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20184.5

リーダーの重要原則④『真の美点凝視』

今回は,リーダーシップをとっていきたい全ての人にとって重要な原則の4つ目として,美点凝視についてお話ししたいと思います。


美点凝視とは,端的にいえば,読んで字のごとく相手の良いところに注目して,それを相手に伝えることをいいます。

さて,このような美点凝視の意味に触れて,

「要は相手の良いところをほめた方がいいって話でしょ。そんなの耳にタコができるくらい聞いたことあるよ。」

と思われた方も少なくないかもしれません。

ですが,私は,美点凝視をそのように単に相手をほめる習慣と位置付けてはいません。

私は,『真の美点凝視』とは,相手が自分自身でも気づいていない価値と可能性に気付けるように,相手の存在や言動によってこちらにもたらされる貢献や嬉しさ,あるいは共感といった観点を伝えることだと考えています。

もちろん,ほめることが悪いとまで言うつもりはありません。

ただ,リーダーがメンバーとの関係性をより強固にし,組織やチームの目的・目標を達成していくというゴールに対する効果性の面では,単に相手の良いところをほめる,ということよりも,上記の『真の美点凝視』の方がより効果的であると断言します。

どうしてだと思いますか?

考えてみましょう。


例えば,皆さんが,社内における新規プロジェクトのメンバーとして,あるリーダーの指揮下で行動する場面に立ったと想像してみてください。

あなたは,リーダーの指示をよく守り,与えられた課題を迅速にこなしたとします。

そのことに対して,リーダーから,

「迅速に課題をこなしてくれたようだね。よくやってくれた。今後もその調子で頼むよ。」

と言われるのと,

「君が迅速に課題をこなしてくれたおかげで,プロジェクトの次の段階が見えてきたよ。ありがとう!色々と忙しい中で課題に対応するのは大変だったと思うけど,今後も力を貸してほしい」

と言われるのとで,自分自身の価値や可能性に気づくきっかけになりそうなのはどちらでしょうか?

もっと簡単に言えば,『自分がリーダーやチームの目標達成のために貢献ができた,役に立った』と実感できるのはどちらでしょうか?

おそらく,後者の方が実感できるというご意見の方がほとんどではないかと思います。


リーダーがチームの目的・目標達成のために効果的なチーム創りやメンバーの育成・支援をしていく上で重要なことは,『いかにしてメンバーに高いパフォーマンスを発揮してもらうか』ということですよね。

この点は,異論のある方はいらっしゃらないと思います。

では,メンバーに高いパフォーマンスを発揮してもらうというのはどういうことでしょうか?

それは,チームの目標達成に対して効果性のある貢献をし続けてもらうということです(※「してもらう」ではなく「し続けてもらう」である点に注目してくださいね)。

例えば,どんなに仕事が早くても,やっている仕事の内容がチームの目標達成に対して効果的でなければ,はっきり言って仕事の早さは価値につながっていませんよね。

それなのに,「君は仕事が早くて素晴らしいね!」とだけほめても,チームの目標達成につながる高いパフォーマンスを発揮してもらう方向にはつながりにくいですよね。

本当に大事なことは,「仕事が早い」というような表面的な部分ではなく,それによってもたらされる(目標達成への)効果性のはずです。

そして,メンバーに意識してほしいことも,『自分がどのようにチームの目標達成に対して効果性を発揮することができるか(=貢献することができるか)』のはずですよね。

だからこそ,相手が自分自身でも気づいていない価値と可能性に気付けるように,相手の存在や言動によってこちらにもたらされる貢献や嬉しさ,あるいは共感といった観点を伝えるということが重要なのです。

自分がどのように貢献できているのか,あるいは貢献できる可能性があるのかといったことが明確になればなるほど,メンバーはそこに力を注ぐことができるようになりますよね。


以上のことは,スポーツで考えてみると,よりわかりやすいのではないかと思います。

例えば,皆さんが野球チームの監督だったとして,ピッチャーが,ピッチング練習やよりよいピッチングを行うための体力づくりなどではなく,ひたすら素振りやバッティング練習にばかり注力していたらどう思いますか?

ピッチャーの役割は良いピッチングをして相手の攻撃を抑えることにあるのですから,ピッチャーがバッティング練習にばかり力を入れるのは効果的ではないですよね。

このようなピッチャーに対して,

「おお!スイングが速いな!すごいじゃないか!」

とか,

「いつも熱心に練習に取り組んでいて感心だな」

などと声をかけようと思う人はおそらくいませんよね。

「君の役割は相手に点をとられないために良いピッチングをすることにあるのだから,その役割において高いパフォーマンスを発揮できるようになる練習をした方がチームの勝利という目標との関係で効果的ではないかな?」

というような声をかけようと思うはずです。

誤解を恐れずにいうと,ここで,「おお!スイングが速いな!すごいじゃないか!」と声をかけるのと,企業内において,メンバーに対して(目標との効果性を意識せずに)「仕事が早いな!すごいじゃないか!」と声をかけるのとはほとんど同じことといえます。

相手の存在や言動によってこちらにもたらされる貢献や嬉しさ,あるいは共感といった観点を伝えているのではなく,単に一面的に「すごい!」といえそうな要素を拾ってほめているだけに過ぎないという点が共通しているからです。


『真の美点凝視』を実践すると,メンバーは自らリーダーやチームのために自分が貢献できることに気付けるようになっていき,効果性のある高いパフォーマンスを発揮してくれるようになります。

重要なことは,常に目標達成に対する「効果性」を判断軸において,効果性との関わりにおけるメンバーの「美点」を「凝視」することです。


最後に,もう1つ大事なことを付け加えておきます。

それは,失敗にも効果性があるということです。

失敗したこと,うまくいかなったことについて美点凝視することを難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが,失敗したりうまくいかなかったという状況は,何らかのチャレンジをしたときですから,目標達成との関係でそこから得られるものは少なくありません。

「失敗から学ぶ」というのは人や組織の成長に対する効果性の原則の1つであり,本などでもたくさん紹介されています。

この原則は,美点凝視にも活用できるわけですね。

「メンバーが●●という失敗をしてくれたから,××という視点を持つことができた」というように,美点を凝視していきましょう。


ぜひ,効果性を意識して,『真の美点凝視』を実践してみてくださいね!