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20167.16

大事なことは相手にしゃべってもらおう!②(上司に対する効果的アプローチ編)

昨日に引き続き,「大事なことは相手にしゃべってもらおう!」というテーマで,今回は部下が上司に対して行動改善を促したいときという場面を想定してみたいと思います。

このような場合,昨日の上司から部下へのパターンと異なり,行動改善を促したい相手が,組織上の立場が上の人間なので,はっきり言ってハードルは低くないと言わざるを得ません。

とはいえ,何ら打つ手がないかというと,そんなこともないわけです。

相手の立場が上だったり,少なくとも,相当程度立てなければならない相手の場合,有効な技術があります。それは,「Iメッセージ」を活用することです。

「Iメッセージ」とは,主語が全て「私は」から始まるメッセージのことです。

対概念である「Youメッセージ」と比較するとわかりやすいと思います。

すなわち,「Youメッセージ」は,「あなたは~~である。」,「あなたは~~すべきだ。」,「あなたの~~はおかしい。」等々,相手に対する評価や批判をするときに使われる言葉です。

これに対して,「Iメッセージ」は,「私はあなたの言葉に対して~~と感じた。」,「私にとっては〇〇は~~である。」等々,常に,自分自身の感情や心情等を表現する言葉です。

ここまでお話しした時点で,既にIメッセージの良さとYouメッセージの問題点に気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。

「Youメッセージ」は,相手に対する攻撃に近いところがあります。なにせ,「あなたは~~だ。」などと,相手に対する評価を直接的にぶつけているわけですから。

このような攻撃を受けた人間は,当然ながら,やられっぱなしは嫌だと思い,反撃をしようとします。例えば,「私は〇〇な人間であり,あなたの~~という評価は間違っている。」という反撃に出たりするわけです。

こうして,また一つ世の中に争いごとが増えていくわけです。

でもね,ちょっと考えてみてほしいのです。

この,「あなたは~~である。」,「いや,~~という評価は間違っている。」という論争って,お互いのために有益なものといえるでしょうか。

私に言わせれば,このような論争はお互い(及び社会)にとって何らのプラスもなく,不毛極まりないものでしかありません。

だってね,「あなたは~~だ。」,「いや,私は〇〇だ。」等と言い合って,相手の行動改善を促すという目的達成につながりますか?

つながりませんよね?

このような論争を繰り広げる当事者は,双方とも,単に,お互い売り言葉に買い言葉で,自分の意見が正しいと相手に認めさせて,承認欲求や支配欲求,虚栄心などを満たしたいだけです。

そのようなやりとりで,上司が自らの行いを反省し,行動を改善しようと決意することなど,およそ考えがたいですよね。

逆に,「Iメッセージ」を使った場合,「私は社長の先ほどのお言葉を聞いて不安になりました。」,「先ほどの社長のご発言,正直怖かったです。」などという感じで,あくまで,相手への攻撃ではなく,自分自身の感情や心の動きを率直に説明しているという状況になります。

このようなアプローチに対しては,上司は反発しにくいですよね。Youメッセージを言われた場合,上司が「お前に俺の何がわかる!!」などというお決まりのようなセリフを言ったとしても,状況的におかしいとはいえません。なにせ,部下から一方的な評価を受けている状況なわけですから。

でも,Iメッセージの場合は,自分のことを話しているだけですから,「そんなのおかしい。」とか「お前は間違っている。」などという反論はしにくいです。

その結果,多くの場合,上司は,「なぜ自分の行動で部下は怖いと感じているのか。」とか,「なぜ自分の行動で部下は不安を感じたのか。」などと,自問自答し,自分の行いを省みることになります。そうして,必然的に,上司自身が,問題に対する解決策(=自分の改善点)をしゃべってくれたり,少なくとも考えようとはしてくれるわけです。

こうして,上司が自分の行動と向き合う機会を持ってもらうことで,結果として,上司の行動改善を促すことにつながってくるわけです。

もちろん,これですぐ完璧な上司になってくれるわけではないでしょうが,Youメッセージで喧嘩状態になるよりはよっぽど建設的な方向に動くはずです。

それに,面と向かって上司の問題点を指摘する(=Ypuメッセージを使う)のは正直言って抵抗感があると思いますが,Iメッセージは上司を直接批判するわけではないので,比較的伝えやすいというメリットもあります。

上司との関係に悩みを持っていらっしゃる方は,自分の不安や恐怖,困惑と言った感情を上司に率直に伝えた上で,それに対して上司がどう思うのか,というように,上司にしゃべってもらう形で問いを発してみてください。

原則として,(恨みや憎しみを持っていない)人に対して不安や恐怖を与えたいと積極的に思う人はいませんので,多少なりとも変化の兆しは出てくるはずです!