阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属 阿部竜司法律事務所 札幌弁護士会所属

2016 06.13

「あなたの幸せの要素を教えてください。」

と聞かれたら,皆さんはなんと答えますか。

なかなか即答しづらい質問なんじゃないかな~という気がします。

今回は,それぞれが望む幸せの在り方を考える上で重要な指標となる「5つの欲求」についてお話ししたいと思います。

選択理論においては,人間の行動は,常に5種類の欲求のいずれか(※複数同時もあり)を満たすために行われるものと考えられています。

5つの欲求の具体的内容は以下のとおりです。

生存の欲求 ⇒ 生きながらえようとする欲求。食事,睡眠,生殖等

愛・所属の欲求 ⇒ 愛し愛される関係を築きたい,誰かとつながっていたいという欲求

力の欲求 ⇒ 仕事で成果を上げたり,誰かに認められたり,名声を得たいという欲求

自由の欲求 ⇒ 自らの人生を自らの自由で決めたい(誰かに制限されたくない)という欲求であると同時に,経済的な意味でも自由でいたいという欲求もさす

楽しみの欲求 ⇒ 趣味や教養を楽しみたい,あるいはもっと色々なことを知りたい,学びたいという欲求

5つの欲求のそれぞれについて,どの程度欲求が強いかどうかは,完全に人それぞれです。遺伝子レベルで決定されているものなので,(一卵性双生児は例外として)原則この世に2人と同じ人はいません。

実はここが最も重要なところです。

5つの欲求からわかることは,「私たちは,人それぞれ『幸せ』と感じる要素に違いがある」ということです。

それにもかかわらず,人は,自分が思い描く幸せ(=幸せに対する価値観)を絶対的なものだと思い込み,特に家族や恋人等の近しい人に対してこれを押しつけようとしたり,強引に理解させようとしたりすることが多々あります。

私は,世の中の離婚原因の大半は,この「幸せに対する価値観」の押しつけが元凶ではないかと思っています。

夫婦それぞれが思う幸せの形を各自が絶対視するあまり,配偶者の求めている幸せの在り方について理解しようとせず,結果として対立してしまうわけです。

明日のブログで,具体的にありがちなケースで分析しつつ,さらに5つの欲求について深めていきたいと思います。