集約されると考えています

ビジネスにおいても,プライベートにおいても,人は日々,大小様々に発生する問題(=課題)と向き合いながら生きています。

そして,自分自身(あるいは組織)の目的達成に向けて解決すべき問題から目をそらさず,常にその解決に向けて努力し続ける人が,いわゆる成功者となっていると考えられます。


そのような「問題解決」という概念ですが,皆さんは,ご自身が直面する問題を,日々どのように解決しているでしょうか。

例えば,不健康なレベルまで体重が増加してしまったという「問題」が発生したため,ダイエットをしてこれを解決したいと考えたとします。

さて,この問題を解決するために,誰が何をすべきでしょうか。

これはシンプルですよね。

まずはダイエットしたい自分自身が,食事のコントロールと,適切な運動を実践するということにつきるでしょう。

これが,「①自分がどう動くべきか」というという視点です。


では,自分だけでは自己管理を徹底できる自信がないから,毎日体重計に乗っているかを家族に確認してもらったり,あるいは,ダイエット仲間を見つけて,お互いに定期報告し合うなどの仕組みを作ろうと思った場合はいかがでしょうか。

これも問題解決への効果的なアプローチといえそうですね。

もっとも,こちらは自分だけでは完結しないアプローチです。

他者に動いてもらう必要があるわけですね。

こちらは,「②他者にどう動いてもらうべきか」という視点です。


さて,ダイエットについて,「①自分がどう動くべきか」ということと,「②他者にどう動いてもらうべきか」ということ以外に,何か考える必要はあるでしょうか。

『体重計を高性能なものにした方がやる気が出るかな?』

これは,(自分自身が)体重計を新調するという行動をとるかどうかという視点なので,「①自分がどう動くべきか」に含まれますね。

『自分がすごく着たいと思える服をあえて2サイズくらい小さいサイズで買って,モチベーションを上げようかな。』

これも同じですね。

『お金はかかるけどライザップを利用した方が手っ取り早いかな。』

これは,ライザップに申し込むという点は①でしょうし,その後にライザップのトレーナーさんに色々と指導や支援を受けることは②に当てはまりますよね。


そうなんです。

問題解決に向けた具体的打ち手を考える視点としては,結局のところ,「①自分がどう動くべきか」と,「②他者にどう動いてもらうべきか」の2つしかないのです。

さらに言うと,「②他者にどう動いてもらうべきか」という視点は,厳密には2段階の思考が必要になります。

つまり,まず第一に,「問題解決のために他者にどのような動きをしてもらうか」ということを考えますよね。

次に,第二段階として,「他者にそのような動きをしてもらうために自分ができる効果的な働きかけはどのようなものか」ということを考える必要があります。

他者を動かすためには,その人に,こちらが望むような動きをとろうという動機を形成してもらう必要があります。

そのため,そのような動機を形成してもらうためには,自分はどんなアプローチを行ったらよいか,ということを考える必要があるわけですね。

例えば,ダイエット仲間との報告会をしっかりと維持していきたいのであれば,なるべく自分が取り纏めや連絡等を引き受けることで,仲間の負担を減らすことができ,仲間が面倒くさがらずに取り組んでくれることが期待できるかもしれませんよね。

そういうことです。



ビジネスにおける問題解決でも全く同じです。

もっとも,ビジネスの場合,解決のための施策をまずは検討した上で,それから①,②を考えるというステップを踏むことになることに注意が必要です。

具体例で考えていきましょう。

最近社会的にホットな話題として,労働時間に関する議論が多くなされていますよね。

例えば,A社という会社で,従業員の残業が多いという問題を解決したいと考えたとします。

労働時間を短縮する方法は,従業員1人当たりの生産性を上げたり,従業員の数を増員したり,受注量をコントロールしたり,人の手に代わる機会やシステムを導入したり,会社の規模と状態によって実に様々な施策が考えられると思います。

まずは,A社にとって有効かつ打ち手として可能な施策はどれかを決めていくという作業が第一段階ですね。

それでは,仮に第一段階として,「従業員1人当たりの生産性を上げる」ということを目標にしたとします。

その次に来るのが,従業員1人当たりの生産性を上げるために,①社長や担当責任者自身がどう動くべきか,あるいは,②他の幹部や従業員にどう動いてもらうべきかという視点です。

この視点で考えていくと,実際に必要な打ち手が如実に浮き彫りになってきます。

例えば,社長自身は,少しでも従業員のモチベーション(とそれに伴うパフォーマンス)が上がるように,明るく元気に笑顔で接すること,困っている従業員にはこちらから手を差し伸べること,定期的に従業員たちの悩み(※仕事上でもプライベートでもOK)を聞いてあげること,従業員の誕生日等記念日をお祝いすること,等々いくらでも単独で打てる打ち手が出てきますよね。

これらは全て①ですね。


次に②を考えてみます。

例えば,能力の高い優秀な従業員に自分のやり方を文字に起こしてもらって,それを社内で共有するという方法があるかもしれません。

(ちなみに,このようなやり方をする場合,当該優秀な従業員に,そのような貢献をしてもらうこともきちんと人事評価対象に加えることを伝えておくことが必要です。よほどその従業員が人格的にも優れていない限り,自分が一生懸命考えた工夫を真似されて他の従業員が成果を上げることは面白くないと感じるはず可能性が高いので,それに対するケアが必要ということです。)

あるいは,適材適所になっていない可能性があるので,各部署の責任者に,部署の従業員の中で,部署の業務を不得手としている人間がいないかどうかを調査してもらうのもありかもしれません。


こんな風に,問題解決のための施策を決めたら後は①責任者(社長)自身がどう動くか,ということと,②他のメンバーにどう動いてもらうか,という視点で考えるようにすれば,自ずから具体的な打ち手は見えてくるわけです。

ちなみに,問題解決をチーム単位で取り組んでいる場合,当該プロジェクトチームのメンバーがそれぞれどう動くかということは定期的に会議等で決められていくことが一般的だと思います。

もっとも,そのチームメンバーの動きの中で,①メンバー本人が動くのか,②社内の他の従業員等に動いてもらうのかという視点で,各メンバーの担当業務を整理することはあまりないのではないでしょうか。

そこも可能な限りチームで一緒に考えていかないと,特に②で躓くメンバーが出てくる可能性が高いです。

②は,自分では直接コントロールできない他者に動いてもらうという視点なので,そこには人を動かすためのノウハウやスキルが必要になります。

ところが,人を動かすためのノウハウやスキルは,かなり意識してトレーニングをしないと身につかないものなので,一チームメンバーのみでその方法を考えろといっても厳しいことが多いと考えられます。

その結果,本来的には②として他の従業員にお願いすべきことを無理に①にもっていって,そのメンバーの動きが遅くなってしまう(下手をしたら潰れてしまう)ということが起こりえます。

元々は労働時間短縮という目的を達成するためのプロジェクトチームなのに,チームメンバー個人にそんな過剰負荷がかかってしまう事態になったら本末転倒ですよね。


どんな問題解決であっても,解決に向けた打ち手を考える上での本質は,「①自分(責任者)がどう動くべきか」と,「②他者にどう動いてもらうべきか」に尽きます。


ぜひ,新たな問題や課題の解決に取り組む際に,この視点を活用してみてください。

会議の時間は間違いなく短くなりますし,『結局何をどうすればいいの?』という消化不良感もなくなって,プロジェクトが前進していくこと請け合いですよ!