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20167.17

「事実」と「現実」を区別することの重要性(前篇)

皆さんは,普段人と会話する際に,「事実」と「現実」の区別を意識していますか。

今日は,事実と現実をきちんと分けて整理することで,対人コミュニケーションによる摩擦はかなり減らすことができるというお話をしたいと思います。


そもそも,「事実」と「現実」の違いとは何でしょうか。

おそらく,これら2つの言葉を明確に使い分けている人はあまりいないのではないかと思います。

正直,辞書的な定義を引いてきても両者の違いは明確にならないので,端的に私が学んだ理解を示したいと思います。

まず,「事実」とは,現に発生した不変的な出来事や状況を表すものです。

これに対して,「現実」とは,個人が,自分自身の知覚フィルターを通して見聞きした(体験した)事実を表します。

うーん・・・これでもかなりわかりにくいですね(^_^;)

具体例で考えてみましょう。

例えば,AさんがBさんに対して,「約束を破るなんてひどい!!」という発言をしたとします。

ここで,Bさんが,友人であるCさんに対して,「Aさんに『約束を破るなんてひどい』と言われた。」と説明した場合,BさんはCさんに対して「事実」を説明しています。

これに対して,もしBさんがCさんに対して,「約束を破ったことでAさんに怒られた。」と説明した場合,BさんはCさんに対して「現実」を説明しています。

まだまだわかりにくいと思いますので,もう少し掘り下げていきましょう。

前者の場合,Bさんは,Aさんが発した言葉をそのままCさんに伝えています。Aさんの発言内容そのものは,Bさんが聞いても,その他の誰が聞いても同じですから,不変的な出来事ということができます。

これに対して,後者の場合,Bさんは,Aさんの発言内容そのものではなく,Aさんの言葉や態度から自分がイメージした内容を語っています。

Aさんが「怒っていた」と感じるかどうかは人それぞれであって,不変的とはいえません。

「Aさんが怒っている」というのは,まさにBさんの知覚(=イメージ,想像)フィルターを通したからこそ出てきた表現なわけです。

そうすると,実際にAさんがBさんに対して「怒っていた」といえるかどうかは確定的ではないということになります。

このように,事実と現実は,言葉としては非常に似通っていますが,実は全く異なる概念です。

ところが,実社会においては,ほとんどの会話において,この2つの違いは意識されていません。

明日の後編にて,この2つを意識することがいかに重要かについてお話ししていきたいと思います。