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20167.27

課題の分離

オーストリア出身の心理学者であるアルフレッド・アドラーの言葉の中に,以下のようなものがあります。

『あなたが悩んでいる問題は本当に「あなたの問題」だろうか。その問題を放置した場合に困るのは誰か,冷静に考えてみることだ。』
※「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉」より引用

これは,アドラー心理学で言われている「課題の分離」という考え方です。

上記の著書の中でも述べられていますが,例えば親が勉強をしない子供に対して,「もっと勉強しなさい!」と叱る場面を思い浮かべてください。

このような場面において,勉強をしなかったことで不利益を被るのは誰でしょうか?

親でしょうか?

違いますよね。

勉強をしなかったことで不利益を被る可能性があるのは,誰あろう子供自身です。

つまり,「勉強をするかしないか。しなかった場合にどうなるか。」という課題は,あくまで子供にとっての課題であって,親の課題ではないわけです。

(※自分の子供の成績が悪いということで世間体が悪いとか,恥ずかしい等と考える方にとっては不利益があるといえるのかもしれませんが,それはそもそものパラダイムの問題であり,不利益と呼ぶべきではないと思います。)

ところが,多くの親は,「子供のためを思って」という大義名分のもとに,子供自身の課題に土足で踏み込み,『良い成績を取り,,良い学校に入る子供になってほしい』という“親の”願望を叶えようとします。

子供は親をよく見ていますので,親のそのような主観的な願望を見抜きます。そして,自分の意志とは関係なく親に支配されることを拒絶したり,あるいは,無理に自分を押え込んで表向き親の言うことに従いつつ,心の奥底では,自分の本当に望んでいる状況と現実状況とのずれに大きなストレスを抱えることになります。

さて,このようなやり方は,子供の健全な成長や,豊かな人間性を育むという観点から効果的といえるでしょうか。


同じことは,会社における上司と部下の関係においてもあてはまります。

熱意をもって部下育成をしようとしている上司ほど,「部下のためを思って」という大義名分のもとに,部下自身が直面している課題について,こうしろ,あーしろと自分の主観(パラダイム)に基づく意見を押し付けようとしてしまいがちです。

しかし,その課題は,あくまで部下自身の課題であって,上司の課題ではありません。

そうであるならば,上司は,部下が自分自身で課題を解決することに対する支援に徹し,決して,課題への対応について上司の意見を押し付けてはいけません。

そうすることで,部下は自分自身の課題を自分で解決するために考え,苦労し,その過程で大きく成長することができるのです。


親子のケースでも,上司と部下のケースでも,親や上司は悪気があったり,相手の成長を妨げようなどという気はありません。むしろその逆のことがほとんどでしょう。

しかし,そうであるからこそ,課題の分離をしっかりと意識しなければならないのです。

子供や部下が,自分の課題を自分の責任をもって主体的に解決することを支援することにより,子供や部下は,私的成功へとステップアップすることができます。


ぜひ,自分と他者の課題を分けて考え,自分の課題については自らの責任で解決し,他者の課題については他者自身による解決を支援するという習慣を身につけましょう!