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20166.8

真の勝利とは「戦わずして勝つこと」

「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。」
(「孫子」謀攻編の一より抜粋)

私は孫子の兵法が好きで,自分の考えを整理するときに参考にすることがしばしばあります。

冒頭の文は,『百度戦闘して百度勝利を収めるのは、最善の方策ではない。戦わずに敵の軍事力を屈服させることこそ、最善の方策なのである。』というように訳されています。

さて,なぜ孫子のこの部分を引用したかと言いますと,「争いごとの解決方法として,裁判という選択肢は原則おススメできない」ということを皆さんにお伝えしたかったからです。

孫子は,兵法家,つまりどうやって戦争で敵に勝つか,ということを考える専門家であったにもかかわらず,『そもそも戦争なんてしないのが一番!!』という考え方の持ち主でした。
なぜなら,戦争を行うことは,国にとって貴重な資源を大量に失うことになり,大きな損失を伴うからです。

私が孫子の兵法を好んでいる最も大きな理由がここにあります。戦争の指南書でありながら,『本当は戦争なんてしないのが一番だけど,もしどうしてもやるとしたらこういう風にやるべきだよ。』という構成になっているところに,非常に感銘を受けています。

人と人との紛争にも同じことが当てはまります。

争わないのが一番なのです。

争わなければ,相手を恨んだり,憎んだりして精神的安定性を失うこともありません。

争わなければ,争いという非生産的なことに費やす時間を,もっと生産的なこと(=人々の幸せにつながること)に使うことができます。

争わなければ,余計なお金がかかることもありません。

争わなければ,好きでもない相手のことを四六時中考えて,その相手に人生を振り回されることもありません。

もちろん,例えば犯罪被害に遭ってもとにかく許せとか,不当に権利を侵害されても泣き寝入りをしろとか,そのようなことを言うつもりはありません。

侵害された権利の回復はとても大切ですし,他者の権利を不当に侵害する人に対しては,(その人自身のためにも)一定のサンクションが必要な場合があります。

しかしながら,世の中の争いごとには,きちんとお互いのものの見方や考え方を理解していれば,円満な話合い(交渉)で発展的に解決できるのに,誤解や擦れ違い,思い込み等から感情的対立が激しくなり,最早当事者間の円満な話合いではどうにもならなくてなってしまった,というようなものが数多くあります。

このような,はっきり言ってしまえば不毛な争いごとを,どのようにして「戦わずに勝つ」か(=Win-Winに導くか)。

私が弁護士として一番やりたいことはこれです。

「戦わずして勝つ」

この道を究めていきます。