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201610.26

「動機」にフォーカスする

私のところにご相談にいらっしゃる方々の多くは,皆さん,誰かしら他者(法人含む)を動かしたいという願望を持っていらっしゃいます。

・もっと従業員に成果を上げてほしい

・もっと優秀な人に入社してほしい

・もっとたくさんの人に自社の商品を買ってほしい

・自分のきょうだいに,遺産分割協議に応じてほしい

・配偶者に離婚に応じてほしい,慰謝料を支払ってほしい,養育費を支払ってほしい

・交通事故被害を受けたので,きちんと賠償してほしい,謝罪してほしい

このような,他者を動かしたい(他者に変わってもらいたい)という願望は,弁護士のところにご相談にいらっしゃる方でなくとも,皆さん多かれ少なかれでお持ちのことと思います。

今日は,そんな「人を動かしたい」という願望を成就するために,どのようなことに焦点を当てていくべきかということについてお話ししたいと思います。

重要な視点はいくつかありますが,今日は,「動機にフォーカスする」をテーマにしたいと思います。

皆さん自身がそうだと思いますが,人は,何かしら動機が無ければ行動しません。

例えば,何の動機付けもなく食事をする人はいるでしょうか?

空腹を満たしたいとか,美味しいものを食べたいとか,きちんと健康に生きていきたいとか,人によって動機の内容に違いはあれど,何の動機付けもなくわざわざ貴重なお金を支払って食事をするという人はいませんよね。

対称的に,動物は,そのような千差万別な動機によって行動選択をするのではなく,生存本能に従って食事をしていますよね。

この「動機」は,「欲求」とほぼイコールの意味を持っています。

上記の食事の例は「食欲」に関することですが,食欲,睡眠欲,性欲は,人間の「三大欲求」なんて言われたりしていますよね。

このように,人は常に何かしらの動機(欲求)によって行動を選択しているのです。

そうであるならば,他者を動かしたいと思った時には,いかにして,こちらが望むような行動をその人がとりたいと思うような動機を与える(気づかせる)ことができるかどうかが重要になるといえますよね。

要は,他者を動かしたい場合,『どうすれば相手がそういう行動をとりたい(とるべきだ)と思ってくれるのか。』ということを考える必要があるということです。

これが,「動機にフォーカスする」ということです。

動機にフォーカスしようとした場合,できる限りたくさんの相手の情報があった方が有利といえます。

どんなことがその人の動機付けになるかどうかについて,考える幅が広がるからです。

できる限りたくさんの情報を得るためにはどうするべきでしょうか。

そう,相手に話してもらう必要があるのです。

だから,自分ばかり一方的にしゃべってしまうセールスマンはなかなか売れない,という話を前回のブログでしたわけです。


ところが,多くの人は,相手を動かしたいという願望を持っていながら,相手の動機にフォーカスするということはしません。

では,どうしているのか。

ほとんどの場合,やっていることは共通しています。

「自分の言っていることは正しい。だからあなたは動くべきだ。」

と繰り返す言い続けるだけです。

「お前が今月末までに売上ノルマを達成しなければ,会社に利益が出ない。会社に利益が出なかったらみんな困るよな?だったら俺の言っていることは間違っていないよな?わかったらとにかくやれ!」

「私(妻)はいつも家で育児に苦労しているのに,あなた(夫)はどうでもいいような飲み会にばっかり行って全然関わってくれないじゃない!父親ならもっと子供に関わるべきでしょ!(=私の言っていることは正当なんだから,動くべきでしょ!)」

「私どもの商品には従来商品にはないこのような機能が備わっており,必ずやお客様のお役に立てるものと考えております(=うちの商品は本当にすごいから,私の言っていることは正しい。だからあなたは買うべきだ。)」

このような場面は,皆さん本当に日常茶飯事ではないですか?
(2番目の例については,私自身,書いていて我が身を正す気持ちになりましたが,本筋と関係ないので,ひとまずさておきましょう(苦笑))

上記の例のどれをとっても,相手の動機や欲求にフォーカスしている要素はないですよね。

それでも,上記のようなやりとりの結果として人は動くことがあります。

しかし,それは,真に自らの欲求を満たすために動いているのではなく,煩わしい小言や叱責を繰り返されるのが嫌だから,という極めて消極的な動機によるものです。

自分自身に置き換えて考えていただきたいのですが,このような動機で,行動は長く続くでしょうか。

続かないですよね。

例えば,夫婦間でのやりとりにおいて,そのような消極的な動機付けによる行動が積み重なった結果,不満が爆発して離婚に至ってしまったという夫婦を何組も見てきました。

あるいは,従業員の不満が蓄積し,わずか数か月間で辞めてしまうとか,場合によってはパワハラ,セクハラ,サービス残業等で会社を訴えるというようなケースも珍しくはありません。


『人を動かしたければ,その人の動機にフォーカスせよ』

特に,今まで自分の正当性ばかりを強調してきたという自覚がある方は,ぜひこの点を意識して行動を変えてみてください。

間違いなく成果が出ます。保証しますよ!