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20169.14

豊かさマインドと欠乏マインド

「7つの習慣」の第4の習慣「win-winを考える」の中で重要な意味を持つ概念として,「豊かさマインド」と「欠乏マインド」という概念が登場します。

「豊かさマインド」とは,この世にはすべてのものが全員に行きわたってもなおあまりあるほどたっぷりとある,と考えるパラダイムです。

これに対して,「欠乏マインド」とは,パイの数には限りがあり,誰かが取れば,自分の取り分が減る,すなわち,人生は勝つか負けるかのゼロサム・ゲームであると考えるパラダイムです。

特に競争や浮き沈みの激しいビジネスの世界にどっぷりと浸かってきた人や,子供の頃に自分勝手な親にないがしろにされ,『世の中は自分さえよければそれでいいという世界なのだ。他人のことなんて気にするのがバカなのだ。』というような悲観的パラダイムを形成してきてしまった人等は,この欠乏マインドに支配されている場合が多いです。

私自身,弁護士として様々な相談を受ける中で,「相手に勝てますか?」とか,「何としてもあいつを負かしたいんです!!」というような希望を言われたことは何度もあります。

それくらい,世の中には欠乏マインドがあふれかえっています。

これは仕方がない面もあると思います。

実際,今の日本は,一般的に義務教育を進んで高校・大学と進学していこうとすれば,必ず受験という競争を経験します。

また,就職活動や資格試験等についても,限られた枠を争うという意味では,進学受験と同様の感覚を持ってしまうのは無理からぬことでしょう。

ただね,そもそも,受験や就職活動,資格試験等の関門は,本当に,他者との勝ち・負けの競争としか捉えられないんでしょうかね。

(進学・資格試験)受験も就職活動も,自分の目標を達成するためにやるべきこと,そして実際の試験や面接の場でやることはなんですか?

勉強,情報収集,研究活動,その他さまざまな自己研さん等ですよね。

そして,当日は,それらの準備活動の成果を発揮するだけですよね。

これらの活動のどこに,他者との争いが出てきますか?

これらの活動は,どこまでも「自分との戦い」というべきではないでしょうか。

そうなのです。結局,戦いとか競争とか言われていることの大半は,他人との勝ち・負けのゼロサム・ゲームではなく,自分が目標を達成できるかできないのかというセルフ・リーダーシップあるいはセルフ・マネジメントの世界なのです。

これはビジネスの世界においてもそうです。

競合他社の存在は,確かに自社の事業存続に対する危険因子となることは否定できません。

しかし,例えば競合他社を何らかの形で廃業に追い込んだからといって,それが原因となって自社が成長し,たくさんのお客様から愛されるという展開へと至ることができるでしょうか。

そんなことはありません。

競合他社を廃業に追い込むことに時間やエネルギーを費やすということは,それだけ,自社が成長する機会や,お客様との良好な関係を築く時間,経営者や社員が人格を向上させる機会等を喪失しているといいうことです。

あーもったいない!!

他者の足を引っ張る暇があったら,もっともっと社員との関係を良好にして,社員が会社に貢献したいと思えるような環境や風土を作ることに注力した方がよっぽど生産的です。

他者の足を引っ張る暇があったら,もっともっとお客様と触れ合って,仲良くなって,自社のことを好きになってもらえるように注力した方が,よっぽど業績が向上します。

このように,少し掘り下げて考えてみると,何でも「勝ち・負け」で考えることがいかに非生産的かということがよくわかると思います。

ところが,残念ながら,世の中の多くの人々は,この「少し掘り下げて考えてみる」という行動をとったことがなく,また,とろうという発想を持つ機会すらないことが多いのです。

つまり,良質な情報に触れる機会が少ないということですね。


ちなみに,このようなお話をすると,

「でも,スポーツの世界は明らかに勝ち・負けがあるじゃないか。だとすれば,プロスポーツ選手は,自分が勝って相手が負けるべきだという「勝ち・負け」のパラダイムがむしろ重要になってくるんじゃないのか!?」

などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら,私の個人的解釈ではありますが,スポーツの世界も,「勝ち・負け」というのは,当該スポーツをより面白く,より知的で,より人間力向上に資するように,適切なルールによる枠組みを形成していった結果でしかないと考えられます。

良いプレーをしたり,自分を鍛えて磨き上げてきた成果を試合の場で発揮したいという欲求を充足していくと,必然的に,勝利という結果が伴ってくるというだけの話でしょう。

その勝利というのは,まさに,自分がこれまで続けてきた努力や,試合で自分の出せるパフォーマンスを出し尽くしたということが1つの形となって実を結んだものであって,決して,とにかく相手を負かすということばかりに力点を置き続けた結果ではないはずです。

実際,私は10代の頃ずっと野球をやってきて,弁護士になってからも弁護士会の野球部に所属して野球を続けていますが,勝つ時というのは,自分達がきちんと練習の成果を出せたときか,(こちらも十分に成果を出せてはいないものの,それ以上に)相手がこちらよりも練習の成果を出せていない時のどちらかだと考えられます。

以上見てきたように,欠乏マインドで他者に勝つことばかりに力点を置いて腐心してしまうことは,結局その人にとって何のプラスにもならないわけです(むしろ,マイナスになることの方が多いでしょう。)。

ぜひ,豊かさマインドを持ち続け,常に他者とのwin-winや,三方良しの精神を実践していきましょう~!!